小泉がこれまでに犯してきた失政

まずは、それらを解説付きで箇条書きにしてみる。なお、昔から持論である郵政民営化道路公団改革などについては除外し、外交絡みの政策のみを取り上げる事にする。そして“小泉信者”がいかに都合の悪い情報をスルーするかも検証。

  • 1. 総裁選の公約である8月15日の靖国神社参拝を2001年8月13日に前倒し

後に、年に一度は参拝を行う意向を明らかにしているが、未だ自身が約束したはずの終戦記念日での参拝は果されていない。自分で「8月15日参拝」の意義を祭り上げておきながら、圧力が掛かると前倒しという姑息な手段を選択した。さすがに石原都知事も「足して2で割る拙劣な方法」と批判。だが“小泉信者”は「とにかく首相が参拝したのには意義がある」と大絶賛。

  • 2.同日午後四時に発表された[小泉の談話全文]

わが国は明後8月15日に、56回目の終戦記念日を迎えます。21世紀の初頭にあって先の大戦を回顧するとき、私は、粛然たる思いがこみ上げるのを抑えることができません。この大戦で、日本は、わが国民を含め世界の多くの人々に対して、大きな惨禍をもたらしました。とりわけ、アジア近隣諸国に対しては、過去の一時期、誤った国策にもとづく植民地支配と侵略を行い、計り知れぬ惨害と苦痛を強いたのです。それはいまだに、この地の多くの人々の間に、癒しがたい傷痕となって残っています。私はここに、こうしたわが国の悔恨の歴史を虚心に受け止め、戦争犠牲者の方々すべてに対し、深い反省とともに、謹んで哀悼の意を捧げたいと思います。私は、二度とわが国が戦争への道を歩むことがあってはならないと考えています。
私は、あの困難な時代に祖国の未来を信じて戦陣に散っていった方々の御霊(みたま)の前で、今日の日本の平和と繁栄が、その尊い犠牲の上に築かれていることに改めて思いをいたし、年ごとに平和への誓いを新たにしてまいりました。私は、このような私の信念を十分説明すれば、わが国民や近隣諸国の方々にも必ず理解を得られるものと考え、総理就任後も、8月15日に靖国参拝を行いたい旨を表明してきました。
しかし、終戦記念日が近づくにつれて、内外で私の靖国参拝是非論が声高に交わされるようになりました。その中で、国内からのみならず、国外からも、参拝自体の中止を求める声がありました。このような状況の下、終戦記念日における私の靖国参拝が、私の意図とは異なり、国内外の人々に対し、戦争を排し平和を重んずるというわが国の基本的考え方に疑念を抱かせかねないということであるならば、それは決して私の望むところではありません。私はこのような国内外の状況を真摯に受け止め、この際、私自らの決断として、同日の参拝は差し控え、日を選んで参拝を果たしたいと思っています。
総理として一旦行った発言を撤回することは、慙愧の念に堪えません。しかしながら、靖国参拝に対する私の持論は持論としても、現在の私は、幅広い国益を踏まえ、一身を投げ出して内閣総理大臣としての職責を果たし、諸課題の解決にあたらなければならない立場にあります。
私は、状況が許せば、できるだけ早い機会に、中国や韓国の要路の方々と膝を交えて、アジア・太平洋の未来の平和と発展についての意見を交換するとともに、先に述べたような私の信念についてもお話ししたいと考えています。
また、今後の問題として、靖国神社千鳥ケ淵戦没者墓苑に対する国民の思いを尊重しつつも、内外の人々がわだかまりなく追悼の誠を捧げるにはどのようにすればよいか、議論をする必要があると私は考えております。
国民各位におかれては、私の真情を、ご理解賜りますよう切にお願い申し上げます。

長い引用になったが、これまでの首相在任者のものよりも更に自虐的な論調である事が分かる。このような政治思想の持ち主が「保守派政治家」を名乗り、それを信じる支持者はなんと愚かなのだろう。是非こちらのサイトもご覧頂きたい。→

「小泉総理、慙愧の靖國神社参拝の検証」

“小泉信者”のほとんどはこの談話を読んだ事が無いだろう。これを突き付けられても「今までの首相は参拝そのものすらしてこなかっただろ!」と逆ギレする。

「内外の人々がわだかまりなく追悼の誠を捧げるには、どうすればいいか検討する必要がある」との談話を発表し、当時の官房長官福田康夫に私的懇談会を設置させた。それを“小泉信者”に指摘すると「他の政党に任せたらもっと代替施設化が加速してしまうだろ!」と逆ギレ。公明党と連立を組まなけりゃそもそも無宗教の国立追悼施設なんて話は出なかっただろうに。その施設を仕切るのは創価学会だし、共産党社民党にはその発想自体が無かったはずだ。

まあ、あえて言うまでもない事だわな。“小泉信者”にとって、これは既に記憶から抹消されているので(したいので)無視する傾向にあります(笑)。

  • 5.日本に偽造パスポートで入国した金正男をノコノコ返す

もうこの辺りで、小泉の外交センスの欠如、拉致問題についていかに無関心か気付きそうなものだが。ちなみに“小泉信者”は田中真紀子のせいにしています。たしかに「とっとと帰ってもらって!」と叫んだのはあのおばちゃんですが、決断したのは他でも無い、内閣総理大臣だろうに。

  • 6.「米国が日本を旧日本軍から解放してくれた」発言

2001年6月にキャンプデービッドの山荘でブッシュ大統領との会談中にそう語ったという。一国の首相が、祖国の為に戦った英霊をここまで侮辱出来るものなのか。初めてこの発言を知った時、小泉がここまで軽薄な歴史観の持ち主だったとは、と改めて驚いた記憶がある。

意外にこの事を知らない人も多い。ブッシュが訪日した時に、大統領たっての願いを断り、明治神宮に参拝先を変更させてしまった。しかもブッシュの参拝中に小泉は「政教分離に反する」という理由で車の中に縮こまっていたのだとか。アメリカの東京裁判史観を払拭し、日米同盟を確固たるものにする最大のチャンスだったのに!むざむざとこれを放棄した。もうその政治センスの欠如に頭を抱えるしかない。せめてこれが小渕か森だったら、と思わずにはいられなかった。それでも“小泉信者”にとって小泉はまだ「保守派の星」であるらしい。不思議だ。

韓国の竹島領有を主張する切手の発行にはろくな抗議をしないわ、尖閣諸島に不法上陸した中国人を取り調べもせず強制送還するだけ、という弱腰な外交姿勢。日本が侵略されているという認識も無く、ひたすら摩擦を恐れるだけ。ところが“小泉信者”に言わせると「あまり強硬になると戦争になる。小泉の姿勢は賢明だった」と絶賛。国土を侵されて無為無策の政治家を褒め称えるのが保守派かよ。この、インチキ野郎共め。