国民大集会

★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2005.12.24)
(http://www.sukuukai.jp)

日比谷公会堂に4か国家族が結集し救出を訴え−国民大集会
 
12月22日、東京日比谷公会堂で第8回国民大集会が開催された。今回は、タイ、レバノン、韓国からも北朝鮮による拉致被害者家族が参加、また大会参加者2000人が下記の決議を満場の拍手で採択した。
 
登壇者=司会櫻井よしこさん。開会の辞を述べた飯塚繁雄家族会副代表は、「横田 滋家族会代表は救出運動の過労のため入院中で参加できなくなった。一日も早い救出が求められる」と訴えた。主催者挨拶=平沼赳夫拉致議連会長、来賓挨拶=中川昭一農林水産大臣、山中〓子外務大臣政務官
 
その後、外国人参加者も含め救出の訴えが行なわれた。拉致被害者曽我ひとみさん、タイ人被害者アノチャさん兄スカム・パンジョイさん、レバノン人被害者シハムさん母ハイダールさん、朝鮮戦争拉致被害者家族協議会前理事長金聖浩氏、韓国・拉致被害者家族協議会会長崔祐英さん、元北朝鮮工作員安明進氏。以上を総括し、西岡力救う会常任副会長は、北朝鮮による拉致被害は12か国が判明しもっと広がる可能性があり、国際連帯が必要なこと、日本は、単独制裁を発動し、国家の意思を明確にして、被害者を救出すべきことを訴えた。
 
さらに、横田めぐみさん母横田早紀江さん、特定失踪者問題調査会代表荒木和博氏、特定失踪者家族代表(古川了子さん姉)竹下珠路さんが訴えた。
 
増元照明家族会事務局長の司会で、被害者家族が、短波ラジオ「しおかぜ」で訴えた内容を紹介たところ、開場では多くの人々が目頭を押さえて聞き入った。
 
古屋圭司拉致議連事務局長が40名の出席議員を紹介、松原仁拉致議連事務局長代理が、大会声明朗読し、満場の拍手で声明案が採択された。佐藤勝巳救う会会長が閉会の辞を述べ、国民大集会は終了した。
 
24日には、政府が「迅速かつ誠意ある対応がなければ厳しい対応をせざるをえない」と制裁を示唆して1年になる。1日も早く全ての被害者を救出し、運動に終止符を打つべきである。
 
■国民大集会 決議
今この瞬間も多くの拉致被害者たちが北朝鮮で「いつ帰れるだろうか」と指折り数えて待っている。
 
本大会には韓国、タイ、レバノンの被害者家族が参加された。北朝鮮朝鮮戦争中に8万2959人、戦後に486人の韓国人を拉致し消息すら知らせずにいるし、曽我ひとみさんたちの証言により拉致事実が確定したタイ人のアノチャ・パンジャイさん、レバノン人のシハーム・シュライテフさんをはじめ、マカオ系中国人、ルーマニア人、フランス人など多くの国からも拉致をしていたことが明らかになりつつある。私たちはすべての拉致被害者を取り戻すため国際連帯を強めていくことを誓う。
 
さらに日本人拉致被害者金正日が認めた13人以外にも、はるかに多くいることは間違いない。本日も特定失踪者のご家族からの訴えがあったが、政府は日本人拉致の全貌を明らかにするため一層の努力をし、追加認定を続けて欲しい。
 
政府は昨年12月24日、「迅速かつ誠意ある対応がなければ、厳しい対応をとる」と制裁を予告したが、それから約1年経ついまも北朝鮮は「拉致問題は解決済み、めぐみさんの遺骨鑑定は日本のでっち上げ」と開き直りつづけている。これはどう考えても「誠意ある対応」とはいえない。しかし、小泉首相は未だに制裁発動を決断しない。
 
制裁発動は、拉致被害者全員を取り戻すという国家意思を示すことである。それを躊躇していると、拉致問題を重視していないという大変危険なメッセージが発せられる。国家意思を示すこと抜きに、被害者を救出できるのか。
 
日本政府に強く求める。制裁法による送金・貿易停止、船舶入港禁止を行っていただきたい。北朝鮮最高人民会議(国会)代議員を勤める総連幹部6人への再入国許可を取り消し、北朝鮮・総連への不公正な優遇措置の適正化を行っていただきたい。拉致被害者追加認定を継続して実行して欲しい。
 
金正日に要求する。いますぐ、日本人拉致被害者を全員返せ。韓国人拉致被害者、その他の外国人拉致被害者もすべて返せ。核武装と戦争準備を止めて、北朝鮮民衆の生活向上に力を尽くせ。
 
平成17年12月22日 
国民大集会 参加者一同

 
行ってきました。

中川大臣はやはり、予想以上の事をおっしゃっては下さいませんでした。当初からの約束事なのか暗黙の了解なのか、そこを突っ込む声も無かった。安倍官房長官からのメッセージも無し。基本的には、今年7月に町田市にて開催された「なぜ救出できないのか 北朝鮮を動かすには」(id:kikori2660:20050718#p1)で抱いた印象とさほど変わりありません。

しかし、不満が残ります。安倍晋三の政治理念、全ての拉致被害者を救出したいという彼の信念には疑いを持つ人間などいないでしょう。ですが、救う会の西岡さんや荒木さんが集会終了間際に力説した言葉、「日本は既に、拉致被害者を返そうしない北朝鮮と戦争状態にある。それにどう立ち向かうのか」という質問に応えているようには思えず、非常に残念でした。
 
私一人の妄想かもしれませんが、救う会のこのお二人は「安倍さん、一人の議員という存在以上に、あなたは与党幹事長代理として小泉さんにどう働き掛けるおつもりですか?そして次の首相候補としてどういう方針で対処するつもりですか?」という問いかけと“決断”を求める発言だと認識しました。しかしながら、安倍さんは「北朝鮮には断固とした態度で挑むべき」という一般論を繰り返すのみ。会場はそれなりに盛り上がり、惜しみない拍手が送られてたけれど、安倍さん、あなたに求められているのはそんな当たり前の回答じゃないよ。俺が首相ならこうやって拉致被害者を取り戻すんだ!という気概を見せて欲しかった。小泉政権を支える責任ある身として言いたい事を言えない彼の苦しさや、そんな彼に遠慮がちな会場の雰囲気に対する違和感を最後まで拭い去る事が出来ませんでした。

中川昭一議員も、農水大臣として「拉致問題の解決無くして、米一粒たりとも支援する事は認めない!」と力強く述べた際には、会場は拍手と歓声で一杯でした。しかしそれは極めて当然の事であり、今更力説する事では無いはずです。(続く)