◆4Gamer.net『「2ちゃんねる」と「ニコニコ動画」のひろゆき氏が語る,ゲーム・コミュニティ・文化』
ひろゆき氏:
たぶんそこらへんは,ニコ動みたいなもので,ある程度経済が回るようになったところで,こっち側の言い分も完全に無視することはできない,となるんですね。ある程度のところで均衡させたり,別のシステム作っちゃえばいいんじゃね? となったり。そういう変化が訪れると思うんですけど。
4Gamer:
なるほど,じゃあどだい成り立つはずがない,ということですね。脱法コンテンツの位置づけってそういうもので,いまは排除したいし,昔も別に入れるつもりはなかった。
ひろゆき氏:
ただ,排除するためのスタッフのコストが高いとか,いろいろあるので。そういうのは月に数百万円かかりますからね。ちょっと不謹慎ですが,違法コンテンツはぜひ,ほかのサイトでやっていただきたい(笑)。
本当に,ニコ動のトップページとかに「違法な動画見たいんだったら,こちらにどうぞ」って書きたいんですけど,それ書いちゃうと推奨していると取られて,怒られちゃうので(笑)。
4Gamer:
確かに会員数とランニングコストが直結してますから,小ぶりなサイトとして回ることは考えられるんですよね。
ひろゆき氏:
そう。とにかくいますぐ黒字化したいと思えば,いまの無料会員を全員切って,有料会員とそのための設備だけでやれば,黒字化できるんですよ。
はてブ辺りでは、ひろゆきを絶賛する声が大きいけど、この辺り(インタビュー終盤)になると嘘臭さを感じるね。インタビュアーも分かってて、あえてそれ以上突っ込んでいないというか。
ユーザー数がほとんど変化しない。違法コンテンツが完全になくなったことでユーザーが減るかというと,5%くらいしか減らないんじゃないですか。
と言うけれども、ニコ動において著作権をきっちり守って、なおかつ人気のある動画なんて存在するの?ランキングを見れば明らかだよね。そもそも、ひろゆきの言う「違法コンテンツ」の定義は何だろう。ぶっちゃけ、それらを完全に排除してしまったら、ユーザーは逆に5%程度しか残らないんじゃないのかね?
だいたいがさ、「ある程度経済が回るようになったところで,こっち側の言い分も完全に無視することはできない」と言ってるんだから、現在“違法コンテンツ”と呼ばれる資産を捨てる事なく、ニコ動をYouTube並みに成長させて、文句を付けさせないぐらいまでに持って行くって事だろ?言っている事が矛盾している。
そこで思い出した記事。
◆ITmedia News『「ユーザー投稿角川アニメ」の公式認定も YouTubeに角川参加』
YouTube上でクリエイターの発掘企画も展開する計画だ。投稿動画の優秀作の作者を、角川グループ作品の映画監督や脚本家として起用する――といったことを検討する。
んなワケ無いじゃんね。あくまでも自社権利の動画を管理する為の方便に過ぎないだろう。いや、別に角川を「制作厨」(笑)とか言って非難するつもりは全く無いんだけど、「角川始まったな」「角川GJ!」とか言ってる人は何なのだろう。あと、権利者に、と言うならともかく「元動画を利用したMADの投稿者にも分配を」とかいうのとか。
二次創作は所詮、二次創作であって、それ以上でもそれ以下でも無い。これに対しても非難するつもりは微塵も無くて、単純に「権利者(公式)に認められる為の二次創作が面白いか?」って話。
◆音極道茶室:『手塚治虫の「全作品」が合法的に二次利用可能という画期的試みもスルーされまくりという日本の悲劇』
しかしこの素晴らしい試みが惨憺たる状況のままで終わって欲しくない。うまくすると「良質な二次創作」がいかに「創造力と才能」を要求されるか、を世に知ってもらうチャンスでもある。
面白い「二次創作物」を創ることは、ある意味一次創作より難しい。
浦沢直樹の「PLUTO」のような大胆なリメイク作品を独自に創作してOpenPost上で発表する事も可能なのだ。とりあえずOpenPostが存続する3月末までに、そんな展開がこれから起こることを期待したい。
「PLUTO」の場合、大胆な「リメイク作品」というよりは、世界観を借りただけのオリジナル作品だと思うのだが…。しかしそんな事以前に「手塚作品なら、しかも権利者が認めているのだから、誰もがこぞって二次創作をやりたくなるはずだ」という前提からしてかなりズレている。一体誰がそんなもん、やるのかね。どこが面白いのかね。
つまり何が言いたいのかというと、動画にしろ漫画にしろ「二次創作文化が権利者(公式)側に取り込まれたらオシマイ」って事です。
こういうのはこっそり違法にやるのが面白いんですよ。たまに権利者(公式)に見つかってウヒャーとなるのがいいんです。その際のリスクは自分自身が背負いつつ、ね。で、そういう文化を育てるのに必要なのは、権利者(公式)側のスルー力というか、「オメコ星」「お目こぼし」力だと思います*1。本当に将来、クリエイターの出現を望むというのなら。