中国側には安堵感 強硬な謝罪・賠償要求なく

(http://www.sankei.co.jp/news/morning/18pol003.htm)

中国各地で反日デモが続く中、北京で十七日に行われた日中外相会談は、中国側にとってほぼ満足すべき結果だったとみられる。中国側は、町村信孝外相が訪中前、デモの破壊行為について謝罪と賠償を求めると述べるなど、強い姿勢を示していたことに神経をとがらせていたが、日本側が反日デモでの責任追及よりも「一致点を探す」(日本側出席者)方に力点を置いたことによる。反日デモ自体については、その原因が歴史問題などへの日本の「誤った態度、行動」にあるとの抗弁が成り立つものの、日本の外交公館などへの破壊行為は、中国の国内法でも国際的ルールからも弁解の余地がない。このため中国の李肇星外相は日本側の追及に備え、毛沢東周恩来トウ小平三氏の日中関係を重視する発言を用意し、一貫して日中友好を守るため努力していると力説することで、日本側を牽制(けんせい)した。奇妙なことに、会談の冒頭取材にあたった日中双方の報道陣のうち、中国側だけはこの李外相の発言前に会談場から退去させられた。中国政府が日中友好に努めていることが報道され、反日世論を刺激するのを避けたかったのではないかとの見方が日本側にある。
 
町村外相の発言は中国側の予想に反し、暴力行為への遺憾表明にとどめ、謝罪と賠償要求については既に表明した通りとの文脈で述べたにすぎなかった。多くの時間は関係改善のための安保対話や政策協議の提案とか、首脳交流についての要請に向けられた。李外相は日本側の提案に前向きの姿勢を示したと日本側出席者は受け止めた。謝罪と賠償要求を事実上先送りした引き換えといった印象だ。日本側はこの問題は今後の話し合いで処理するとしているが、中国の武装警官が二〇〇二年、瀋陽総領事館に駆け込んだ脱北者を取り押さえようと敷地内に入った事件や中国原潜の領海侵犯事件などと同様、あいまいに終わる公算が大きい。
  
中国側が遺憾の意すら表明しなかったのは、反日デモを擁護し、日本への妥協をしない姿勢による。その点は、十八日の町村外相の会談相手が温家宝首相ではなく、副首相以下のランクの唐家●国務委員になったことにも表れた。
 
●王へんに旋

・・・・・・「在外公館警備に自衛官派遣を」と威勢の良い事を言っておきながら、結局これですか。外相に就任直後は、中川とこの人を閣内に入れた事だけは評価していたんだけどな。これで小泉首相同様、口だけというのがはっきりと分かった。記者団に対してだけ、怒りのポーズを見せるだけでは時間の無駄だ。北朝鮮との実務者協議に関して、担当の外交官が自ら「日本外交は敗北した」と発言したのと全く同じ状況である。中国大使を召還するなどの脅しや、貿易など経済的圧力による対抗手段をチラつかせる事無しに“謝罪や賠償”を勝ち取れるわけがない。百戦錬磨の中国に勝てるわけが無い。そもそも交渉の相手が国務委員って何だ。敗れるべくして敗れたどころか、下っ端をあてがわれて小馬鹿にされていたのだ。小泉の二日前倒しの靖国参拝といい、このような曖昧な妥協こそが益々日本外交の混迷を深めていく事に気付かねばならない。「中国はプライドが高いからあまり追い込まない方が良い。町村はバランスの取れた交渉をした」とか抜かすアホ小泉信者が沢山湧いてくるんだろうけどな(笑)。
 
 
町村外相が「反省」・中国中央テレビが報道
(http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050417STXKA059017042005.html)

【北京18日共同】中国中央テレビは18日未明のニュースで、17日に行われた町村信孝外相と李肇星外相の日中外相会談について、李外相が「日本は侵略の歴史を反省し、中国国民の感情を傷つけないようにすべきだ」と指摘したの対し、町村外相が「深い反省とおわび」を表明したと報じた。日本側が、中国各地での反日デモについて抗議したことは伝えなかった。

一方で、李外相は、日本にある中国の外交施設や中国人の安全確保を強く要請したとしている。 (02:06)

町村外相の「おわび」強調 中国、反日の沈静化狙いか
(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050418-00000004-kyodo-int&kz=int)

【北京18日共同】中国国営通信、新華社は17日深夜、町村信孝外相が李肇星外相と同日行った外相会談で「日本の中国に対する侵略は、中国人民に大きな傷を負わせた」と述べ、「深い反省とおわび」を表明したと報じた。
 
中国政府には、町村外相の歴史問題での「おわび」を強調することで、国内世論をなだめ、中国各地で相次いでいる反日デモの沈静化を促す狙いがあるとみられる。新華社電によると、李外相は会談で「日本が侵略の歴史に対する反省を具体的行動で示し、中国人民の感情を再び傷つける行為をやめるよう希望する」と述べた。町村外相が中国各地で起きている反日デモの過激な行動について中国側に謝罪と補償を求めたことには一切触れず、逆に李外相が「日本にある中国の公館や中国人の安全確保」を強く要請したと伝えた。新華社電は、両外相が両国友好関係の発展で一致したことも強調した。
共同通信) - 4月18日5時41分更新

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まあ、これを読んで「中国の報道を信用するな。事実を捻じ曲げているのだから」「共同通信サヨクだから中国に加担する報道をしている」といきり立つ小泉信者は多かろう。だがそんなのは当然予想出来た事であり、なあなあで済ませようとする卑屈な姿勢だからこそ付け込まれるのだ。
 
◆「愛国無罪」を厳しく追及 町村氏、中国側に反論
(http://www.sankei.co.jp/news/050418/sei004.htm)

町村信孝外相は17日夜、日中外相会談で反日デモでの破壊行為について「『愛国無罪』と言えば何をやってもいいのか」と李肇星外相に厳しく迫ったことを記者団に明らかにした。

 
反日デモ 中国、一切の責任認めず 外相会談、謝罪拒否 首脳会談へ調整
(http://www.sankei.co.jp/news/050418/morning/18iti001.htm)

■対中配慮、足元見られる

日中外相会談は、あまりの激しい反日デモに呆然(ぼうぜん)とした日本側が、対話継続に重点を置いたばかりに、中国側に足元を見られた結果となった。中国側に対する配慮ばかりが目立ち、その一方で、在留日本人保護はなおざりにされたといっても過言ではない。「法律に基づき対処したい」(李肇星外相)といいながら、十七日にも大規模な反日デモが行われ、在留日本人は反日行動の脅威にさらされたままだ。今回の会談について、外務省筋は「双方が一致点を探していこうという雰囲気で行われ、一致点があったと思う」と評価して見せた。さらに、謝罪と賠償については、決着済みといわんばかりの説明を繰り返した。
 
もともと、今回の反日デモに伴う暴動への謝罪問題では外務省内に認識の違いがあった。「チャイナ・スクール」とも称される外務省の中国担当者は、九日に中国の喬宗淮外務次官が阿南惟茂駐中国大使に「お見舞いと遺憾の意を表明する」と述べたことをもって「中国側はすでにお見舞いをしている」と主張。別の幹部は、「謝罪と賠償について正式な回答は得ていない」との認識を示しているが、一連のデモと暴動について、「中国政府の想定を超えていたのではないか」などと、中国側に理解を示す外交官もいるほど。

 
◆中国次官「日本が先に謝罪すべき」
(http://www.sankei.co.jp/news/050418/kok060.htm)

武次官は「日本政府が、歴史問題で過去の誤ったやり方を改める断固たる措置を取れるかどうかを見守る」とも述べ、デモが沈静化するかどうかは日本側の対応次第との見方を示した。

自分の組のチンピラを暴れさせて「ウチの若いモンが言う事を聞かんのですわ」と脅しをかけるヤクザの親分の様だな(笑)。どう考えても、全くの第三者が見ても、この暴動の非は中国側にあるのにいつの間やら主導権を握られている。アホか。
 
・・・と、ここでコメント欄に「町村外務大臣が新たにお詫びをしたとの報道は捏造の可能性がある」との指摘を頂いた。もちろん言うまでも無く捏造であろう。せいぜい日本国内で、中国資本の銀行にパチンコ玉が撃ち込まれた事を“遺憾”と述べたぐらいで、今回の暴動に関して日本が謝る必要などどこにも生まれないだろうし。ただ上記の通り、それを非難しているのではなく、何故そういう状況を許したのかという事である。
 
一番最初に引用した「奇妙なことに、会談の冒頭取材にあたった日中双方の報道陣のうち、中国側だけはこの李外相の発言前に会談場から退去させられた。」の部分に注目されたい。これは、阿南惟茂駐中国大使などのチャイナ・スクールと中国高官の間で、一種の取り引きがあったのだと推測される。つまり、会談の冒頭で町村外相にとりあえず日本の代表として言うべき事を言わせ、日本のメディアには取材させ一応の満足を与えておくが、反政府運動に繋がる報道をしかねない国内の報道陣の耳と口は封じる。そして中共は引き換えに、国内向けの日本強硬ポーズを保ち、日本への暴動に対する謝罪と賠償を回避する事が出来た。町村外相はその絵にまんまと踊らされたのだ。
 
何度でも言うが、今回の反日暴動は、日本にとって非常に都合の良いものであり(笑)、“歴史認識”を武器にしてくる中共を攻める絶好のカウンターだった。近年まれに見る、最大のカードだった。その有効性を、むざむざと中共の意を受けたチャイナ・スクールに潰されるようなミスをし、それを跳ね返す国会意志を持ち合わせていなかった町村外相の能力を疑わざるを得ない。「町村外相、唐国務委員と会談へ」という記事にもある通り、温首相との会談が実現せずに不快感を表明するのなら、同格の政治家を引っ張り出す為の努力が必要だったのである。中華思想にもとづく華夷秩序に組み込まれてしまった事にも全く気付いていない様子だ。
 
一方、中共は十分にこの危機を乗り越えた。謝罪と賠償要求を無視し、それ以上追及する能力と意志は日本政府には無いだろう。そして今月22日に行なわれる予定の日中首脳会談会談では、小泉首相靖国神社参拝に対して更なる圧力を掛けてくるだろう。それに拍車をかけたのは、今回の外交交渉の敗北である事は間違いない。
 
ただ、ろぐ氏も述べるように「彼らが「非」を認め、謝罪した瞬間に共産党は崩壊する。」という点はある。それを十分認識した上で、せめて今回の暴動で生まれた被害に対する“賠償”だけは何としても得なければならない。西村真悟が、眞悟の時事通信

この横暴・傲慢な反日の連鎖を切断するものは、当方の「法と正義」に基づく断固たる態度である。そして、その当方の「法と正義」を示すものが「賠償請求」である。金額の多寡ではない。

と言うように、最低ラインの条件を破ってはならないのだ。