美しい国万歳!

まずは報道から。
 
◆2月8日に6カ国協議再開 中国政府が日本に伝達
(http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/37129/)

中国政府は30日、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議を2月8日から再開することを日本政府に伝達した。日中関係筋が明らかにした。協議では、日朝関係などの作業部会設置寧辺の核施設凍結や国際原子力機関IAEA)の監視活動を北朝鮮側が受け入れるかなどが焦点になる。6カ国協議は昨年12月18日に約1年1カ月ぶりに再開されたが、北朝鮮が米国の金融制裁解除に固執したため、同22日に成果がないまま休会していた。今月16日から、米首席代表のヒル国務次官補と北朝鮮首席代表の金桂寛外務次官の非公式協議がベルリンで行われ、ヒル次官補は「(協議は)有益だった」と北朝鮮の対応を一定評価していた。

 
6カ国協議:8日再開発表 日本も軟化の兆し
(http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/archive/news/2007/01/31/20070131ddm002030020000c.html)

北朝鮮の核問題に関する6カ国協議再開に向け、北朝鮮への「圧力一辺倒」だった日本の姿勢に軟化の兆しが見え始めた。各国の「見返り」措置と足並みをそろえる支援策の検討に着手。背景には米朝対話ムードの影響に加え、拉致問題をめぐる北朝鮮との直接交渉を実現するには、強硬姿勢だけでは困難との判断があるようだ。「北朝鮮が核放棄に向けて具体的な行動を取るよう、よい結果を出していきたい。結果が出なければ国際社会の圧力はさらに高まっていく」。安倍晋三首相は30日、北朝鮮に核放棄を求める姿勢を記者団に強調した。ただ今回の協議は、北朝鮮の核放棄に向けた進展が見込まれ、焦点は各国の「見返り」に移る可能性が高い。外務省幹部は「各国が支援を表明して、日本だけ何もしないわけにはいかない」と語る。北朝鮮籍船の入港禁止など独自の制裁解除は困難だが、政府筋は「制裁を続けながらの支援はできる」と、人道支援の検討に含みを残す。今回の協議では、日朝国交正常化を含むテーマ別の作業部会が設置される見通し。日本は拉致問題解決を北朝鮮に直接訴える構えだが、外務省幹部は「(05年の第4回協議で採択した)共同声明には国交正常化も書いてある」と述べ、国交正常化交渉につながり、拉致問題以外も議論される可能性を示唆する。国内には北朝鮮への強硬姿勢を求める声はなお根強いだけに、政府は慎重な対応を迫られる。

「制裁しながら支援」って、どんなイリュージョンですかそれ。
 
“政府筋”というとマスコミ的には内閣官房副長官の事を出すらしいが、今回の場合は「北朝鮮への独自制裁 核協議次第で緩和も」(id:kikori2660:20070128#1169985970)と述べた塩崎官房長官を指しているのではないかと思う。テレビ朝日系列のニュースがその官房長官の発言を報じて以降、全く音沙汰が無かったが、これで事実であったと判断すべきだろう。
 
拉致問題とは別に日朝関係などの作業部会を設置をし、国交正常化について話し合う」とは何か。
 
つまりは、安倍政権は「日朝平壌宣言に則り、拉致被害者を切り捨てにして北朝鮮に経済援助&国交正常化」を行なう、という事だ。小泉政権から受け継いだこの負の遺産を捨て去る事が出来なかった惰弱が招いた、必然の結果だ。
 
拉致被害者を見捨てて、美しい国作り!
 
 
・・・・・・笑わせんなよ。
 
これまで糞しつこいくらいに「安倍総理日朝平壌宣言破棄の決断を!」と言い続けてきたが、この日記を読んできてくれていた方々は、納得して頂けると思う。しかしアレね、ネット上の、この宣言を保持し続ける安倍さんについての議論というのはさっぱり盛り上がらないね。俺にはその理由が分からないんだけども。「安倍さんがダメなら、もう拉致問題は解決しない。だから批判は抑えて安倍政権を支えていきましょう!」っていう視野狭窄な方いるでしょ。そういう人にも責任の一旦はあるんじゃないのかなあ。
 
余程頭の悪い人じゃなければ、それなりに拉致問題について勉強しているならば「あれ、この安倍さんの手法は何かおかしいんじゃないかな」とツッコミを入れられる筈なんだよね。それが出来ないってのは、拉致問題よりも安倍さんに対するファン心理の方が大事だったり、救出運動に己のアイデンティティーを求めてたり、ファン仲間のコミュニティが大事だったりするんじゃないのか、と思っている。
 
とある保守系ブログのコメント欄にて、青山繁晴氏のTV発言について「青山さんが拉致問題の解決を真剣に願っているのは分かるけど、国際情勢の解説に希望的な憶測を交え過ぎじゃないのかな」とコメントしてみた事がある。すると「青山さんは政府高官からソースを取ってるんだ、その辺のジャーナリストと一緒にするな」とか「お前は朝日新聞の読者か」というような馬鹿げたレスが返ってくる(青山さんが逆に利用されている、という想定は全くしないらしい)。その雰囲気に耐えかねた管理人が「じゃあ、もう書き起こしなんて止めましょうか」とキレれば俺一人が和を乱す悪者、という構図に落ち着くわけだけど(苦笑)。
 
なんかもうね、この辺が小泉信者系ブログと一緒なんだよね。全く一緒。油濁法とか郵政民営化法案など実際の政策の中身はどうなのか、とか本当はどうでも良かったんじゃねーの、ファン同士で「小泉さんはしたたかだ!」「小泉さんは運が強い!」と盛り上がって楽しめれば良かったんじゃないの。今の安倍政権を応援している産経新聞も似たようなもん。明らかに中国に屈して、靖国参拝を取り止めているにも関わらず「靖国カードを封じた、輝かしい外交勝利!」と抜かしたり、村山・河野談話を引き継いでんのに「閣議決定を覆すのは難しい、でも苦しいからこそ安倍さんの応援を!」でしょ。阿呆か、と思う。
 
俺の悪い癖で、そういうのを見ると、どうしても「水を差し」くなっちゃうんだよね。

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

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