映画「アブダクション(拉致)横田めぐみ物語」

(http://www.safarimedia.net/)
アメリカで作製されたドキュメンタリー。このサイトでトレーラーを観る事が出来ます。この映画が、映画祭で観客賞(最優秀映画賞受賞?)を受賞したいうビッグニュース。
 
横田めぐみ物語:米の映画祭で観客賞を受賞 毎日新聞

【パークシティー(米ユタ州鈴木隆北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさんのドキュメンタリー映画アブダクション(拉致) 横田めぐみ物語」が27日(日本時間28日)、当地で開催されていたスラムダンス映画祭のドキュメンタリー部門で観客賞を受賞した。監督のクリス・シェリダン、パティ・キムさん夫妻は「期待していなかったので驚いている。大変光栄です」と喜びを語った。
同映画祭ではワールドプレミアとして2回上映され、数日前にチケットが完売になるなど、米国人の関心も高かった。同映画は今後、米クリーブランド映画祭などへの出品も決まっており、映画祭での受賞を機に米国及び日本での公開を目指す。

スラムダンス映画祭のグランプリがどういうシステムで決まるのかイマイチ不明だけど、おそらく審査員ではなく純粋に観客の投票数で決まるんでしょうかね。とにかくめでたい事です。これで支援の輪がアメリカに浸透していくと良いですね。日本での公開が楽しみです。拉致被害者家族の増元照明さんも現地に駆け付けた感想をHPで発表されています。
 
増元照明ウェブサイト「スラムダンス映画祭」
(http://www.interq.or.jp/power/masumoto/ms.html)

 米国中西部ユタ州のパークシティーにおいて開催されたスラムダンス映画祭に行ってきた。成田から9時間の行程でサンフランシスコに着き、そこから1時間のフライトでソルトレイクシティーに着く。更に車で40分程度走ったところに、パークシティーがある。映画好きの方なら知っている「サンダンス映画祭」が同時開催されていた。歴史的にも規模においても「サンダンス映画祭」には及ばないものの、全米から出品された500もの作品の中で選ばれた9作品の中に入ることは非常に栄誉なことであるらしい。この中に選ばれることで今後の米国内での上映が現実のものとなるということである。製作者のクリスとパティは、カナダ人で今ワシントンに住むジャーナリストであったが、2002年の首脳会談で明らかになった「日本人拉致問題」に衝撃を受け、報道に携わるものとしてフィルムに収め、全米に、世界に知ってほしいという思いで自費5000万円を費やし作り上げた。私が行った20日(金曜日)には、既に日曜日の上映のチケットは売り切れ、現地での評価も上々のようであった。それでも、翌火曜日のチケットを売り切るために零下10度の中、道行く人々に映画の情宣をやっていた。私も「ABUDACTION」のカードを道行く人々に配りながら、反応を見ていたが、もともとパークシティに集まっている人たちは、上質の映画を見たいという人々が集まってくるので、配っているカードを興味深そうに手にしていた。クリスとパティとその家族は、めぐみちゃんの写真入のT−シャツを揃ってきて、映画の説明をしながら「是非見て欲しい」と呼びかけていた。その甲斐あって、火曜日の上映分も売り切れた。日曜日午後6:00からの上映を楽しみにしながら待った。まだ家族会・救う会のメンバーも誰一人見ていないフィルムを私が初めて見ることになった。父の病床のテープで始まる映画は、太鼓や不気味な挿入曲が織り成すおどろおどろしい雰囲気で始まった。全編日本語で話され、英語字幕で訳されているため判りやすく、何等違和感なく見られた。上映中、あちこちですすり泣く声が聞こえ、私も涙ぐんでしまうほど、私たちの悲しみや悔しさをよく表現していた。多くの米国人が感動し、涙する様を見るにつけ、「家族愛」は世界共通の感情であることを痛感できた。日本の政治家に見せてやりたい光景である。
映画は「拉致」という非道を時系列にそって判りやすく説明し、「家族の闘い」を鮮明に描いていた。上映後の質疑応答にも多くの人から質問があり、「北朝鮮の拉致」という行為に非常に関心を持ったことが窺えた。日曜・火曜の上映後の質問に共通していたのは、「私たちに何ができる?」という問いであった。非道な拉致に苦しむ被害者のために何かをしたいというのは、日本人と共通していて、他国のことではあっても、人として何かしたいという現われであろう。火曜の上映に来ていた3人の日本人に感想を聞いてみた。彼らは、30台前半の若者であったが、「日本で見聞きしたフィルターのついた情報ではなく、ストレートに入ってきたもので、よく理解できた。これから自分たちが何ができるのかを考えていきたい」と言っていて嬉しく感じられた。クリスとパティは「政治的」にならず「人間的」なものとして表現したいということで、横田代表夫妻や私の私生活をオープンにして、「普通の人々」が厳しい闘いを続けていることを強調した。私としては、非常に恥ずかしい思いで見なければならない部位もあり、日本での上映になった場合の気持ちを考えると、日本での上映は見合わせて欲しいと感じた。今のところ、全米での上映を目指し、全米各地で開催される「映画祭」への出品を目論んでいるので、当分は安心だろう。とにかく、米国での初上映は成功裏に終わった。