賢しらな自称保守

平成16年11月15日の「日朝実務者協議」の明らかな失敗、北朝鮮の、人を馬鹿にした交渉態度によりあの“北朝鮮の代弁者”吉田康彦ですら匙を投げ「経済制裁をする以外、事態の打開は不可能」と言わしめた。しかしながら、以前からサヨク的論陣を張る連中が経済制裁反対を言い出すのは不思議では無いが、不可解なのは「電脳補完録」からリンクを貼られ高い評価を受けているサイトなどに、平気で「経済制裁を発動すれば問題が全て解決すると思っている奴がいる」「発動すれば北朝鮮が暴発する」「中国や韓国が援助するから効果が無い」「声高に制裁を主張する奴はイデオロギーに縛られた俄か強硬派である」という主張を行っているところが少なからず存在する。それは決まって、小泉首相シンパの管理人である。
 
彼らは、小泉のこれまでの日朝首脳会談の二度の失敗、近頃では中国原潜の侵入事件に対する腰の弱さの露呈を目の当たりにしても、目を覚ます事は無い。むしろ、教祖が弾圧を受けて団結するカルト集団の精神状態に似て「小泉は正義を貫いているからこそ故無き攻撃を受けているのだ。我々が守らねば!」という心理に陥るのだ。そうなると、15日の靖国参拝を避けようと、英霊を侮辱する発言をしようと、ブッシュの靖国参拝を断ろうと、金正男を取り調べもせず追い返そうと、拉致被害者の5人を北に送り返そうとしようと、朝鮮総連に祝辞を送ろうと、飯島秘書官が北朝鮮との工作員接触しようと、常識外れな更なる食料支援を行おうと「小泉は現実を見ている。何か遠大な策略があるに違いない」と益々確信し、自ら洗脳の度合いを上昇させていく。小泉こそ、真の愛国者。その想いから抜け出す事は無い。
 
どうしてそんなに馬鹿なんだ。
そんなに小泉が好きなら「経済制裁は一度きりのカードだから慎重に」などと寝言を抜かさず自民党の拉致対策本部がまとめた

  1. 食糧や医療支援などの人道支援を凍結・延期する。
  2. 日本から北朝鮮へ運ぶすべての手荷物や物資、送金に報告義務を課す。
  3. 貿易や送金の部分停止を実施。
  4. 貿易、送金を全面停止。北朝鮮の貨客船「万景峰92」号など、特定船舶の入港を禁止。
  5. 船などを含むすべての船舶の入港を禁止。日朝間のモノ、カネ、ヒトの流れを完全に遮断。

この段階的制裁案の情報を知っておけ。昨日のTVタックルに出演していた西村眞悟は、段階的に制裁の度合いを上げていくのではなく、一旦全面制裁してから条件をクリアする度に度合いを下げていた方が効果的ではないのか、と提言していた。
 
経済制裁の発動を真に願っているのは、他でもない拉致被害者家族会だ。結成当初から「経済制裁無くして拉致問題の進展は無い」と主張しており、それをこれまで阻んできたのは日本の政治体制だ。「国防軍を設立すべし」「首相は靖国神社に参拝すべし」「自虐的な日本の歴史教育を改めるべし」「外国人参政権は認めざるべし」と日頃主張しながら、小泉が批判された途端「首相を悪し様に罵る家族会はこれ以上支持出来ない」か。インチキもいいとこだ。全ては一つに繋がった病理なのだ。それを理解せず、二度と“愛国”とか“祖国の誇り”などと口にするな。民主党社民党共産党の批判をして悦に入るな。笑止である。家族会の方々はさらわれた家族の安否だけを心配しているのではない。日本が国家としてあるべき姿を取り戻す為、二度とこのような悲惨な事件を引き起こさぬ様、己の私欲を超えた究極の祖国再興運動を我々の代わりに行っているのである。
 
北朝鮮という貧しく、飢えた独裁国家であるから上で紹介したインチキ自称保守の弱点を知り尽くしている。篭絡して北の味方にする相手を、社会党から、権力を持つ自民党の実力者に変えた事からも分かる。そしてそれは現在も行われているのだ。信念の無い自称保守こそが、絶好のターゲットになってしまう。明らかな左翼は国民の支持を得ず、結局権力をも保持できないからだ。「自分達こそ現実的で、第三者的な視点を持っている」という思い込みと、露悪的に「拉致被害者は見捨ててしまえ。そんな事より長期的な日本の平和を目指そうぜ」と吐き捨てるポーズ。これこそが戦後民主主義のもたらした結実であり、現を抜かした病んだ精神なのである。奴らはそれを見逃さない。
 
あえて言う。「経済制裁せよと言わない奴は北朝鮮の手先」とは全くその通りである、と。共産主義者の手口を知ろうとせぬ事、北朝鮮に篭絡された政治家を支持し続ける事。等しく罪である。