信者総代サマにツッコミ

◆Irregular Expression「一般船舶油濁賠償保障法と人権擁護法案
(http://www.wafu.ne.jp/~gori/diary3/000475.html)

大雑把に言えば一般船舶油濁賠償保障法はゴルフ場の浴室に張ってある「刺青の方の入浴お断り」と似ている。だからこそ個人的には「核兵器保有宣言」以降水面下で起こっている各国の対北制裁への落し所の模索が時間を要する以上、一般船舶油濁賠償保障法を成立させていたのは日本単独の対北制裁という意味では非常に意味があると思っている。
 
「ヤクザの来場お断り」とすると「ヤクザの定義は?」とか「ヤクザにもゴルフを楽しむ権利がある」とかややこしい事になるから、一律「他のお客様に威圧感を与える刺青の方の入浴お断り」という具体的な理由と線引きを設けて網掛けすることで望まざる客を排除するというやり方は実は余計な議論を飛び越えていきなり実行可能な制裁だと言えるだろう。もちろん刺青落としたり、ゴルフだけプレイして汗だくなまま家に帰るヤクザは受け入れざるを得ないが、そこまでしてゴルフ場のルールに従いゴルフをやりたいなら平等に扱う姿勢が逆に制裁に対する異論やノイズを挟む隙を与えないわけだ。

こうした詐術的なレトリックにコロっと騙されるか、即座にツッコミを入れられるかどうかで政治的センスが問われるのだと思う。それに右も左も産経も朝日も無い!多かれ少なかれ拉致問題の解決の為に努力の重ねてきた方達なら痛感している事だが、北朝鮮というヤクザ国家(いや、ヤクザに失礼か)に敢然と対峙し“被害者を帰さないと経済制裁を発動するぞ!”という主権国家の意志表明無しには、解決に繋がらぬ事は分かり切っているのだ。
 
法律とは、文章に書けば即効力を発揮してくれる魔法の言葉では無い。あくまで単なる「ツール」でしかない。その意味するところを汲み取り行使し、時には違反したものに対して罰則を与えるという“人間の意思と行動”無くして存在し得るものではない。
 
この“ゴルフ場のヤクザ”を例に採るならば「そのヤクザが暴れ、自分を排除したら殺すと脅してきたら?」「明らかに刺青を入れているのに、これは刺青では無い!と言い張ってきたら?」「そもそも刺青を入れてない、ゴルフ場荒らしだったら?」・・・といくらでも想定外の事態は起こり得る。そんな事をこれっぽっちも考えてこなかった机上の空論の最たるものが「日本国憲法」の前文であり、その空虚な「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」という文言を妄信し、国防体制を疎かにしてきたが故に起こったのが、拉致事件では無かったか。北朝鮮との貿易にしても、万景峰号を例に採るだけでも「不正送金」「ミサイル部品の輸出」「麻薬の輸入」「工作員への指令」などの疑惑だらけであり、新潟港税関はそれに手心加えているのではないかという報道をよく見掛けた記憶がある。
◆『北朝鮮船舶「万景峰(マンギョンボン) 九二号』
(http://www.246.ne.jp/~k-yosino/19037.htm)
ググっている最中に偶然見付けたページ。以前、東京税関に勤めていた方の体験記のようだ。北朝鮮帰国事業が盛んだった頃のエピソードを紹介したり、その手心疑惑を“事実に反する”と言いつつも、闇の部分へ完全には介入出来なかった過去を暗に示唆し、否定し切れぬ苦しい立場だった事を暴露していたりと非常に興味深い。
 
「麻薬の密輸や不正輸出など、ただの違法行為ではないか。それは個々で粛々と取り締まれば良い事である」という反論が出るであろうが、それはケチな麻薬の売人を挙げるだけで密売組織を壊滅させるだけの効力を持ち得ないし、“決して麻薬の氾濫と組織を許さない!”という意志を放棄したがごとくの小泉首相外交政策では、これ以上事態が前進しない事は明々白々なのである。ましてや「じっくり」「じわじわ」と油濁法を骨抜きにして、北朝鮮を刺激しまいと汲々し、インチキな手法で誤魔化し続けるのだから話にもなるまい。それを支持してきた信者にも等しく罪があるのだ。
 
沢村圭一郎さんの「ホームページ拉致の背景」の掲示板で指摘されているが、どうやら今度は民主党提出の北朝鮮人権法案に狙いを定めたようだね。「民主党は日本に北朝鮮人民を引き込むつもりらしい。そうなると外国人参政権問題が悪い方に加速するぞ、犯罪が増えるぞ!」式でまた小泉政権を守るつもりらしい。adoruk626さんがこちらのエントリーで指摘されている通り、

また、自民党民主党も程度の差こそあれ「脱北者の支援/受け入れ」を法案に盛り込んでいるわけだから、民主党の「人権法案」だけを殊更にあげつらって叩く意見には与することが出来ない。「難民の受け入れ」そのものに反対ならば、自民党のそれも批判して然るべきだろう。

理屈に合わない民主党批判、自民党擁護を繰り返すタチの悪さ。どうにかならんもんかね。靖国参拝問題しかり、自民党と連立を組んでいる公明党の存在をスルーした偏りの多い記述が目立つ。