郵政反対派に対抗馬 小泉首相、岡山市長に立候補要請

(http://www.asahi.com/politics/update/0811/011.html)

小泉首相は11日、自ら萩原誠司岡山市長に会い、岡山2区からの立候補を要請、市長も前向きに応じた。東京10区に擁立した小池百合子環境相に続く反対派への対立候補となる。
また、自民党執行部は郵政民営化法案に賛成した前議員は13日をめどに1次公認し、欠席・棄権した14人のうち、不出馬を表明した2人を除く12人は、民営化への賛成の意思を確認した上で追加公認する方針を決めた。小泉首相と執行部の方針は反対派への対決姿勢を鮮明にしつつ、態度があいまいな候補に「踏み絵」を迫ることで、郵政民営化を中心にした「改革選挙」を印象づける狙いがある。
首相は11日、首相官邸自民党武部勤幹事長らと会い、比例ブロックの女性候補擁立を中心に公認作業を急ぐよう指示した。執行部は、公認決定の際にすべての候補者に提出を求める誓約書に、郵政民営化に賛成し、小泉構造改革路線を支持するとの趣旨を盛り込む。反対した37人の前議員は党の小選挙区支部長を兼ねているため、こうした選挙区では新たに選挙区支部をつくる。
岡山2区には衆院で反対した熊代昭彦氏が立候補する予定だ。萩原市長は官邸での会談後、首相から「岡山の市政もしっかり応援する」と言われたと記者団に説明。「おそらく政令(指定)市のことだと思う」と語った。岡山市は、合併による政令指定市移行をめざしている。
女性候補について党内では、北朝鮮による日本人拉致問題で被害者家族からの信望が厚い中山恭子内閣官房参与や、川口順子前外相の名前が挙がっている。
このほか参院から衆院への転身として、10日に一時浮上した竹中郵政民営化担当相のほか、舛添要一(比例)、金田勝年(秋田)、橋本聖子(比例)の各参院議員の名前も取りざたされている。
首相は11日夜、岐阜県連など党の一部の地方組織が反対した前職も公認申請すると決めたことについて「(民営化に)賛成以外は公認候補にしません」と改めて強調。女性候補の擁立については、「女性議員が少なすぎますから。できるだけ能力がある方を起用したい」と記者団に語った。
一方、反対派では11日、綿貫民輔衆院議長、亀井静香政調会長平沼赳夫経産相らが国会近くの綿貫氏の事務所で会談。全員が参加する形での新党はすでに断念しているが、今後の執行部の動きを見極めたうえで、来週以降にブロックごとの地域新党をつくる可能性を改めて検討することにした。

こりゃ果てしない“仁義なき戦い”ですな。やり方がエゲつなさ過ぎる。だが、前回の選挙戦前に「小泉の郵政民営化」を支持すると言ったのだから、公認取り消しに対してゴチャゴチャ言う資格は無いだろう。しかし、そんな場合でも無所属で出馬し当選した暁には自民党に改めて入党〜というのがこれまでのやり方だったはずだが、小泉はそれすら認めないという。再入党というのは筋が通っている話とは思わんが、やはり党内融和はどこかでやらねば本当に自民党は下野するしかない。小泉以外はそれに耐えられるか?自公が37名を超えて過半数を取れるとは考えられないし。たぶん森あたりが小泉さんお疲れ様、約束の過半数取れなかったから宣言通り辞めてねって事でアレそう言えば郵政民営化はどこ行っちゃったのとなる可能性が高そうな気がする。実際そうなりゃ良いんだけど、小泉はやはりやる気マンマンなのだろう、中山恭子元参与まで引っ張り出そうとして、己の政敵を潰そうとしている。というよりも、これはもはや嫌がらせに近い。いくら郵政解散が争点となり、風が吹いていようとも、地盤も何も無い候補が当選出来るわけもない。高い確率で民主党候補が漁夫の利を得る可能性がある。そのデメリットがあってもなお、郵政民営化法案を潰した議員に対する復讐の為に為そうとしている。天下国家の為ではない、私欲の為にこれだけの権力を振るう小泉は狂気の沙汰だとしか思えない。ドラマとして見るなら最高の見ものかもしれないが、これはリアルの話だ。そんなものにやんやの大喝采を送れる神経が分からない。ヒトラーというよりは、スターリン的なそれだ。いやもっとフワフワとしたアノミーなサカキバラ少年のような得体の知れない人間が抱えていた様な、病的な闇を感じる。
 
その候補として話題に上がっている中山元参与はご存知の通り、北朝鮮に拉致され、帰国する事が出来た五人の被害者を再び北に戻すまいと政府内で尽力されてきた功労者である。朝日新聞が指摘するまでもなく、家族会の絶大な信頼を得ていた。彼女がもし国会議員となれば、家族会も心強い、きっと拉致問題の解決の為にも尽力してくれる-----本当にそうだろうか?そう言い切れるのだろうか?これもご存知の通り、中山元参与は曽我ひとみさんの夫、ジェンキンス氏を日本に戻し、旦那の中山成彬議員が文部科学相というポストを得ようとする際、突然の辞任をした。理由は未だよく分からない。
 
これまで、家族会やその支援者達は、拉致問題解決の為に働いていた議員が小泉政権に入閣する度に「よし、この議員が入閣すれば、日本はもっと強い態度で北朝鮮に立ち向かえるに違いない。立派な前進だ」と喜んできた。しかし、実際はどうだっただろう。石破茂小池百合子中川昭一平沼赳夫。後半は若干まともとは言え、むしろ内閣入りする事によって、青菜に塩のごとく大人しくなっている。閣僚の一員として「総理、どうか北朝鮮に対して経済制裁のご決断を!」と強く迫ったという話を聞いた事が無い。閣僚入りには何か政治家の行動を、政治理念を捻じ曲げる魔力があるのかもしれない。
 
これはひょっとしたら選挙の争点を、「北朝鮮に対する経済制裁」にという声を潰し、郵政民営化に搾らせる為の小泉の戦術ではないだろうか?考え過ぎかもしれないが実際のところ、地盤が無いままの選挙戦は厳しかろう。小池百合子にはおそらく比例名簿の高順位が約束されているのだろうが、中山元参与はどうなるのだろう。これで順位も低く比例当選が無理という位置付けならば、完全に“道具”として利用されるだけである。その場合、出馬に関してはどうか熟考を重ねて頂きたい。
 
[追記]
>前回の選挙戦前に「小泉の郵政民営化」を支持すると言ったのだから
という部分に関して、反論を頂きました。

反対派は、そんな事言ってなかったようですよ。

http://blog.goo.ne.jp/sinji_ss/e/750a1a485191c724d7fc23af86f5ec1a
自民党小林興起代議士は「自民党郵政民営化の公約などしていない」と断言した。
確かに03年に出された自民党政権公約をみると、「郵政事業を2007年4月から民営化するとの政府の基本方針を踏まえ、日本郵政公社の経営改革の状況を見つつ、国民的論議を行い、2004年秋頃までに結論を得る」と書かれており、自民党が約束したのは郵政民営化に関する国民的論議であって、郵政民営化ではないことが分かる。>

その通りでした。解散が決まる前から亀井議員もTVに出演して「民営化の議論を重ねようとは約束したが、郵政民営化を必ずやるという約束はしていない」と言ってますね。私も何度もそれを聞いているにも関わらず、つい、そう書いてしまってました。小泉ロジック恐るべし。そうそうその小泉と亀井の約束について書くつもりだったんだけど、伸び伸びになってたんですよ。これも何度も亀井が述べているように、橋本・小泉・亀井の三人で自民党総裁選を戦っている最中、橋本派に数で及ばない森派の小泉の当選は有り得ませんでした。そこで三位に付けていた亀井がレースを断念し、自分の経済政策を取り入れるという条件で小泉を応援した。そこで小泉は奇跡的な勝利を収めたハズです。しかしながら、総裁となり首相になった小泉は全てこの約束を反故にしたのでしたね。重大な約束違反をしたのは亀井ではなく、むしろ小泉の方であったと修正しなくてはならないようです。
 
権力を握ればもうこっちのもの、か。小泉は構造改革だから善で、亀井は抵抗勢力で悪だから裏切って、約束を反故にして良いのか。小泉にもその信者にも、そのやり方はいつか自分に返ってくると思うよ。実際に、世の中何でもアリかもしれないが、何でもアリをやられても何も言えないぜ。