天皇は超法規的存在だよ

池田信夫 blog「天皇は超法規的存在ではない

小沢氏の記者会見は、たしかに傲慢な印象を与えるが、その内容は論理的には間違っていない。首相が天皇の国事行為に「助言」することは、憲法にもとづく行為である。会見が国事行為ではないとしても、宮内庁治外法権ではなく、天皇も法の支配に服すのだ。こんな当たり前のことを忘れて、すべてのメディアが「口のきき方が悪い」といった感情論で小沢氏をたたく翼賛状況は恐い。

小沢のアレは、内閣の助言や承認どころじゃなくて「命令」だろう。そんな事は憲法のどこにも書いていないわけで。というか、小沢は内閣の一員ですら無いし。ましてや、小沢のワガママが国民の総意だなんて、どんでも無い話だ。
 
憲法(第7条)を持ち出すのなら、第6条の「国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する」に注目しないといけない。首相を決めるのはあくまで国会議員だけども、“任命”って事は、その権力の根源は天皇陛下にあるって事だから。日本史を紐解いてみれば、太古の昔から幕府が存在していた時代からずっとそう。「征夷大将軍」だって実質はどうであれ、天皇からの勅令で任命する、という形を取っている。戦前も戦後も大して変わらんよ。
 
それが「皇室伝統」というもので、よく左翼が使っていた「天皇制」という制度がどこかにあるわけではなく、また、憲法によって天皇が存在しているわけでも無い。憲法が有ろうが無かろうが、皇室伝統は存在する。よく西村眞悟も「国旗及び国歌に関する法律」の、

第1条 国旗は、日章旗とする。
第2条 国歌は、君が代とする。

に対して『「とする」とは何事か。この法律によって、国旗や国歌が定められたのでは無い。法律の有無に関わらず、国旗は日の丸であり国歌は君が代なのだから、「である」とすべきである』と言っている。
 
しかしまー、他所で大マジメに「日本は共和制だ」とかいう意見を見て、目がテンになったなー。日本やイギリスも、その政治体制は紛う事なき「立憲君主制」だっての。主観は人それぞれだと思うけど、この基本を知らんのかとビックリしたわ。あと、「保守」としてこの問題に触れながら、“天皇制”を連呼する人とか。保守ならせめて「皇室伝統」を使おうよ。