狭まる北朝鮮包囲網

狭まる、とは言っても北朝鮮をどんどん追い詰めていってる、という意味ではなく、逆に圧力そのものが日本を含め薄れているように思える。今月上旬に安倍総理は欧州歴訪に出掛け、ヨーロッパ各国首脳と会談、北朝鮮による核問題や拉致問題について話し合い理解が得られたとその成果を強調する。実に結構な話だ。しかし、EUがこの協力の為に何か具体的な行動を見せてくれたという話は聞こえてこないし、日本自身が追加の経済制裁を発動する様子もない。国内の進展と言えば、特定失踪者の松本京子さんがようやく拉致被害者であると認定された事ぐらいである。これはどうしたわけか。
 
その安倍総理の欧州歴訪の最中、山崎拓議員が小泉前首相が締結した日朝平壌宣言を復活させ、北朝鮮との国交正常化を前に進める為、単身北朝鮮に乗り込んだ事は記憶に新しい。だが多くの人々が予想したように「拉致問題は既に解決済み」という回答しか得られずに、その目論見は見事に失敗した。政府の「公務員の渡航禁止」という対北朝鮮制裁を無視した、国会議員にあるまじき売国外交かつ許されぬスタンドプレーであり、何らかの処分が下されるべき事態だ。
 
だが現在のところ、そうした動きは官邸から全く感じられない。既に“無かった”事になっているかのようだ。そして、長年拉致問題を多く取り上げてきた産経新聞も、山崎処分に踏み切らない安倍総理について語る様子も見られない。産経グループの運営するニュースブログ「iza!」内の記者ブロガー阿比留瑠比氏も、一向に取り上げる様子が無い。官邸付き記者として、活躍されている阿比留氏が全く触れようとしないのは非常に不自然。というわけで、この一連の件とは関連の無いエントリーではあるが、質問してみる事にした。
 
教育再生会議報告は日教組への宣戦布告
(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/104818/#cmt)

Commented by kikori2660 さん 2007/01/21 13:14
 
こんにちは、阿比留さん。安倍首相の教育改善の話も結構なお話で文句は無いんですけれども、山崎拓の訪朝問題についてのエントリーを今か今かと待っております。ヨーロッパ歴訪から帰って来た安倍さんがこの問題についてどう思っているのか、どのような処置をするのか、などについて産経新聞ですら口を噤んで触れないようにしているようにしか見えないのですが。何か緘口令でも敷かれているのでしょうか?

Commented by 阿比留瑠比 さん 2007/01/21 15:09
 
kikori2660様
先日、弊社政治部のキャップ会という現場の自民党担当、野党担当、官邸担当など各担当者の会議で、上司から「山拓についてはあまり取り上げないように。批判しても載っただけで本人を喜ばすだけだから」という指示がありました。緘口令というのとは違いますが。だからというわけではないのですが、話題にするだけで疲れるというかあほらしいというか…。公安関係者の話では、北朝鮮側は「山拓訪朝自体はどうでもよかった。これによって、歩み寄ろうとしない安倍官邸を揺さぶることに意味がある」という見方のようです。当然、安倍首相もカンカンのはずですが、放置プレーを決めこんでいるのではないでしょうか。

Commented by kikori2660 さん 2007/01/21 17:26
 
>阿比留さん
 
これほどの重大な内閣への反抗を「放置プレー」するというんですか?本当に安倍さんはヤマタクの行為に怒っているのですか?ヨーロッパ歴訪から帰国後すぐに、自民党総裁として、ヤマタクになんらかの処分が下すべき反乱のはずです、これは。
 
>上司から「山拓についてはあまり取り上げないように。批判しても載っただけで本人を喜ばすだけだから」という指示がありました。
 
そんなむちゃくちゃな理由で、あの訪朝について取り上げないんですか?あなた方はマスコミではありませんか。日本テレビのようなところならともかく、自社の報道能力にそこまで自信がないのですか?あまりに馬鹿げていて、情けない話です。
 
私は疑いを持っています。なぜこの件について、産経新聞と阿比留さんはヤマタクの処分をしようとしない安倍総理について言及しないのか。これを追及していくと、安倍総理本人の首を絞める事になるからじゃないですか?以前靖国参拝を中止し、村山・河野談話の継承を行った安倍内閣を庇ったように、再び庇う為の沈黙ではないのですか?
 
どうかポジションを守る為に、やるべき戦いを放棄しないで下さい。

Commented by 阿比留瑠比 さん 2007/01/21 17:54
 
kikori2660様
誤解をなさっていると思います。まず、内閣に通報せずに北朝鮮に行ったこと自体、私は許しがたいとは思いますが、だからといってそれが自民党の党規違反というわけではないので、処分を下すことはできないはずです。これを明確な反党行為かと定義できるか自民党議員に聞いてみてください。だれも「そうだ」とは言わないはずです。また、>あの訪朝について取り上げないんですか、とありますが、山拓訪朝については大きく複数回記事になっています。また、蓮池さんとの会談問題についても記事で大きく書いています。ただ、これ以上山拓氏を露出させるのは、彼が喜ぶだけだと言っているだけで、また必要があれば書きます。さらに、私はこのブログやコメントの中で、安倍首相が最も嫌いな自民党の政治家の一人は山拓氏であると指摘してきましたし、それは今も変わらないと思います(山拓氏は小泉氏の「盟友」ではありますが)。>どうかポジションを守る為に、やるべき戦いを放棄しないで下さい。誓って言いますが、結果的に間違いはあるにしろ、私は自分が正しいと思ったことしか書きません。 私は、自分の知っていることを当欄で、かなりぎりぎりの線まで書いて、せっかく読んでくださる方々に伝えようとしているのです(もちろんすべてはかけませんが)。

Commented by kikori2660 さん 2007/01/21 20:32

お返事ありがとうございます。>阿比留さん
 
>処分を下すことはできないはずです。
 
党紀違反を問えないならば、公務員法や色々な手段で行なえるよう努力をすれば良いのではないですか?その努力の跡が、安倍総理の行動からは全く見えてきません。
 
山拓訪朝については大きく複数回記事になっています。
 
それではなく、何故安倍総理が公務員の北朝鮮渡航禁止についてでもなんでも良いです、ヤマタクに対してしかるべき処分を検討していない事について、産経新聞の意見が無いのか、それを不思議に思っているのです。「安倍総理が激怒(しているらしい)」などの報道は耳にしましたが、ではそれからどうした?という情報が聞こえてこない事を問題にしているのです。
 
>ただ、これ以上山拓氏を露出させるのは、彼が喜ぶだけだと言っているだけで、また必要があれば書きます。
 
是非それに期待したいと思っていますが、今それについて書かねば、一体いつ書くというのでしょう?安倍総理の帰国直後がその最も必要な時期だったのではないでしょうか。
 
ヤマタクの訪朝の目的は日朝平壌宣言の復活、国交正常化にありますが、阿比留さんは、安倍総理日朝平壌宣言を破棄しない理由をいかがお考えでしょうか?これは安倍さん自身が、当時の小泉総理が締結する際に「調印すべきではない」と進言した、と公にしてましたよね。これを総理就任直後に破棄していれば、そもそもヤマタクが訪朝する根拠がなくなりますよね。

ここで、それ以上の事は公式ブログでは言えない、直接連絡を貰えれればその情報と自分の考えを教える、という返答を頂いたが、聞いてしまえば、自分の日記で書かざるを得ない。それではせっかくのご好意の意味が無くなってしまうので、問い詰めるのは一旦止める事にした。だが、記者ではないタダの素人の自分ではあるけれども、限られた情報の中で色々想像を巡らせ、それをネットで披露する事まで中止するつもりはない。上記の質問が全くの的外れであったとしても「安倍総理の真意を見抜けなかった、トンチンカンな邪推ばかりする政治勘の悪いヤツ」と笑われるだけの話だ。いや、むしろ自分の予測が外れて欲しいと思っているくらいなのだから。
 
しかし産経新聞を始め、多くの拉致被害者救出運動に関わる支援者や保守派ブロガー達は、安倍総理への攻撃にもなるかもしれないこうした批判を避けているのではないか、という疑いを持っている。ヤマタクだけを叩いていればそれで良いのか、その処分の決断をしようとしない安倍総理にも責任があるのではないかと何故考えられないのか、安倍総理への指摘を控える事が本当に拉致問題の解決に繋がるのか。ごく狭いネット上の人間関係を守りたいが為に、本質からかけ離れた議論に逃げ込んでいるのではないか。非常に苦々しく思っている。
 
最後に自分が現在、安倍政権の政治姿勢や世界情勢の動きから判断した結論を述べる。

  1. 安倍総理山崎拓議員の訪朝を快く思っていなくとも、実際には自分の外遊中の出来事であり「知らなかった事にして」暗黙の了承を与えた
  2. 安倍政権は日朝平壌宣言を放棄せず、それに則った国交正常化を求めている
  3. 安倍政権はこれ以上拉致被害者の数を増やす事はしない(特定失踪者は無視)
  4. アメリカを含む世界各国は北朝鮮の核問題や偽ドル問題をこれ以上深く追求せず、宥和政策を執る
  5. その宥和政策の為に、日本の経済力が必要となる
  6. 拉致問題の解決とは関わり無く、日本は経済制裁を緩め、北朝鮮への経済援助を求められる
  7. 安倍政権はそれを拒否出来ない
  8. 小泉前総理ではなく、安倍総理自身が一人の拉致被害者を救出出来なくとも、参院選前に国交正常化・経済援助を果たしに訪朝する

日朝平壌宣言はまだ生きている」と安倍総理が言い続ける以上、この考えを撤回する必要は無いと思ってます。