根室漁船銃撃事件

現実の北方領土・領海問題はさておき、この漫画を思い出した。もう十年以上前の作品である。

地雷震 6 (アフタヌーンKC)

地雷震 6 (アフタヌーンKC)

「スカイハイ」でなどでメジャーになった感のある高橋ツトムの初作品。力量が衰えてしまっている、というわけじゃないけど、この「地雷震」が漂わせていたヒリヒリとした緊張感は今では望むべくもないだろう。江川達也の「BE FREE!」とかもそうだけど、デビューしたての勢いというものはいつか無くなるものだからね。
 
主人公は新宿署の刑事、飯田響也。この漫画の舞台はもちろん新宿が中心なのだけど、時折単行本を丸々使い、犯人を追い詰める為に海外にまで飛んでドンパチしまくる話。どうしてそこまで危険と隣合わせになってまで、犯人を倒す(逮捕する、じゃないw)事に執念を燃やすのか、と連載の間さんざ飯田の特異な過去について匂わせていたが、結局その謎は謎のまま完結(笑)。それはさておき、この6巻はロシアとの密貿易の歴史を持つ、架空の「国無島」が舞台。そこに核物質、ロシアンマフィアが絡んで・・・というお話。まあ、根室のこの事件とはあんまり関係無いけど(無いのかよ)。でも高橋ツトムの筆の迫力、黒と白のコントラストで描かれる北海道の孤島の雪と荒波が良い。地雷震で一番好きな巻なのよね。