もう帰ってきたら?

◆中国の草案を叩き台に調整始める 6カ国協議2日目
(http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/38583/)

日本首席代表の佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長は「合意に向け最大限の努力を傾けたい」と強調。拉致問題が合意文書に盛り込まれるについては「現時点でお話しすることは事実上できない」と述べた。

一方、塩崎恭久官房長官は9日午前の記者会見で、合意文書について「中国と緊密に連絡をとっており、拉致問題について話し合っている。どう反映されるかはこれからの話だ」と述べ、拉致問題が盛り込まれることに期待感を示した。

この様子じゃダメっぽいね。北朝鮮支援の話ばかりが先行する現在の状況を見るに、六者協議の席を立って帰って来る事が日本の最大のカードだと思うよ。
 
佐藤健の溶解する日本「いかにもあやしい安倍ちゃんの現実感>拉致」
(http://blog.satohs.jp/200702/article_60.html)

僕は自衛隊イラク派兵には、拉致解決にも対中戦略にもアメリカの後ろ盾が必要だからという範囲で賛成してきたんだけど、ここまであてにならないのなら以後アメリカのイラク政策に無原則に追従することないと思う。
 
気に入らないのは、昨日今日の安倍発言にも塩崎発言にもとってつけたように「拉致解決」という言葉こそ織り込まれてはいるものの、アメリカが事前に連絡してきている路線、これは敗北なんだけど、これに追従する姿勢が見え見えなんだな。

俺なんかもこれには全面的に賛成で、拉致問題の解決にアメリカが利用出来ないのなら、イラク戦争なんぞに賛成する筋合いは毛頭無かったと思う。小泉前総理の外交政策で唯一評価していたのは真っ先にブッシュ支持を鮮明にした事だったが、単なるお追従に過ぎなかった。安倍総理も明らかにその轍を踏もうとしているのに、どうにも拉致救出運動支援者や産経新聞などの、警戒する声が小さいように思える。嫌な結末を口にすると現実化してしまうのではないか、という「言霊」に囚われているのかもしれない。

「言霊の国」解体新書 (祥伝社黄金文庫)

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一体何の為に、ただの一国民である拉致被害者の家族がわざわざ渡米してブッシュと面会したと思ってんだよ。
 
中山恭子拉致対策本部事務局長に聞く 緊急集会
(http://www.sukuukai.jp/index.php?itemid=1163)

政府拉致対策本部は、昨年10月「すべての拉致被害者の安全確保と 即時帰国を要求」「更なる(制裁)措置検討」「厳格な法執行」「情報 の集約・分析と国民世論の啓発」「『特定失踪者』などの捜査・調査」 「国際的な協調」という当面の方針を決めた。これらは私たちが政府に 要請し、取り組んできた課題だ。この政府の方針はまだ広く知られていない。そこで、横田代表夫妻他家族会の方々とともに中山事務局長より じっくり話を伺う緊急集会を開きます。
 
日時 平成19年2月12日(月=振替休日)午後2時から
会場 友愛会館9F 三田会館隣(03-3453-5381 )
会場案内 地下鉄三田線芝公園A1出口1分 JR田町駅徒歩10分
参加費 1000円(事前申込み不要)
主催 家族会・救う会全国協議会
連絡先 救う会事務局 03-3946-5780 FAX03-3946-5784

救う会が中山さんを招いて集会を開くらしいけれども。六者協議に全く期待出来ない中、この方の役割というのがよく分からん。結局「安倍政権をこれからも支えていきましょう!」と言ってヨイショするだけの内容なら、かえって問題解決の障害になりはすまいか、と思う。もし六者協議で最悪の結果(日本も北朝鮮支援に参加決定)になった場合、涙を流して頭を下げるのかね。これまでこの問題に関して尽力してきた彼女を責めるような人は家族会にはいないだろう。となると、むしろこう言う人が出てきそう。

一部の過激な俄強硬派が中山さんを責め立てているようですが、一度深呼吸してから思い出して欲しいのです。日本に帰国後、北朝鮮に戻ると言っていた蓮池さんら拉致被害者を説得し思い留まらせたのは一体誰だったでしょうか?監視の目をかい潜り、曽我ひとみさんの夫、ジェンキンスさんを日本に連れて来たのは一体誰だったでしょうか?胸を当ててよーく考えてみて欲しいのです。皆さん、怒りに任せるあまり、本当の敵を見失ってはいないでしょうか。拉致事件という、おぞましい犯罪行為を行なっているのは他ならぬ北朝鮮という国家なのです。時には有象無象の圧力を受けながらも、その北朝鮮に対し立派に戦い抜いてこられました。その中山さんを一時の感情に任せ、嘲り罵倒する事が支援者と言えるのでしょうか。私も、安倍さんや外務省にはもっと頑張ってもらいたかった。熱くなっている方達のお気持ちは分かりますし、私自身、憤りを抑えられません。でも、安倍さんではない、他の総理ではここまで北朝鮮に対して圧力を掛けられなかった。まずはその事を是非とも認識して頂きたいのです。こういう状況だからこそ、国民が一丸となってまとまらねばならない。それなのにただ怒りを中山さんにぶつけたとして、何か拉致問題に進展があるというのでしょうか?支援者としての本質を忘れた俄強硬派の方々の言動を見るに付け、非常に悲しい気持ちになってきます。何度口を酸っぱくして申し上げれば理解していただけるのでしょう。

みたいな感じで、結局「安倍総理の批判は控えて、しっかりと見守っていきましょう!」ってオチになるわけです。特に某Pさんがやりそう(苦笑)。
 
◆荒木和博BLOG「拉致担当大臣」
(http://araki.way-nifty.com/araki/2006/09/post_dc00.html)

もう誰にするかは決っているのだろうが、安倍政権では拉致担当大臣、ないしそれに次ぐポストができるという。拉致問題重視という意味では画期的なことだが、無任所大臣で担当しても手足がないのだから、そのままでは「拉致担当大臣」ではなく「家族担当大臣」になってしまうのではないか。もし、私が自民党の役員で拉致問題の解決に熱心でないか、あるいは北朝鮮と裏取引をしようとしているとすれば、人当りの良い、家族に信頼されそうな人材を大臣に任命し家族会を慰撫しておいて、表面上はやっているポーズを見せ、裏で別の動きをすると思う。そうしないためには全ての拉致被害者を救出すること、日本主導で帰国者やその日本人妻問題を含むすべての北朝鮮人権問題の解決を進めることを、世論の側が常に政府に対して言い続け、風を起こしていくことが必要である。それが安倍さんへの応援にもなるはずだ。本当なら拉致問題の担当大臣は防衛庁長官との兼務が最も望ましいと思うのだが。

安倍政権発足間も無い頃、荒木さんは予言していた。本当に本質が見抜ける人はこうしたものだと思う。