日本の“対北朝鮮支援”のカラクリ その3

北朝鮮は日本の援助をもらいたいと思っている。支援カードは拉致を解決するための大切なツールですからそれを手放すわけにはいかない」と安倍総理は言う。しかし拉致問題解決の手段として「これからは“対話と圧力”ではなく“圧力と対話”で北朝鮮に迫る」と言っていた矛盾を突く声はほとんど聞こえてこない。軽水炉などのインフラ整備やコメ支援を行なった、かつての「アメを与える」外交政策に逆戻りしてしまった事を批判する声もない。この政策転換に対し何故、救う会は抗議の声を挙げないのか。動きが鈍過ぎる。家族会は別にしても「安倍総理への信頼は揺るがない」などという媚びたチラシを緊急集会に来た聴衆に配っている場合ではないのである。
 
だが、特定失踪者問題調査会の荒木代表の問題意識の高さはさすがと思う。
 
特定失踪者問題調査会「6者協議の合意に関する発表文書」
(http://www.chosa-kai.jp/cyosakainews/kongetunews/news070215.TXT)

平成19年2月15日
6者協議の合意について
特定失踪者問題調査会代表 荒木和博
 
今回の6者協議の合意は、拉致問題の解決をめざす者として、また、帰国者や日本人家族、そして他国の拉致被害者北朝鮮一般国民の人権を守ろうとする者として、受け入れられるものではない。もちろん、長期的な意味でのわが国の国益にとっても、東アジアの平和のためにもマイナスである。
 
今、拉致をはじめとする北朝鮮問題は重大な岐路にあると言っても過言ではない。正面からこれに取り組んで解決をめざすのか、先送りして後により大きなツケを回すのか、政府も、国民も覚悟をすべきときである。以上のような状況から、私たちとしても6者協議及び政府の対応の意味を明らかにし、私たちなりの覚悟を表明するため、平成18年度補正予算及び19年度予算から支出される予定の「しおかぜ」に対する事実上の政府支援を受けないことにした。
 
今回の6者協議合意は、単なる欺瞞に過ぎない。金正日体制が維持される限り北朝鮮が核開発を放棄する可能性はゼロであり、支援によって金正日独裁体制の延命に手を貸す以外の結果は得られない。また、現時点で政府は拉致問題の進展なくして援助は行わないとしているが、今後北朝鮮側から「再調査する」などの、守られるはずもない口約束を理由に援助に踏み切ることが憂慮される。もちろん他の4国は一刻も早く日本に援助させるよう求めてくるだろう。
 
私たちとしては18年度補正予算、19年度予算あわせて500万程度と推測される日本政府の支援は正直なところ喉から手が出るほど欲しい金額である。しかし、それ以上に、今回の合意に日本が加わったことは極めて重大な問題であり、これを看過することはできない。そして、その重要性を伝えるためには身を切って警鐘を鳴らすしかないと考える。
 
なお、政府支援と別に、KDDIが所有し、現在NHKが独占的に使用している八俣送信所茨城県古河市)を使った国内からの「しおかぜ」送信について調整が行われている。これは政府の予算を使うものではないので実現に向けて調整を続ける。現状では総務省KDDIともに担当者には積極的に取り組んでいただいており、使用権を持つNHKの対応が最大のネックになっている。この問題が解決されるかどうかによって実現の可否が決定すると思われる。
 
何度も訴えていることだが、拉致問題の完全解決は北朝鮮の体制転換なしにはあり得ない。そして、米国も中国も韓国もロシアも妥協による問題先送りを希望している以上、日本は孤立しても原則的姿勢を貫かなければならない。ことは交渉担当者レベルではなく、政治の決断の問題である。関係各位が私たちの覚悟の意味を理解してくださるよう、切に期待する次第である。 以上

物事の本質を見抜いた、果断の行動!支援者はかくあるべきだと思う。安倍マンセーばかりの自称保守(自称極右)ブログ管理者達よ、この行動がいかなるものか理解出来るかい?