司馬遼太郎が断筆した理由?2

司馬遼太郎が筆を折った理由(わけ)。

伊藤氏との対談の翌年、伊藤氏の直弟子に当たる近代史家・加藤陽子氏の論考、「統帥権再考 ――司馬遼太郎氏の一文に寄せて――」(『外交時報』1235号 1987.02、『戦争の論理 日露戦争から太平洋戦争まで』勁草書房 2005.06所収)が発表される。どこにも銘記などされてはいないが、間違いなく司馬は、この小論に目を通したことであろう。加藤氏の論旨――その背後には伊藤隆氏の眼光が埋め込まれている――は、司馬の肺腑をまたしても痛烈に抉ることとなったであろう。この時司馬の胸中に何が去来したのか、私には想像することしか出来ない。

ふーん。
 
まあ、いずれにせよ「小説は史学と史学と同じであるべきだ」という学者先生は存在しないわけだね。