首相、金総書記にメッセージ・日朝対話で

(http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20060215AT1E1500Q15022006.html)

小泉純一郎首相は15日、今月の日朝政府間対話の際、日朝平壌宣言に基づいて懸案を解決して国交正常化を目指すとの趣旨のメッセージを北朝鮮金正日総書記あてに送ったことを明らかにした。記者団に「交渉のたびにいつも出している。誠意を持って対応するように金総書記にもしっかり伝えてほしい」と述べた

日朝平壌宣言などというものはとうの昔に空証文となっているのに、それを認めず、国交正常化という手柄を諦めきれない小泉。誘拐犯に「ウチの子供を返してくれれば誘拐罪にはならないよ、おねがいっ」と説き伏せるような馬鹿げた行為を延々と続ける首相と、それでも応援し続ける思考停止の支持者達。その下心が見抜かれているからこそ、北朝鮮は平気で嘘を付き続ける。経済制裁など出来るはずがないと高を括られているからこそ、誠意な態度をかけらも見せようとはしない。しかし安倍ちゃんもいよいよダメモードに突入か。俺の嫌な予想は当たっちゃったみたいだ。無根拠に「安倍官房長官誕生万歳!」とか言ってた小泉信者や、転び小泉派(もしくは経済制裁慎重派)の人はどう言い訳するつもりなんだろうね?要はこういう人達にとって拉致問題なんかより、自分達がネットという狭い世界で馴れ合う空間を保ち続ける事の方が重要で、だからこそ目を曇らせ、トンチンカンな事を言う。その端的な例が油濁法を巡って「これぞ小泉のしたたか外交戦術!こっそり経済制裁!!」と騒いでいた連中がいたでしょ(案の定、油濁法は骨抜きになりました)。たぶんこういう人達は、麻生太郎が首相になっても同じ事を繰り返すと思いますよ。いつまでもね。クライン孝子と同レベル。小泉ファンを批判するな、怒らせるな、ってそれは既に議論じゃなくて“皆が仲良くやってるのに空気を壊すな”という感情論レベルの戯言に過ぎない。そんな人間がやたら家族会の人達の気持ちを考えて、内輪揉めは止めて、と事あるごとにブログ等で書き連ねるのを見るたびゲンナリする。
 
ところで、
北朝鮮「特定失踪者を調査」政府間協議で回答
という記事がある。

ただ元工作員辛光洙シン・グァンス)容疑者の引き渡しに関しては「政治的問題であり絶対不可能だ。年齢、健康上の問題もある」と拒否。もう一人の容疑者でよど号ハイジャック事件メンバーでもある魚本公博容疑者についても「政治亡命者で、絶対に応じられない」と述べた。

日朝政府間対話の前に突然にわかに、まるで辛光洙が日本で起きた拉致事件の首謀者であるかのような報道が連発され、非常にきな臭いものを感じている。金正日自身が工作機関に、拉致指令を出してた事実は広く知られているが、それを覆い隠して辛光洙一人に罪を押し付けようとする印象操作ではないか、と疑っていたんだが・・・。今回の北朝鮮の回答を見ると、その「押し付けよう」とした主語は一体何なのか。その方が不思議なのです。よくよく考えると、辛光洙は韓国で逮捕されても転向をせず、釈放されて北朝鮮に帰国後、国家から英雄として讃えられている。それを易々と犯罪者として日本に売り渡す事が出来るのか。普通は無理だと思う。だから俺なんかは当初、辛光洙は何らかの理由で死亡していて、日本に対して「でもほら、首謀者は既に死んじゃったし」って事で拉致事件はこれで本当に終了、そして国交正常化を日本に迫るつもりだったのかと推測していた。でも今となっては前述した「首相、金総書記にメッセージ・日朝対話で」という記事を見て確信した事がある。辛光洙に全てを「押し付けよう」としていたのは、他ならぬ日本側、小泉政権の方だった。未だに「拉致問題の解決とは何をもって判断するのか」という国会における質問に答えようとしない政府が出した回答がこれである、と。横田めぐみさん、地村さん夫妻の教育係を担当した辛光洙さえ差し出せばそれ以上の責任、つまり金正日の責任は問いませんよ、拉致被害者の認定を認められていない特定失踪者の帰還も必要ないですよ、というメッセージに他ならないという事だ。それさえクリアすれば、あなた達はもちろん我々(小泉政権)が望む国交正常化はすぐにも可能ですよ、と媚びているわけだ。ふざけるな、冗談じゃない、と声を大にして言いたい。
 
当たり前だけど、こんな稚拙なレベルの外交交渉が成功するわけもない。拉致の”ら”の文字もない、北朝鮮に経済援助を約束するだけの日朝平壌宣言に署名したのは小泉首相であり、その宣言文が有効なのは小泉首相のみ。後の首相がそれに縛られる理由はない。と、なると北朝鮮が心から欲しているのは小泉首相が在任する今年九月までに何とか正常化交渉をまとめ上げる事、それ以外に無い。もちろん首相もそれまでに三度目の訪朝をし、日朝平和友好条約に署名しようとするだろう。それを防ぐ為に、この問題に関心を持つ者達は家族会がそう言わずとも「小泉退陣」の声を挙げ続けなければならないと思う。これは九月の小泉退陣後の政権に対するプレッシャーにもなるし、そもそも小泉が本当に首相の座から引退するのか分からないからである。はっきり言って、この男の言う事は何一つ信用出来ないのだから。
 
たしかに拉致問題を支援する団体にはある政治目的を持った人達や、選挙に利用する為だけに一時的に取り入る政治家など問題も多い。しかしある種の政治色が付いてしまう事も覚悟の上で、家族会の方々も頼りにしている一面もある。そして、その活動によって小泉政権の暴走をこれまで防ぐ事が出来たという事実は疑いようもない。なのに過剰にその弊害を言い募り、右翼に利用されている家族会、という批判は小泉信者だけではなく、今や転び小泉派から出ている。その象徴的な例が彼らが行った「家族会座り込み反対運動」でしょう。その当時は、家族会の方々の健康面を考えて検討を重ねる必要もあると考え旗幟は鮮明にしなかったが、今ではその反対運動も単なる政権側に立つ人々の、反・反小泉圧力だったと思っている。
 
◆minow175の拉致事件北朝鮮情勢のブログ「”似非救う会”を拒否し、救う会と救出運動を守ろう。」
(http://blog.livedoor.jp/minow175/archives/50440056.html)
困った事に、こうした信者丸出しのブログの意見に賛同する転び小泉派が増えている事である。小泉訪朝とその結果を諸手挙げて賛成し、救う会を“粛正”しろとまで言ってのける。すごいですね、粛正ですよ(文革でも起こせってか)?まあここにトラバしている人のブログを見れば誰が転んだか分かるんじゃないですか。粛正をした後、誰をその座に付けるべきか言及してくれればもっと面白いんですがね(苦笑)。本当にそんな事をやる気概があるというのなら、直接横田さんや増元さんに「経済制裁を主張するな!」と釘を刺して、第二救う会でも作られたらどうなんですかね?講演録をアップしただけで、自分だけが汗を流している・家族会の人達の気持ちを分かっているのは自分だけ、と思い込んでいる人には早速取りかかってもらいたいもんですね。だって今やってる事と言ったら、某救う会が主催する講演会に入り込んで、勝手にヘンなビラやハガキとか配って迷惑がられている事でしょ。「経済制裁強硬派(反小泉派)は自己陶酔・思考停止に陥って、本当に問題解決に貢献などしていない」と主張するこの人達ですが、実は某救う会の幹部の人も彼女達(あ、バラしちゃったw)の事を「家族会の人達をアイドル扱いして、追っかけ回すただのミーハーでしょう。人に迷惑を掛けているのも顧みず、自己満足に陥ってるんじゃないか」とばっさり斬り捨ててます。いずれにせよ、このminow175氏や最近某SNSでこそこそと反救う会活動をしている某大学講師のaki氏などに易々と扇動されて我を失うような人達と組むのはあまりにも心もとないな、と思わざるを得ないのです。