雄叫びクリンチ君

◆Apes! Not Monkeys! はてな別館「自分の思い込みにはまってどうしようもなくなっているひと」
(id:Apeman:20060914#p2)

私は最初から小林よしのりの議論を相手にしてたわけじゃないでしょ? このエントリちゃんと読んだのだろうか。「はっきりいって、「日本が受諾したのは判決だけ」論は愚にもつかない珍論である」って書いてあるでしょ? 私の議論の対象は「日本が受諾したのは判決だけ」論全般であり、その論拠として2点挙げたわけ。「日本が受諾したのは判決だけ」という結論そのものを論駁できれば、その結論に至る理路(というより迷路だろうが)の違いなんてどうでもいいわけですよ。私の挙げた論拠への反論に成功した人間にのみ、「小林よしのりなり佐藤和男なりの議論を読んで反論しろ」と要求する資格があります。

Apeman氏は、(http://d.hatena.ne.jp/myhoney0079/20060906/p2#c)にて「SAPIOを立ち読みした」と野良猫氏に対して言っています。正直言って、野良猫氏はApeman氏に対してあまり有効な反論が出来ているとは思いませんでした。しかし「判決理由」について触れた際の二人の議論を見ていると、「主文」と「判決理由」についての小林の主張を双方とも理解していないのでは、と判断せざるを得ませんでした。私もSAPIOを買ってから気付いたんですけど。よって、Apeman氏は『「日本が受諾したのは判決だけ」という結論」にも論駁など出来ていないし(判決の内の「主文」のみが既判力を持つ、それは法の一般原則である、という主張に反論してない)、既に読んだと宣言している以上、資格を云々するのは意味がありません。
  
>私の議論の対象は「日本が受諾したのは判決だけ」論全般であり
 
と言っているのですから、小林の主張が正論だろうが珍論だろうが“全般”に含まれます。「読んだ」と宣言している以上、理路だろうが迷路だろうが、それに反論出来なかったのですから論破している事にもなりません。『「サンフランシスコ講和条約によって日本が受諾したのは戦犯裁判の判決だけで、裁判そのものではない」という主張を「箸にも棒にもかからぬ愚論」と評するキャンペーン』で、“小林信者”を挑発して論戦を求めていたわけですね。しかし論戦を求めたにも関わらず、2chなり他所のブログに宣伝をする事もなく、たった2・3日で勝手に「有効な反論もないので」という理由で止めてしまった。K1の武蔵選手ばりの「雄叫びクリンチ」君ですね。「議論だー!論戦だー!かかってこいやー!」と叫びながら、殴り合いもせずに相手に絡み付く。自分は「日本が受諾したのは判決だけ、というのが愚論だ」という事を論議してるだけだ、この議論に歴史観は関係ないんだ、と言いながら
(id:Apeman:20060912#p3)

東京裁判はけしからん、あんなものは認めん!」といいはるひとは、じゃあ「歴史のif」を認めるとして一体どういう戦後処理を構想するんでしょうか? 相手のあることですから、日本の言い分がそのまま通ったりはしないんですよ。ポツダム宣言第10条は断固拒否、と。で、その後は? ヨーロッパ戦線、アジア・太平洋戦線をあわせて6千万人が亡くなったとも言われる大戦争の後始末ですよ? 相手がそう簡単に「戦犯の処罰はしない」なんて条件呑んでくれるはずはないですよね?

と新たなキャンペーンを始め、法解釈の話を吹っ飛ばして
  
◆鬱々日記「中日社説。ついに血縁を非難し始め 」のコメント欄
(http://d.hatena.ne.jp/gunnsenngoku/20060905#c1157981003)

# gunnsenngoku 『刑期を終えた人を、さらに犯罪者扱いしてもよいとは思えません。これは中韓だけではなく、国内報道機関にも言えることなのですが、せめて、『元A級戦犯』と言うべきではないでしょうか。明らかに人権侵害です。出所した人を、犯罪者と呼び続けるのと同じですから。また、意味の悪用と言っておられますが、中韓サヨクの論法は、『A級戦犯、つまり奴らは犯罪者なのだ。だから、彼らが祀られている靖国に参拝するのはおかしい』だと、俺は理解していますが、意味の悪用とおっしゃるなら、どこが間違っていますか?
 
また、罪を償ったなら、なかったこととまでは言わなくても、最低限、それを非難してはならない思います。償ったのに非難されるというなら、彼らの償い、死刑であったり禁固刑であったりはなんだったのでしょうか。(略)』

# Apeman『 まず現実問題として、「罪をつぐなって刑務所から出てきた人を一般人のように扱っ」ていないのが日本社会の現状だと思いますがね。出所した性犯罪者を対象にミーガン法的なものを導入せよ、という主張は主として保守派から出てるわけですが。私が言っているのは、刑期を終えて出所したからといって、その人物が過去に犯罪を犯した事実が消えてなくなるわけではない、という当たり前のことなんですが、それが分かりませんか? 言い換えれば就職、居住、その他において元服役囚が不利な取り扱いを受けてはならないからといって、その人物について「あの人は罪なんて犯してないんだよ」と言わねばならないのか? ということです。
(略)
あなた方の問題点は、自分で勝手につくった二者択一を相手(この場合私)に投射しちゃうということですね。首相の靖国参拝支持者が問題にしているのは靖国が慰霊施設ではなく、戦死者の「顕彰」のための施設である(歴史的にも、現在の靖国神社の主張によっても)、という点です。「許すか許さないのか」の問題ではなく、「顕彰してよいのか?」というのが問題点になっているのです。次に、靖国参拝の是非に関する議論は、元戦犯たちに改めて法的な措置をとることを要求するわけではない。法的な観点からいえば戦犯の責任は「解決済み」であるわけです、いちおう。そうではなく、日本の戦争指導者たちの政治的・歴史的評価が問題なのです。後でも述べるように国家レベルの問題を個人になぞらえることには問題が多いのですが、敢えて例えてみましょう。ある大量殺人犯が死刑になった、としましょう。その元死刑囚の遺族が彼の死をひっそりと悼む。それに文句を言う人間はいないでしょう。しかし遺族たちが「追悼」にとどまらず、「○○の遺徳を称えて」と称して立派な記念碑を建て、そこで故人の功績をたたえ大量殺害を賛美(革命のための闘争だった、とか)したらどうか? 被害者の遺族や生存者が怒るのはおかしいですか?

突然「戦争の被害者が可愛そうっ」って話になっちゃう。ぶはは。裁かれた戦犯をネチネチいたぶって首相の靖国参拝を批判し、自分の歴史観を振りかざしているだけじゃないか。アホらしい。しかもミーガン法が出てくるとは(笑)。別に分祀だろうがなんだろうが、細かい事はどうでも良い。『自分がいつ「中国の言う事を全て聞け」だなんて主張した!?』と噛み付いてくるApeman氏の討論手法は理解したよ。結局、自分の政治思想を攻撃させずに自分だけは相手の揚げ足を取る事で議論に勝った!と満悦する「雄叫びクリンチ」に過ぎない。こんな人に絡まれた野良猫氏も迷惑だよなー、単に利用されただけだもの。Apeman氏にとって「法の解釈」も「被害者達の存在」も「ブログの討論相手」も、全ては自分の政治信条を披露する為の道具なんじゃなかろうか。