安倍晋三の愚劣な訪中・訪韓外交

まずは、今から7年前に行われた国会質問の議事録を見て頂きたい。当時の故・橋本龍太郎総理大臣と西村眞悟の答弁。
 
 
◆第140回国会 予算委員会 第5号
(http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/140/0380/14002030380005c.html)

○西村(眞)委員
私は、この官房長官の発言は、そのとおりだと思っている一人の議員でございます。私は、本音を率直に語り合えば、隣国の韓国とは理解し得る、このような信念を持っております。私の体験を申し上げます。後ろにおられる江藤長官が発言されて向こうで提言と言われた時期に、その直後に、私は韓国の四大マスコミの一つから取材の申し込みを受けました。テレビを持って取材に来られたわけですが、なぜ私に取材に来たかということは私はわかりませんが、私は、選挙区でも各所でも、江藤長官は当然のことを言ったんだ、このように申しておったからだと思います。
 
(略)
 
私は、この官房長官の発言は、そのとおりだと思っている一人の議員でございます。私は、本音を率直に語り合えば、隣国の韓国とは理解し得る、このような信念を持っております。私の体験を申し上げます。後ろにおられる江藤長官が発言されて向こうで提言と言われた時期に、その直後に、私は韓国の四大マスコミの一つから取材の申し込みを受けました。テレビを持って取材に来られたわけですが、なぜ私に取材に来たかということは私はわかりませんが、私は、選挙区でも各所でも、江藤長官は当然のことを言ったんだ、このように申しておったからだと思います。それで、テレビカメラの前で、これは通訳を入れて、一時間以上だっ そこで、官房長官、江藤長官も官房長官もある意味では韓国から提言という最大級の非難を浴びたわけです。江藤長官はまあ実質上罷免という形になられた。(発言する者あり)辞任か。みずからやめざるを得なくなられた。日本国の大臣が外国から非難を浴びてやめられるという、こういう重大な事態なんですね。官房長官、私が今申し上げたことは、私は確信して申し上げているのですが、私が申し上げたこと、私も憲法で言う全国民を代表した選挙された議員でございます、公人でございます。公人としてふさわしくないのでしょうか。どういうふうにお感じになっておられますか。

○橋本内閣総理大臣
大変失礼をいたしました。ただ、私は、欧米における礼、アジアにおける礼というのは、おのずから歴史の流れの中でいろいろな姿があるように思います。欧米における礼、まさに握手でありますが、握手というのは、少なくとも近代日本になるまで日本の中になかったやり方ではないかと私は思います。そして、普通日本人の感覚からいきますならば、おじぎをするというのが礼でありますが、そのおじぎという行為も、場合によっては、相手がその礼をふだん使わない国の代表者であります場合には、向こうに非常に異様な印象をもって受け取られるときもございます。そして、握手の国でありますから、私は、アメリカ大統領とは普通に握手をいたします。東洋の場合、私は、大変議員の御意見を傾聴いたしますけれども、お客を招きました場合、目上、目下という感覚よりも、やはり礼を尽くして迎えるのが普通ではないでしょうか。私はそう思うのですが。
 
○西村(眞)委員
総理のお考えはお聞きしましたが、お客を迎えるという意味のそのお客は一国の元首であります。総理も一国の総理として国家と国民を代表しておられる方だ。したがって、私はこの握手の仕方に非常な違和感を感じておるわけです。それで、これは私が言っておるのではなくて、済州島での日韓会談のときに、これも産経新聞ですが、外信コラムに出ておるのです。いいですか、国民はこういう国民もあるということを御承知おきいただきたいと思ってちょっと紹介しますが、先日、済州島で日韓首脳会談の際、橋本首相が金泳三大統領と乾杯に際し左手を右腕のわきの下に添えて杯を上げている写真があって、本紙の読者からまるで臣下のようで見苦しいと指摘があった、金泳三大統領にはその種の動作が見られなかった、確かに橋本首相が臣下の礼をとったような形である、こういう声が済州島でのあなたの立ち居振る舞いを見て、新聞がその読者の意見として報じたものでございます。あなたは再び、今、東洋では礼、握手はしないのに握手するんですから、そのときに東洋の握手の仕方の、韓国に対する、こういう腕を上げて丁寧といいますか、そういうやり方をなされた。済州島でなさったんじゃないんですか。だから、お客を迎えるときに、それが理由としてしたのではなくて、あなたがお客であるときもされたんじゃないんですか。

○西村(眞)委員
我が国の外交、この竹島に関する外交は非常に節度のある外交でして、日韓条約のときの交換公文、紛争の解決に関する交換公文にのっとって、その枠をはみ出さず、これを守って粛々と毎年領土の問題に関してコメントを出しているわけです。紛争は外交上の経路を通じて解決する、これが日韓の約束でございますね。日韓の約束で、外務大臣がそのプロセスのもとで発言されたことが、向こうでは金大統領の治世になってから提言になっているという事実を、ちょっと次元が違ってきたという事実を御認識いただきたい。つまり、いわゆる虚報に基づく教科書問題によって、全大統領は反日外交カードとして使ったことは事実でございます。しかし、金大統領になってから、反日が自己の政権の人気取りのためのカードとして使われるようになった、このように韓国研究家が書いております。それは、思い当たることはあるのです。九五年十一月十五日、中韓首脳会談、江藤長官の発言に対して、今度こそ文民政府の堂々とした道徳性に立脚し、そのようなふざけた性根、ポルジャンモリを直してやる、過去の軍事政権と違うということを見せつけてやろうと思う、これが金大統領の発言でございました。ただし、このポルジャンモリという言葉は、辞書にはないのです。年長者が子供に対して汚くしかりつける言葉、これは、金大統領の意識が、韓国の伝統的国家観、文民政府の伝統的国家観、つまり儒教に基づく華夷秩序によって日本にポルジャンモリという言葉を使ったと言わざるを得ないわけです。それから、九六年二月七日、これは、先ほど外務大臣がおっしゃった日韓交換公文、紛争処理の交換公文によって節度ある――我々は毎年竹島の領土を主張しておりますけれども、それを内政問題に絡めたり、政府主催のキャンペーンをしたことは一切ないのです。その間一兆円に上る経済支援もしたわけです。しかし、外務大臣の人形は焼かれ、提言ということになっております。総理大臣、あなたが会われた、こういう厳しい利害の中にある日韓の両国の代表者でありました。私は弁護士出身ですから、私が弁護士時代の経験を申し上げましょう。依頼者の前で、たとえ親しい先輩の弁護士であっても、年下だからといってへりくだっては依頼者との信頼関係は弁護士はつぶれるのです。だから、それは弁護士は一切しない。しかし、あなたは今申し上げたように、竹島問題に絡んで、ポルジャンモリという発言に象徴されるように、対日を反日カード、国内政権を浮揚するための反日カードのように使う大統領と対峙して臣下の礼をとられた。九六年六月二十二日、日韓首脳会談、済州島、私が目下ですからと公言して、客の立場でありながら両手で先に酒をついだ。これは私が抜粋した「現代コリア」、この本の中にある言葉ですが。それからまた、先ほど紹介した済州島でのあなたの態度を見て、臣下の礼で嫌だという日本人の投書があるにもかかわらず、あなたはまた一月二十五日、目下の礼をとられた。そして、先ほどの言葉にあるように、クリントン大統領があなたの年上であられたら、あなたはクリントン大統領にもするというふうな発言もされておるわけです。(橋本内閣総理大臣「参ったな」と呼ぶ)総理、何が参ったのですか。私が誤解して申し上げているのですか。私の誤解があったらおっしゃってください、総理。
 
○橋本内閣総理大臣
先ほど私は、ヨーロッパ、欧米の伝統的なあいさつ、アジアの伝統的なあいさつというお話を申し上げました。私とすれば、目下のと言われる、そのような受けとめしかしていただけないのであるとすれば、私は大変国に対して申しわけないことをしたのかもしれません。しかし、私はいたずらに居丈高になることが両国のためになることだとは思っておりませんし……(西村(眞)委員「そういうことを言っておりません」と呼ぶ一そう聞こえます。そして、礼を持って話し合うことと内容において譲歩をするしないということは別だということは、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
 
○西村(眞)委員
国家と国家が会うということは、話し合いの内容という以上に、両国の友好の象徴としての一つの両国民に見せる場でもあるわけですから、そのときに、いやしくも私も全国民を代表する選挙された議員でございます、そして先ほど紹介した産経新聞の投書の主も私と同じ感想を持っておるのです、そのようなことはゆめゆめなさらぬように。そしてまた、あなたは少々軽く考えておられたように思う。クリントン大統領にもそうするのですかという私の問いに対し、私の方が年上ですからと答えられた。領土問題は、竹島のみならず北方領土尖閣列島、不当に占拠され、もしくは埋蔵資源があると聞くや領有権を主張して、人民を上陸させて放置している国家が我が国周辺にあるということを、公式の場であれ非公式の場であれ、いやしくも国民が見ている前では、お忘れになっていただいては困る。したがって、その中で後輩の礼をとっていただいては困る。弁護士でもそれはしません。どうか、このようにお願い申し上げるわけでございます。

臣下の礼をとる事はさすがに有り得ないだろうが、盧武鉉は“ポルジャンモリ”扱いを安倍首相に仕掛ける可能性は十分にある。一昨日の日記(id:kikori2660:20061002#1159803254)でも紹介したが、5年前に中共が小泉前首相にとった態度も合わせて、忘れてはならない。
 
今日の産経新聞を見てみたら、必死で“胡錦濤江沢民との政権闘争に勝ち、外交路線を変更、新しい日中時代の幕開けだ!”ぐらいのトーンで安倍政権に媚を売っている。馬鹿じゃなかろうか。
 
従軍慰安婦問題、安倍首相は「河野談話を受け継ぐ」
(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20061004i112.htm)

安倍首相は4日の参院本会議で、1993年に河野洋平官房長官が発表した従軍慰安婦に関する談話について、「いわゆる従軍慰安婦の問題についての政府の基本的立場は、談話を受け継いでいる」と述べ、「河野談話」の見解を踏襲する考えを示した。社民党の福島党首の質問に答えた。河野談話は、旧日本軍兵士を相手とする慰安婦の募集、移送、管理に、旧日本軍などの関与と強制性があったことを認めた内容だ。安倍氏は97年に国会で質問に立った際には、「強制性を検証する文書が出ていないことは明らかで、前提がかなり崩れてきている」と談話に否定的な見解を示していた。

どんどん、信じられないぐらいの加速度でボロが出てくる。昨日の日記で触れたように、左傾化した現在の韓国はこの所謂“従軍慰安婦”問題を振りかざし、拉致問題と相対化させて北朝鮮を守ろうと日本に攻撃を仕掛けている。そしてそれに呼応して、安倍首相を攻撃する日本国内の左翼勢力。
 
「安倍はあくまで“政府の基本的立場”を強調しているのであって、安倍自身が信念を変えたわけではない!」と強弁する人もいるが、もはやお笑いものだ。その政府の長は紛れも無く、安倍晋三本人ではないか。どんな言い訳ももはや通用しない*1
 
「Dogma_and_prejudice」の上田さんも既に同じような事をおっしゃってますが、この河野談話を認めてしまった以上、拉致問題の解決を迫り、それに経済制裁を加えようとも「従軍慰安婦問題を反省しようとしない日本が、既に終わった拉致問題で我々を責める道理など無い!」と言われれば、もう、おしまい。小泉前首相が結んだあの日朝平壌宣言を破棄しようとしないのだから、北がそういうのも当然です。拉致被害者の救出を願う家族会と多くの国民の期待を一身に受けながら、この談話を引き継ぐ事でブチ壊しにしてしまった。昨晩、福島瑞穂は勝利の美酒に酔ってたんじゃあないかな。
 
いやホント、訪中も訪朝も止めろっつーの。

*1:西村眞悟も“うまく言ったなー”とは言っていたが、さすがに無理があろう