ニコ動と著作権の問題

ニコ動のプレミアム会員になった。といっても全然その利点が感じられない。せいぜい、動画にアマゾンアソシエイトを使って好きな商品を貼れるだけだ。……ところで、これで稼いだポイントは一体誰に還元されてるんだろう?少なくとも、その投稿者でなく、もちろん権利者にも行き渡ってはいないんだろうな。
 
アニメ製作者が、アニメの違法アップロード&ニワンゴに問題提起
 
まあ、この制作者の言ってる事は極めて正論だわな。それに対して「アニメ業界の体質の方を変えろ」「つまんないアニメ作りやがって」という文句はまた別の次元の話だろう、と。このWEBラジオを最後までよく聞くと、アップロードの文化そのものを否定しているわけじゃないし、ニワンゴの対応への批判だけでなく、広告代理店を代表とする業界に対する苦言(多分に諦念が入ってはいるが)も呈しているように思える。
 
それはその通りで、作る人間が居なくなりゃ、利益を吸い上げる側もユーザーも困るわけで。と言いつつも、自分もニコ動を存分に楽しませて貰っている。
 
今日なんかは、自分が関わったゲームのムービーをアップしつつ、ニコ動市場に商品を追加してたし(苦笑)。一度観たら終わり、のアニメとは違って、商品そのものではないゲームの場合はそこまでの切迫感は無く、使いようによっては非常な武器になっていると感じる。特になんのCMも打って貰えない弱小ゲーム会社にとっちゃね。それに、やっぱり何の反応も無いより、ああやってコメントをダーっと入れて貰った時の快感も気持ち良いし。ユーザーの一員としても、この芽生え掛けた視聴文化を消して欲しく無いな。あるゲームでOPムービーを作った同僚なんかは「なんで俺の公式ムービーよりもMADの方が再生数が多いんだよ!?」なんて冗談めかして言っているけど。
 
だからこそ、ひろゆき2ちゃんねる運営のスタンスをそのまま体現したような、ニワンゴの体質はさすがにマズいんじゃないの。明日突然、ニコ動が潰されちゃったっておかしくないよ。全てはアニメ関連の動画とは言わないけれど、紛いなりにも自分の文章を綴る掲示板とは違って、言葉は悪いけど“所詮は寄生”で成り立っているわけだから。MADの存在価値を否定するわけじゃないけど(自分も楽しんでるし)、元となるアニメやゲームが無けりゃ、そもそも存在出来ないだろうと。「ただ場を提供しているだけ」という言い訳がいつまで通用すると思ってるのかな?
 
逆に考えると、その新しい視聴文化を発展(はってん、を素で変換したら“ハッテン”がいきなり出てきてショックorz)させて、制作者に還元させる仕組みは作れないものなのかね。WFみたいに当日版権ならぬMAD版権を作るとか。yahooムービーやGYAO!みたいに動画の前後に無理矢理広告を突っ込むとか。業界に突っつかれる前にニワンゴ自身が還元する仕組みを作るべきだろう。
 
というか、ニコ動の「プレミアム」会員なんて言ってるけど、実はノーマル会員のサービスをどんどん不便にしていって、本当は徐々に全ての会員を有料にしようとしてるんじゃないの?そこからテレビ業界を引っくり返していくような、新しいビジネスモデルを作ろうとしているのなら応援しなくも無いんだけど、これまでのスタンスを見る限りだとどうもそんな事はちっとも考えてなさそうだ。
 
MIAUとかいう権利団体が発足して「ダウンロード規制に反対!」などという活動を色々やろうとしているようだけど「文化の停滞の危機」を訴えるだけでは、結局上手く行かないだろう。自分達も加害者側に立っているという側面もあるわけだから。“政治”の世界まで巻き込むつもりなら、“お金”の方面で動かしてもらわないと。
 
それはさておき……。

装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ」のOPやEDが早速アップされているが、本編まではアップされていないところがギリギリの自制心を感じさせるね。願わくばボトムズ野郎には本当の最低野郎になって欲しくない。気が付くと「本編はDVDを買おう」というメッセージが目立つな。