北朝鮮と中国、拉致と靖国と総裁選について

もう古い記事になりますが。
◆「靖国大いに議論を」 民主鳩山氏が安倍氏批判
(http://www.sankei.co.jp/news/060519/sei093.htm)

民主党鳩山由紀夫幹事長は19日午後の記者会見で、安倍晋三官房長官自民党総裁選で靖国神社参拝問題を争点化すべきではないとの考えを示したことについて「こういう問題こそ大いに議論されてしかるべきだ。形勢が不利と判断したのだろうか。信じられない発言だ」と批判した。同時に「総裁選は単なる権力闘争なのか。国のトップを選ぶ選挙だけに、国民の関心から目をそらすようなことがあってはならない」と指摘した。

中国に媚び、首相の靖国参拝に反対しているポッポ山には「お前が言うな」とツッコミを入れたくもなるが、言っている内容そのものは正論。しかし小泉首相の参拝を支持する保守系ブログの中には「マスゴミが安倍降ろし(福田応援)の為に靖国問題を争点にしようとしている!」とし、「国民の関心事は、小泉改革を誰が継続していくかだ。財政、経済、年金を争点にすべきだ」と言う。だがおかしくないか。普段からブログ等で主張している意見に沿って「終戦記念日靖国神社へ首相が参拝する事こそが、国家の指導者としての義務であり、これまでの戦後民主主義の弊害・特定アジアの謂われ無き外交圧力を打ち破る意志を示す道である」と言わねば矛盾しているのではないか。
 
しかし彼らの多くは、去年の小泉郵政解散後、衆院選前の8月にこう言っていた。「もし、ここで靖国参拝を強行したら世論が割れて、小泉自民党は負けるかもしれない。そんな危険を犯さずに、終戦記念日の参拝だけは控えた方が良い。英霊も小泉さんの辛さをきっと分ってくれるに違いない!」と。これは「Irregular Expression」のコメント欄で実際に見た発言です。・・・なんともまあ、物分りの良い英霊がいるもんだな、と呆れたのを覚えているけど。どうやら今回も同じ模様。その都度その都度、こうした解釈を飽きもせず約四年間続けてきた。そして今年9月の総裁選を控え、賛美の対象は安倍晋三に移ってきたかのように見える。
 
「Dr.マッコイの非論理的な世界」のid:drmccoy:20060520#p1さんが「格差社会批判は『反安倍』のプロパガンダだって?」というエントリーで、盲目的な政府擁護の風潮に釘を刺しておられる。

最近の依存症さんのエントリー
 
格差社会批判は『反安倍』のプロパガンダ
 
この言い方こそたちの悪いプロパガンダだと思います。しかも、うまいこと加藤紘一の言葉を引用したりしています。加藤紘一はどうしようもない売国奴でまるで信用できませんが、経済政策に限ってはわかりません。単に反小泉で言っているだけかもしれませんが、だからと言って間違ったことを言っているとは限りません。しかし、まともな人々に信用のない加藤紘一が言っている事だということで、その発言内容の真偽とは別に、発言内容をいかがわしいと思わせる絶大な効果があると思います。

こうした小泉信者系ブログだけではなく、彼らと手を組んで「経済制裁は慎重に」「小泉批判をすると、小泉自民党に投票したグレーゾーンの国民が拉致救出運動から離れていくから控えるべきだ」と去年から言い始めた“グレーゾーン論者”(自称・現実論者、経済制裁慎重派)までもが、わずかな安倍批判すらたしなめる発言を行う。何せ、この俺ですら「親・福田康夫」にされるぐらいなのだから(苦笑)。
 
安倍晋三が“小泉改革”とやらを全て継承するとは思えないし、思いたくもない。安倍氏の肝いりで始まった「再チャレンジ推進会議」を見る限りだと、竹中経済路線の継承とその補強というよりは、それに対する否定的なニュアンスを感じなくも無い。だから“マスコミの福田を首相に!キャンペーン”に対抗する為、福田の過去の行状(蓮池さん家族への暴言など)をあげつらって叩くのはOKなんだが(もちろん問題無しだよ?)、それが高じ過ぎて安倍批判=福田擁護=拉致問題の解決を邪魔するヤツ、みたいなレッテルを張り出す支援者が一番困る(レッテルを貼るな、というのが口癖なのに)。ここの掲示板の常連とかここのブログの管理人とかね。
 
結局、彼らには信念も何も無く“改革を支持している自分”や“ボランティアに献身する自分”に酔っているだけではないのか。あのね、言っとくよ。マスコミの“福田首相”攻勢に反発するだけで、また「英霊は分ってくれる」方式で逃げれば、本当に安倍ちゃん、負けちゃうよ?いくら世論の支持率が高くたって。
(次回に続く)