小泉圧勝と今後の朝日関係

(http://www.onekoreanews.net/20050921/seiji20050921003.htm)
某所で紹介されていた記事ですが、かなり正鵠を射ていると思うので紹介します。

行方を決める核問題
 
日本の第44回総選挙で自民党は公示前勢力を大幅に上回る296議席を獲得し、86年衆参同日選挙での300議席に次ぐ圧勝となった。自民党衆議院単独過半数(241議席)を回復したのは15年ぶりで、連立相手の公明党と合わせると327議席となり議員定数の3分の2を超える。与党が、議員定数の3分の2を超えたのは戦後初めてのことであり、内政は勿論外交面でも大きな変化が予測される。特に、微妙な問題を抱える韓・日関係と、拉致、核、ミサイル問題で対立する朝・日関係にも様々な影響が出てくるだろう。 13日早くも小泉純一郎首相は「残りの任期中、北朝鮮との国交正常化に向けて最善を尽くす」と言明した。
 
対北外交で強まる小泉首相のリーダーシップ 
 
今回の選挙で自民党の第1派閥は交代した。小泉首相の出身派閥の森派が、解散時の51人から53人へと2人増やし、衆参両院で計79人の党内第1派閥に躍り出た。解散時、党内第1派閥だった旧橋本派は50人から35人となり、両院合わせて70人の第2派閥に転落しただけでなく、元会長の綿貫民輔氏の離党や藤井孝男氏の落選、それに会長不在の長期化も相まって、その影響力低下は避けられない。また小泉首相の「抵抗勢力」であった「亀井派」は、壊滅状態となった。
 そして無派閥や所属派閥未定の議員が93人に上り、その内初当選議員が83(無派閥71)人となっている。小泉首相はこれら新人議員に対して派閥に参加することを禁じた。党執行部が直接教育する方針を打ち出したのである。これはある意味で最大派閥「小泉派」の誕生であるといえる。派閥の変化に加えて注目すべきは、安倍晋三幹事長代理をはじめとする教科書・拉致・靖国参拝などの強硬派勢力の中から落選者が相い次いだことだ。ある自民党関係者は「保守強硬派にとっても安倍さんにとっても、大きなダメージだろう。教科書・拉致・靖国参拝などの議員連盟はみんな、ズタズタになった」と語っている。対北朝鮮強硬派安倍晋三議員勢力の後退と小泉首相親衛隊の登場は、朝・日国交正常化交渉再開にプラスの要因となる。北朝鮮とのパイプを温存している小泉首相の盟友山崎拓氏の完全復活も、それを強力に後押しするに違いない。こうした変化を読み取ってか、13日から再開された6カ国協議では、北朝鮮側から早々に朝・日接触が持ちかけられ5度にわたって実現した。
 
始まった官邸主導の北朝鮮接触
 
対日非難を強める中でも小泉首相を名指しすることを避けてきた北朝鮮は、今回の選挙結果を歓迎していると思われる。消息筋によれば、選挙前から小泉勝利を読み取った日本の官邸サイドは、裏の官房長官と言われている飯島秘書官が、再度朝鮮総連との接触に動き始めたという。これまで小泉首相北朝鮮パイプは、飯島秘書官−許宗萬ラインをはじめ、田中均外務審議官ライン、中川秀直国会対策委員長−南昇祐ライン、山崎拓議員−宋・イルホラインなどであったが、今後は官邸主導のラインが強められると予測される。勿論この背景には利権が絡んでいるため、おのおののラインはお互いに競争することとなるが、朝鮮労働党とのつながりの強い、山崎拓議員のラインが、官邸サイドの飯島秘書官ラインと競合する公算が強いだろう。なぜなら、朝鮮労働党ラインと朝鮮総連ラインは、最終的には金正日総書記につながっているもののお互いが手柄争いをさせられているからである。当面は6カ国協議での核問題が優先されるため、朝・日接触は表面化しないと思われるが、朝・米の「合意」が打ち出されれば、一気に朝・日交渉が表面化することも考えられる。そうなれば「南北関係優先政策」を取っている盧武鉉政権にも好都合なので、盧政権が対日政策で、「靖国問題」や「教科書問題」、「独島問題」などを棚上げする可能性も出てきた。
 
すべては今後本格化する「6カ国協議」の行方次第といえるだろう。