本日観た映画

◆『コクリコ坂から
……これはいいジブリだな。心から甘酸っぱい汁垂れてきたよ。これは幅広い世代に受けるんじゃなかろうか。しかし、公開のタイミングは良かったね。ほんの数年前でも、こんなこっ恥ずかしい、オヤジ世代が理想とした学生運動&学園青春モノなんて直視出来なかっただろうから。もう、これ、30代以下の人間にとっては一種のファンタジーだしね。もう一周しちゃってるから、逆に清々しい。
 
宮崎息子の「ゲド戦記」ってかなりボロカス言われてるみたいだが(俺は未見)、これでチャラに出来たんじゃね? 今回は宮崎パパがしっかり脚本に関わってるんだろうけど。
 
しかし観客は少なかったなー。日テレ押しがなかったせいか。ぶっちゃけ話は地味だし大作とは言い難いが、パパの世代でないと作れない、時代の厚みは感じられたね。そういや朝鮮戦争で戦死した日本人についてこれだけしっかり触れた作品って他にあるかな?
 
上映終了後、久々に映画のプログラム買った。その中の、長澤まさみ岡田准一のインタビュー見てると、演技指導ってやっぱパパが付きっきりでやったんじゃないかなー。40そこそこの元サラリーマンがここまでやるのは不可能だと思う。主人公の女のコも、パパが理想とする「料理をちゃきちゃき作れて、過度に出しゃばらず、それでいて芯のある強い少女」という、いつものパターンね。ここまで恥ずかしげもなく、自分好みの少女像を披露し続けるその妄念はクリエイターとして相変わらず超一流だと言わざるを得ない*1

*1:別に馬鹿にしているわけではない