まとまりのない政治の話

◆北船舶の入港急増 油濁規制 9割保険加入
(http://www.sankei.co.jp/news/051027/morning/27pol003.htm)

無保険船の入港を規制する改正船舶油濁損害賠償保障法が今年三月に施行され、減少傾向だった北朝鮮籍船舶の入港実績が九月に急増したことが二十六日、海上保安庁の調べでわかった。同法改正で北朝鮮船の入港は厳しくなったが、すでに日朝間を航行する北朝鮮籍船舶の九割が保険に加入するなど、北朝鮮側も法改正に対応した動きをみせている。
 
海上保安庁によると、北朝鮮籍船の入港実績は、同法施行前の駆け込みで今年二月に九十五隻だったが、三月には二十九隻に激減し、その後は四十隻台で推移していた。ところが九月には百四十三隻が入港し、昨年九月の百二十三隻を上回る回復ぶりをみせた。日朝関係筋は「九月は北朝鮮マツタケが豊作で、外貨獲得のために貿易を活性化させたのでは」と指摘する。
 
九月に入港した北朝鮮籍船は、大半が改正油濁法の対象外となる百トン未満の船とみられる。対象となる百トン以上の船舶については改正後に減少傾向となったが、北朝鮮側も対応。改正油濁法は、座礁事故や燃料油による油濁損害事故が相次いだため、船主に船体撤去費用などをカバーする保険加入を義務付けた。当初は、外貨に乏しく、老朽化の進む北朝鮮籍船が保険契約を結ぶのは困難とみられたが、ほとんどの北朝鮮籍船はニュージーランドか英国領バミューダ諸島の保険会社二社と契約した。

過去のエントリー「人権擁護法案と油濁法 〜この二つの法案に賛成する人々に共通した病理 その3」
(id:kikori2660:20050713#p1)である程度まとめていますが、これで、北朝鮮船をストップする為には油濁法がザル法であったいう事実が完全に確定しました。そして、小泉応援ブログ「Irregular Expression」の管理人・gori氏が主張してきた「油濁法は経済制裁の一種である」という戯言がまるでデタラメだったどころか、北朝鮮への経済制裁をいつまでも行おうとしない小泉首相への批判をかわす為の悪質なプロパガンダであった事が誰の目にもはっきりと分かったと思います。“STOP THE KOIZUMI”の「世に倦む日日」を叩いている場合じゃないよ、goriさん!*1『「世に倦む日日」の詭弁・デタラメ観察」』とか言う前に、まず自分の無知蒙昧を知り、謝るべきだろう。しかし「ガンバレ"STOP THE KOIZUMI"」というエントリーで当初は余裕を見せていたgoriさん。でも近頃の怒涛のごとく叩き始めたのを見ると、世耕議員からちゃんと潰しとくように叱咤されたのかしらん(笑)。
 
話を戻して、これも何度も紹介している所ですが、2chの議員・選挙板で立てられている小泉応援スレッドのまとめページ「小泉総理は運が強すぎる 〜小泉超ラッキー伝説〜」もかなり悪質なプロパガンダサイトと言えましょう。その中のコンテンツ「船舶油濁損害賠償保障法のまとめ」を改めて眺めてみれば、意図的な嘘、もしくは思い込みの羅列ですね。これは酷い。
 
チーム世耕だか小泉ホロン部かは知りませんが、このようなプロパガンダを流布し、拉致事件解決の足を引っ張った罪は大きい。しかし同時に、拉致問題に関心を寄せながら、このようなマヤカシに引っ掛かって油濁法の成立を喜んていだネット住人にも猛省を促したいと思います。最近「自分は拉致問題に関しては勉強不足ですが、ただひたすら被害者の帰還を願ってます」という類の言い訳で、小泉首相の明らかな不作為と裏切りに目を瞑り、声を挙げようとしない保守系サイトの管理人が目立ってきました。非常に不誠実な態度と言う他は無い。それとも衆院選の小泉自民党大勝利で越が引けてしまったのでしょうか。“拉致問題解決の為に、国民の幅広い支持を得る為”と言い、拉致被害者を見捨てて北朝鮮との国交正常化にひた走ろうとする最も危険な小泉政権を支持し続ける。本当にそれは、真の解決を願う人達なのでしょうか?近頃のネット界隈を見る限りでは「ひょっとしたらこの人は官邸側の工作員なのでは」と疑わざるを得ない、そんな怪しげな動きをしている方が目立ってきました。
 
昔にちらっと読んでエピソードなのでかなりうろ覚えなのですが、元ソ連のスパイが書いた本にこんな一節があったそうです。「ある国の人間をこちら側に引き込む為には、愛と誠実を前面に出してその人間に“自分は良い事をしているのだ”と自覚させる事だ」*2

*1:しかもトラバもさせてくれねーでやんの

*2:いや、ホントにうろ覚えです。ネットで検索しても見つからないんだよなぁ。俺の妄想か?