拉致問題の解決とは何か

id:drmccoy:20051011#p1さんのところで、経済制裁を一向に行おうとしない今の日本政府に触れ、小泉政府は何をもって拉致問題の解決とするのかという疑念を持っておられるようなので、以下の国会質問をご紹介します。
 
◆第161回国会 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第2号(平成16年12月2日(木曜日))
(http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/014216120041202002.htm)

○西村(真)委員 では、拉致問題の解決とは、政府は何人が帰ってくれば解決するんだと判断しておられるのか、お聞きしたい。

○逢沢副大臣 政府が、間違いなくこれは北朝鮮によって引き起こされた拉致の事案であると正式に認定、断定をいたしておりますのは、御案内のとおり十件十五名でございます。五人の方は既に帰国を、来日を果たされまして、残る十名の方の無事救出、これにまずは全力を尽くしているところでございます。
 また同時に、いわゆる特定失踪者と呼ばれる方々、二百人ともあるいはまた四百人とも言われている、その特定失踪者の方々、私どもとしても、既に日朝協議の場において、非常にこれは蓋然性として北によって引き起こされた拉致の可能性が強い、そういった事案につきましては、特に個別具体的に固有名詞も挙げ、情報の提供を求めているわけでございます。
 十名の方々の無事救出、また真相を明らかにする、同時に特定失踪者の方々について我々日本側が、日本国民が納得がいく、そういった状況を確保しなければ、いわゆる拉致問題の解決というわけにはいかない、そのように承知をいたしております。

○西村(真)委員 金正日は十三名を拉致したんだと認めた、五名生きている、八名死亡だと。日本側は、それにプラス二名も拉致されておるんだ、こういうことであります。今、具体的数字として挙がっているのは、向こうは十三名、こっちは十五名。
 今の答弁では、この十五名が帰ってきても拉致問題の解決にはならないんだとおっしゃったと確認してよろしいか。

○逢沢副大臣 政府が公式に、正式に、これは北による拉致であるということを確認、断定をさせていただいているのは十件十五名でございます。
 そして、いわゆる特定失踪者と呼ばれている方々がいらっしゃる。鋭意、警察当局において捜査を進めているわけでございますが、これはもちろん、北による拉致であるということが確認をされれば、拉致事案の中にそれは追加をする、組み込む、こういったことになります。
 いずれにいたしましても、特定失踪者の方々の案件を含め、真相究明をしていかなくてはならない、そのように申し上げておきます。

○西村(真)委員 政府は、十五名が解決されたという表現で、解決されたときに拉致問題は解決だという前提ではないというふうにお聞きして、では、寺越武志が平壌にいたいので平壌にいる、母親は日本に帰ってくれと言っておる、このことで経緯して、拉致問題は解決しているんですか。寺越武志の件があるから解決しないんですか。どちらですか。
 先ほど四百名を超える特定失踪者があるというふうにコメントされましたが、この特定失踪者の中に寺越さんもまた入っておるわけですが、同じような寺越、名が知られない寺越、まだたくさんおるという状況だと私は思いますが、具体的に、寺越武志が向こうにおって、拉致問題は解決したことになるのか、ならぬのか、政府の立場ではどうですか。

○薮中政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御承知のとおり、寺越武志さんにつきましては、我々が言う十件十五名の拉致被害者の中に認定されているわけではございません。
 今後の問題でございますけれども、これも委員重々御承知のとおりでございますけれども、寺越武志さん自身は、北朝鮮に残って、御自分の御意思で、現時点においても生活をしたいんだということを我々伺っておりますけれども、当然のことながら、将来的に自由な往来が本当にできるのかどうか、この辺のところは、よく我々としても確認していく必要があるというふうに考えております。

○西村(真)委員 答えていないので、それ以上聞いてもまた答えないんだから言いませんが。
 寺越武志が平壌もしくは北朝鮮で、ここにおって生活するという意思を尊重するのならば、今帰ってきている五名、平壌でテレビ画面に映って何と言ったか。おじいさん、おばあさん、孫に会いに来てくださいと言ったじゃないか。こういうことなんだ、拉致問題の本質というのは。
 政府の今の立場では、平壌ですべての日本人が、日本人妻でもいいですが、首領様のおかげで元気に生活しております、どうか御心配なさらないようにと言ったら、拉致問題は終わるのかね。どうですか、政治家として。違うでしょう。言ってください。

○杉浦内閣官房副長官 最終的な本人の真意の確認が必要だというふうに私は思います。

○西村(真)委員 何たる答えをするんだよ。最終的に本人のどこでの意思表明、自由な意思表明だと伺っておるの。そうですというふうに言っていると僕は今発言しておきますが。
 これは、今政府がやっている三回の実務者協議の相手の本質にかかわる認識を表明されておるので、もう一遍確認いたしますが、今、官房副長官は自由な意思表明だと。平壌で自由な意思が表明できるのかどうか。どうですか。

そして、西村の今月六日の国会質問。
西村真悟国会質問記録 第163回 通常国会北朝鮮拉致問題等特委」
(http://www.n-shingo.com/katudou1/index.html)
先月開催されて大失敗に終わった六者協議、そしてこれまでの対北朝鮮外交政策から判断するに、小泉政権拉致被害者を見捨てて、“国交”正常化にひた走る危険性は更に高まってきた。このムービーの中の質問でも取り上げられている通り、小泉政権拉致被害者家族に嘘の死亡情報を伝えてでも、それを成し遂げようとした前科を持っている。一体何故、このような裏切りの過去を持つ人非人を信用し、問題の解決を期待出来るのだろう。学習の精神が足りないのではないか。オレオレ詐欺に何度も騙されるおばあちゃんだって、ここまで騙されんよ?学ぶどころか小泉の衆院選圧勝を受け、信念も持たず次々と思想転向を図る者。勝者に媚びるもの、負け犬を叩いて拍手喝采を送る者。
 
…まず自分を救わなきゃ、だな。