“運スレ”化する産経新聞と保守派ブロガー

◆【安倍内閣1カ月】(下)したたかさに強運
(http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/25172/)

■政敵欠場・靖国…「歴史問題」乗り切る
慰安婦への日本軍関与の強制性を認めた「河野談話」の見直しに下村博文官房副長官が言及したことが、国会で波紋を呼んでいる。民主党など野党は「閣内不一致だ」と追及する構えだが、安倍晋三首相は「全く問題ない」と余裕の表情で、むしろ自らの政権運営に自信を深めているようだ。
  
「求心力は高まっているし、安定している。当選回数と経験の不足という懸念は払拭(ふっしょく)された」
 
首相より10歳年長の丹羽雄哉自民党総務会長は手放しで称賛する。その求心力の核となっているのが、首相の「予想外のしたたかさ」(閣僚)に加えて強運だ。その予兆は、組閣前日に表れた。首相にとって手ごわい政敵となると指摘された民主党小沢一郎代表が、自身の再選を決めた臨時党大会直後に入院したのだ。その後、民主党衆院議員による不倫騒ぎなど敵失もあった。さらに北朝鮮の核実験は、安倍政権の強硬路線を引き出し、さきの衆院補選に向けて結果的に追い風となった。身近に迫る核の脅威の前で、政権発足後に足かせとなりかねなかった靖国神社参拝問題は、忘れ去られたかのような状況が生まれた。
 
一方、歴史認識をめぐる国会答弁の中で、首相はひそかに布石を打っている。日本の過去に対する反省と謝罪を明確にした村山談話河野談話に批判的だった首相は、これらを内閣として継承すると表明し、与党内や支持者の間から「変節」「失望した」といった批判の声も漏れた。だが、首相には別の計算があった。
 
「耐え難きを耐えて、政治はしたたかにやらないといけない」
 
首相は周囲にこう漏らしている。すでに閣議決定され、対外的に発信された談話を破棄・修正するには膨大な時間とエネルギーを要する。それを考えれば「談話は継承するが、中身は骨抜きにしていけばいい」(周辺)と踏んでいるふしがある。今月6日の衆院予算委員会では、共産党志位和夫委員長の河野談話に関する質問に対し、首相は「今にいたっても『狭義の強制性』については、事実を裏付けるものは出てきていなかった」と指摘した。狭義の強制性とは慰安婦の強制連行を指す。政府高官は「国会答弁でこれをはっきり否定したのは歴代首相で初めてではないか」と語る。
  
同じ日、民主党岡田克也元代表のいわゆるA級戦犯に関する質問に対しても「国内法的に犯罪者でないのは、はっきりしている」と明言、「戦争犯罪人だと認識している」としていた小泉純一郎前首相の答弁を事実上、修正した。過去の政府見解を形式的に引き継いでも、その根拠となる事実関係のあいまいさを強調することで、有名無実化を狙う。その思惑を裏付けるように、首相は一部の変節批判をほとんど気にしていないようだ。首相補佐官の1人は「首相は、自分の主張を変えずに首相としてどこまで言えるかを考えている。一つ一つが極めてマネジメントされている」と強調する。表面的には安全運転に見える首相の答弁に、野党側が攻めあぐねる現象が起きているのも事実だ。
 
もっとも、与党内には首相の強気を懸念する向きもある。閣内不一致を野党側から繰り返し指摘されていることを踏まえ、公明党の漆原良夫国対委員長は27日、自民党二階俊博国対委員長を通じて「しかるべき対処」を申し入れた。強運に支えられた成功がいつまで持続するかは、首相にとっても未知数の面は少なくない。

今朝の朝刊を読んで驚いたね・・・。盲目的安倍マンセーの人なら喜んで飛びつくんだろうけど、これ、2ch議員選挙板の「小泉総理は運が強すぎる(その後発として“安倍総理は運が強すぎる”がある)スレ」の論理展開とまるで一緒。太字の部分を見てもらえば一目瞭然なんだけど「談話を破棄するにはエネルギーがいる」「したたか」「中身を骨抜き」というお決まりの言葉の羅列。小泉信者が全て安倍信者になったわけというではないけど(むしろそのほとんどは麻生信者になった?)、このパターンは見事に継承しちゃってる。そんな2ちゃんねるの与太の寄せ集めを、報道のプロが丸パクリするのってどうよって話。
 
そして保守系または自ら「極右」と名乗りながら、靖国参拝を回避したり、河野・村山談話の継承を宣言した安倍首相の批判は一切せず、無批判に持ち上げるブロガーも増えてきた。その代用として、相も変わらずのサヨクや極東三馬鹿国非難ばかり。読者の反発を恐れてか、やっても腰の引けた迂遠な批判ばかりが目立つ。ご都合主義に溢れた政権擁護ばかり、そんなに媚を売ったブログを書いていて楽しいのかね?
 
◆Dr.マッコイの非論理的な世界「安倍首相を批判すると人気が落ちる」
(id:drmccoy:20061026#p1)

どういう事かと言いますと、安倍首相の村山談話継承の批判および、それを取り上げないブログの批判やら場当たり的弁護ばかりする安倍首相擁護者の批判などを書くと、ブログのアクセスが減り、人気ブログランキングの得票もガクっと減るのです。
 
人気ブログランキングは、笑韓系を除いて、上位ブログの論調と同じ考えの人が順繰りにランキングのページを見て共感できるものをクリックして行くという感じなのでしょう。また、アクセス解析を見ると、人気ブログランキングから来てくださる方が一番多いので、上位のブログに批判的な事を書くと得票が減って当然かと思います。
 
彼ら上位のブログに、歴史認識でネットから輿論をおこして、安倍首相のサポートをしようと言う発想は無いようです。ネット上では政府のやった事をただ後追いして解説・弁護する人たちが多いだけのようです。これではダメだと思います。

そんなブログが多い中、確固たる批判精神を持って“安倍首相をサポートする”覚悟を持ったマッコイさんのようなブログは貴重ではないでしょうか。こちらの記事もオススメです。↓
 
◆麻生氏と安倍氏とその他
(id:drmccoy:20061019#p2
村山談話はそう簡単に変えられないとか言うな
(id:drmccoy:20061025#p2)
 
こちらの方のブログもオススメ。
◆Dogma_and_prejudice「河野談話は再調査必要 従軍慰安婦めぐり下村氏」
(http://blog.goo.ne.jp/sinji_ss/e/d3404cc5a0b4838e638af7503617b8f7)

この下村発言に関しては、
 
「もじもじスケッチ」さん: 河野談話修正プロジェクト斥候下村キターや「Dr.マッコイの非論理的な世界」さん:あ、河野談話村山談話見直しに向けて動きだしたかな?も言及しておられます。

<チーム安倍>
中&韓首脳会談も終わったし、右側の人達が怒りマーク付けているから、ガス抜きにそろそろ“議論”巻き起こしちゃおっかな♪・・・ってことでオケ?(「もじもじスケッチ」さんより)

「右側の人達が怒りマーク付けているから、」という事で、「議論のゆり戻し」が起こったというのなら結構な事です。「右側からの怒り」が無駄じゃなかったって事ですから。

その通りで、ただ安倍政権のやる事なす事に賛同するのではなく、あえて苦言を呈する事で軌道修正を求める事が必要なんだと思います。本来の自分の支持層が離れてしまう、という恐怖を与え続けねば、政治家は勘違いしてしまうのですから。