- 作者: 新海誠
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2016/06/18
- メディア: 文庫
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そして、これが外伝小説。章によって様々な登場人物の視点で物語が描かれいて、やや描写不足だった映画の補完をしている。そう、この映画で唯一不満だったのはヒロインの父親(ヒロインが住む町の町長)の行動原理が最後まで描かれていなかった事。
以下ネタバレ。
↓
彗星が自分の町に落下する当日、主人公に詰め寄られても何のリアクションを起こさなかった人が(祖母の一葉含め)、娘のどういう説得で最終的に緊急避難を住人に呼び掛ける決断をしたのか。劇中で説明があるのかと思いきや、とうとう何のフォローも無いままエンディングを迎えた。
しかし、最終章ではまさに町長の視点でそれが描かれている。ヒロインの母親との出会いから始まる、かなり重要なエピソードだ。
……っていうか、何故それを映画の中で描かない。
ごく短い尺で表現出来たはずなのだ。ヒロインが役場の町長室に現れるシーンで、妻の姿を重ねて
<<これがお別れではないから>>
というモノローグを流せばいい。それだけで十分だった。
小説を読み終わった後、3度目の映画を観に行った。