異能者と異能生存体

ペールゼン・ファイルズ3巻をじっくり鑑賞。

ううむ。2巻が個人的にイマイチだったので「もうDVDも通常版でいいや」と思っていたけどなかなかどうして。派手なAT戦こそ無かったけど、長年のボトムズファンにとっては、同じだけの期間、抱き続けてきた疑問が氷解した事だろう。氷解というか、実は単なる後付け設定を整理しただけなんだけど、それはそれ。ボトムズでそれを問うても仕様が無いんで(笑)。
 
以下はネタバレ。
 
以前から、ボトムズワールドにおける「異能者と異能生存体はどう違うの?」という疑問は多かった。
 
Armored Homepage」のボトムズ辞典によると、
◆異能者

アストラギウス歴4000年ごろ、機械文明の発達が頂点に達したクエント星の人類に発生した一種のミュータント。日常会話に超高速言語を用いるほどコンピュータとの適性が高く、反射神経が極度に発達していることが特徴。肉体的にも強靱で、常人の数倍の回復力を有していた。また闘争を重んじ、他者への支配を渇望したと言われる。

◆異能生存体

ヨラン・ペールゼンが発見・提唱した特異個体。ペールゼンによれば異能者は遺伝子に潜む未知なる因子の作用によって、殆ど不死身に近い異常な生命力を発揮する。それはあらゆる種において発生しうるが、発生確率が極めて低く、またその能力も判別し難い性質であるため、これまで発見されなかったという。

とあり、管理人の方が

備考: 「主人公は死なない」という不文律の根拠を遺伝子という部分に求めた世紀の大発見。発見された本人がそのことをどう認識していたかは不明。また、異能者との関係も不明である。恐らく異能者と異能生存体は同じものと解釈するのが妥当であろうが、劇中にも、その他の資料にもハッキリと言及した言及がないので、本稿では一応別のものとして扱っている。

と述べている通り、オフィシャルでもこれまでこの二つの違いについて、ハッキリ言及されてこなかった。
 
しかし、今回の巻で分かったのは、バーコフ分隊メンバーの全員が「キリコと同じ、驚異的な生存率を誇る異能生存体」であり、「異能生存体とは異能者候補である」という事。
 
ペールゼンの衝撃告白、キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! 
なんと、ペールゼンは異能者の存在を知っていたのだ!後付けにも程があるけど!!
 
 
でも良いんだよ、面白ければ。ただ、ペールゼンは若かりし頃、ワイズマンのプラントに潜入して破壊工作(?)を行った描写が「野望のルーツ」でもされていたし(と言いつつも、劇中では具体的な説明は無いし、そこで培養されていた赤ん坊がキリコだという確証も無い)、アストラギウス銀河を支配する何者かの存在は知っていたとしてもおかしくはない。具体的にワイズマンの存在を知らなくとも、異能生存体の研究を進める上で3千年前のクエントの歴史を調べる内に、異能者の存在を突き止めたという事も有り得る。ただ、ペールゼンにとっては、異能生存体の究極体こそが異能者、という認識なのかもしれないけど。
  
だから、ひょっとしたら「野望のルーツ」の不透明な設定は、こうして続編(ペールゼンファイルズ)を作る事になった時にデッチ上げられる対応出来るように、あえてボカしていたのかもしれないな。