六者協議終了

◆雪斎の随想録「会議は踊る。されど…」
(http://sessai.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_36d6.html)

「拉致」案件には、別儀、対朝交渉の枠組を構築する必要がある。「会議は踊る、されど会議は進まず」とは、外交交渉と呼ばれるものの本質的な一面を表した言葉であるけれども、このことは、既に年老いた拉致被害者家族の人々にとっては、酷な話であろう。雪斎は、「六ヵ国協議」から「拉致」案件を切り離して、「拉致」案件専管の枠組を築き、そこに精力を注入するという柔軟性は、発揮されていいと思う。対外政策は、「可能性の芸術」である。色々なことを考えなければならない。

相変わらずだなこの人。皇位継承問題の時もそうだったが、ロクな根拠も示さず「柔軟性を持」てと繰り返すばかりで、軽薄な主張が目立つ。アメリカの圧力を持ってしても解決が困難なものを、軍事力無き日本が拉致案件を核問題と切り離して一体何が出来るのか。「可能性の芸術」などという中身の無い言葉で飾るだけで自己満足に浸る、この政治評論家にはおぞましさすら覚える。
 
タイトルは忘れたが、今日のダウンタウンが司会を行なう番組に宮崎哲弥が出演し「安倍総理は支持率回復の為に訪朝する可能性がある。小泉さんが安倍さんを助ける為に2月から(参院選前月の)6月の間に特使として行くかも」と発言していた。
 
そう予想している人は多い。たぶん、実際そうなるだろう。
◆「拉致問題は右翼が扇動」? NYタイムズ紙が誤解生む記事
(http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/korea/32187/)

記事は、拉致問題をめぐる「より穏健な声」が右翼勢力によって暴力的に封じられているとする一方で、安倍首相は支持率がかげると「政治的な生き残りのため、拉致問題にしがみつくことになるだろう」と述べた。

反日的記事を外国メディアに垂れ流す、このノリミツ・オオニシプロパガンダは既に定番となっている。が、それはさておいても、安倍政権が支持率の低下からの回復する為にはもはや、北朝鮮問題で点数を稼ぐしか道は残っていないという指摘はその通りであろう。実際、前任者の小泉前首相はそうしてきた。それで拉致問題の解決に繋がるのなら、人気取りのパフォーマンスでも何でもやってくれ、と思う。だが小泉に全権を委ねるような真似だけは、絶対にさせちゃいけない。
 
◆もし俺が金正日の立場だったら、と考察してみる
(id:kikori2660:20061106#1162834054)

クリントン政権空爆を行なおうとした際にカーター前大統領・北朝鮮特使が訪朝、直前にそれをストップしてくれた上に援助まで寄越してくれた。それに倣うなら、今度の苦境を救ってくれる間抜けな北朝鮮特使に相応しいのは日本国前総理、小泉純一郎しかいないだろう。飯島秘書官という朝鮮総連のルートも残っているし、安倍総理を飼い慣らしている森・中川(女)も前向きだ。更に、目立ちたがり屋の小泉にとって、首相在任中に正常化の名誉を得られなかったのは痛恨事だっただろう。だからこそ、こうして挽回するチャンスを与えれば喜んで飛び付くに違いない。下っ端の実行犯と、ほんの2・3名の拉致被害者を帰してやれば面目も立つに違いない。現在の首相は拉致問題の全面解決を、などと言っているが圧倒的な支持率を誇っていた小泉が動くなら、熱狂的なファンは後押しするだろう。それどころか「核の危険が去るのなら、取り戻せるのがたとえわずかな人数だとしても反対する理由は無い。小泉さんに任せよう!」とあまり積極的ではない安倍を小突いてでも応援するかもしれない。

以前にこう述べた。おそらく小泉信者や、彼らに賛同し「経済制裁の実行を小泉さんに迫るな」と主張していた“自称穏健派”の拉致救出運動の賛同者は、こうした雪斎(櫻田淳)氏の意見に引き摺られて、小泉三度目の訪朝に賛成するだろうと予想する。
 
ところで小泉の退任後、すっかり大人しくなってしまった小泉信者教祖のgoriさんの後継者(?)と俺が勝手に思い込んでいる「玄倉川」氏のブログに注目したい。
玄倉川の岸辺「平壌に飛んでヒーローになろう」
(http://blog.goo.ne.jp/kurokuragawa/e/ca86de4ec209f8631fbc3cc1cb5086df)

このところユニークな記事が少なくて読み応えがなかった人気ブログ「世に倦む日日」が久しぶりに怪しい輝きを放った。あまりの眩しさに目がくらむ。総員、対ショック・対閃光防御!
  
世に倦む日日 : 小沢一郎は平壌を電撃訪問せよ - 虎穴に入らずんば虎児を得ず

94年の核危機のとき訪朝し「米朝枠組み合意」への道筋をつけたのはカーター元大統領である。もちろんカーター氏が勝手に行ったわけではなくクリントン大統領の特使として派遣されている。アメリカ政府が完全なエンドースメントを与えていたからこそ金日成は信頼に足る特使として認めたのだ。想像するだけ馬鹿馬鹿しいが、もし(当時野党だった)米共和党の議員がヒーロー気取りで勝手に平壌を訪問してもピエロにしかならない。

なんと恥知らずで無責任なスタンドプレー礼賛だろう。「参院選に勝つ」ために国際協調を無視し成功の可能性の多寡を考えず平壌に特攻しろとは、牟田口中将に匹敵する見事な敢闘精神である。

要は、反小泉サヨクであり、小沢一郎の訪朝を主張するthessalonike4氏を玄倉川氏が小馬鹿にする内容のエントリーである。しかし小沢のスタンドプレーを薦める事を批判していながら、カーター元大統領が特使となって北朝鮮との宥和政策「米朝枠組み合意」への評価がまるで為されていないのはどうしたわけか。というわけで、コメント欄にて質問してみました。

こちらでははじめまして。 (きこり)
2006-10-27 02:47:09
 
すると、ただの野党の党首ではなく、もし絶大な人気を誇った前首相が平壌訪問をやろうとしたのならば、玄倉川さんはどのような判断を下されるのでしょうか?非常に興味があります。

Unknown (玄倉川)
2006-10-27 18:44:16
 
>きこりさん
小泉さんが安倍総理の命を受けて行くのであれば、もちろん何の問題もありません。テサ氏が小沢氏に勧めているような身勝手なスタンドプレーは誰であろうと馬鹿げています。

Unknown (きこり)
2006-10-30 02:43:43
 
いえ、「身勝手なスタンドプレー」を薦める意見に反対なのは私も同じです。ただ「効果が無い」と言い切れるかというと、そんな事はないと思います。テサロニケ氏のような思想の人間にとっては特に(反日的という意味においては)。まあ実現すればの話なんですけど。
 
それはさておき、私が聞きたかったのはテサロニケ氏や小沢についてではなく、むしろカーター氏が道筋を付けた「米朝枠組み合意」への批評についてなのです。言ってみれば、これは北朝鮮に餌を与えて核開発を止めさせようとして大失敗した例なわけですね。国家最高権力者の意を受けたカーター氏が融和外交を行なった結果、とうとう北朝鮮が核を持ってしまったわけです。この事をどう判断されていますか?そして、小泉前首相が安倍総理から北朝鮮特使の任を受け、同じような宥和政策を行なった場合、どういった評価を下しますか?という質問をしたかったのです。もしくは米民主党が主張する、ブッシュ政権の圧力が核を持たせてしまった、というお答えでも構わないのですが。

Unknown (玄倉川)
2006-10-30 19:38:33
 
きこりさんこんばんは。この記事は「北朝鮮問題」を論じたものではありません。テサ氏(と小沢氏)に興味がないのならどうかお引き取りください。ご自分で話題を設定したければご自分のブログでどうぞ。

とまあ、こんな感じでした。直接文章を交わしたのはこれが初めてのはずなのに、この対応は何なんでしょうか?(苦笑)理由は想像が付きますがね。
(続く)