西村関連報道

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◆西村議員 潔く国会から退場を
(http://www.asahi.com/paper/editorial20070209.html)

弁護士の名義を他人に使わせ、示談交渉も丸投げしながら、報酬だけは受け取っていた。衆院議員の西村真悟被告に対し、大阪地裁は弁護士法違反で有罪判決を言い渡した。 西村被告は昨春に衆院議員辞職の勧告決議を受けながら、居座り続けている。判決後の会見でも議員活動を続けることを明言した。だが、立法府に続いて、司法の場でもレッドカードが出された。潔く国会から退場すべきだ。弁護士資格を持たない人が、報酬を得る目的で示談交渉などの法律事務をすることを弁護士法は「非弁行為」として禁じている。西村被告の名義貸しを、そうした違法行為への幇助(ほうじょ)にあたる、として検察側は起訴した。判決は「単に非弁行為を助けたのにとどまらず、自らの利益のために非弁行為を継続的に利用した面がある」として、西村被告を非弁行為の共同正犯と認定した。不正に深くかかわり、報酬も6年間に1500万円を超えている。実態を踏まえた妥当な結論だろう。この裁判にはもう一つ争点があった。犯罪の収益を受け取ることを禁じた組織的犯罪処罰法の違反にあたるかどうかというものだ。検察は同法違反でも起訴しているが、こちらは無罪になった。弁護士法違反の共同正犯として処罰すれば事足りるという理屈で、納得できる。有罪判決が言い渡されたとはいえ、執行猶予がついている。このため、たとえこの判決が確定しても国会議員を自動的に失職するわけではない。実刑も覚悟していたという西村被告は会見で「ほっとした」と本音を口にした。それほど議員のいすにとどまろうとする理由として北朝鮮による拉致問題を挙げた。たしかに拉致問題に先鞭(せんべん)をつけ、被害者救出に乗り出した功績は小さくない。だが、有罪判決を受けた人物が、そのけじめもつけずに関(かか)わり続けることが、救出活動にプラスに働くとは思えない。国民の反感を招くようでは、活動そのものに水を差すことにもなるだろう。衆院で当選5回を数える西村被告だが、そのうち最近3回の選挙は、弁護士法違反に手を染めてから発覚するまでの期間にあたっている。違法行為を隠して議員職を続けたことは、有権者に対する裏切りと言うほかない。西村被告はその言動で数々の物議をかもしてきた。日中双方が領有権を主張している尖閣諸島に上陸。日本の核武装の検討を唱えて防衛政務次官を辞任したこともある。テロ行為を実行して会長らが摘発された刀剣愛好家団体の最高顧問を務めてもいた。開き直るような発言を繰り返して居座ってきたが、それで済むはずがない。まず辞職し、さらに議員活動を続けたいのなら、選挙で有権者の審判を仰ぐのが筋だろう。拉致問題の解決を図るうえで欠かせない人材だと認められれば、再び国会に送り出してもらえるはずだ。