APPLESEED

このアニメにはさほど興味は無かったけど、学生時代の友人Nがスタッフとして参加していたので、同級生達と川崎のTOHOシネマズに観に行ってきた。そういや皆、CGに絡んだ仕事に就いているな。再来月はその内の一人が参加した「スチームボーイ」を観に行く予定。・・・・・・俺以外、みんなメジャーな仕事をしてるなぁ(汗)。
 
それはそれとして「アップルシード」の感想。
簡潔に言うと、「イノセンス」よりずっと面白い。ちょっとカメラワークが忙しくて目が疲れたが、訳の分からない哲学モドキのセリフに眠たくなる事も無いし、銃撃戦の描写も秀逸で「なぜCMはこのシーンじゃ無くて、マトリックスもどきのアクションシーンばっかりの編集なのかな」と思った。押井じゃなくて、士郎正宗ファンに訴える映像を並べた方が客の入りは良かったんじゃないのかな。と、G.W.なのにガラガラの劇場を見て更にそう思った。ガラガラと言っても初日の「イノセンス」ほどじゃないけど(笑)。エンターテイメントとしてこちらの方がずっと楽しいし、精神的にも健全。一緒に行った友人(押井監督と組んで某潰れた映画のパイロットフィルムを作った事もあるヤツ)は、自分とは真逆の評価だったけど。
 
監督は「ガサラキ」の脚本も書いた荒牧伸志*1の原作の漫画はもう15年以上前に読んだので内容はほとんど覚えていないが、キャラクタの性格やストーリーは相当オリジナルの要素が強い。ネタバレは出来るだけ避けるが、オリンポスを統べる七賢老が人類の未来を信じ、計画を断念した行動は、ガサラキに登場した西田啓というキャラクタを思い出させる。・・・って、ちょっと強引か?だが、究極までに統制化された都市という籠に囲われた人類と、アメリカ式の資本主義にまみれて誇りを失った日本人。その状況に対する怒りを持った人間が登場し、打破しようと足掻く様子は共通点が多いのでは無いか。あと、ちょっとエヴァの「人類補完計画」をも思い出した。そういやガサラキもちょっとエヴァの影響を受けていると、高橋良輔監督自身も言ってたしね。一種のゼノサイド(異種皆殺し)ならぬ、同種皆殺しにネガであるかどうかは全く違うが。そういや「コンピューターに統制された巨大近代都市&VS人間」のガジェットって当時のアニメの流行だったよね、なんて会話をその友人としていた。「メガゾーン23」とか「GRAY」とか。
 
ところでさ、CMのキャッチコピーは「戦いが終わったら、母になりたい」だったんだけど、映画の内容と全く関係無かった。主人公のリュナンがそれに類するセリフを話した事なんて無かったし。適当なコピー付けるな!JAROに訴えるぞ。そんな怒りを「さくら水産 川崎店」でブチ撒けてました。
 

*1:正確には、脚本は野崎透。西田が自害する24話の絵コンテを担当