エセ保守監視小屋

http://esehoshuwatch.hp.infoseek.co.jp/
保守派からハブにされている小林よしのり西部邁をバッシングしているサイトです。TBS系のラジオやテレ朝のワイドショーなどに出演した際の音声ファイルがあるので、皆さん聞いてみて下さい。
 
昔、西村塾東京支部の公開イベントを行った時に、西村眞悟との対談の為に小林氏を招いた事があるけど、あの時以上に最近の発言はおかしくなっているように思える。一つの意見として「日本はアメリカのポチになるな」という主張は認めるけれども、北朝鮮に拉致された被害者家族とそれを支持する世論を叩き出した頃から、どうもサヨク*1的な言説が増えてきている。この時は「北朝鮮に対して日本国民が一斉に怒りの目を向ける事、被害者家族の行動に対して異論を許さない今の日本の世論」を叩いていたくせに、4月21日のテレ朝の番組では「被害者の自作自演や家族の行動を疑う”異様なバッシング”に”反感を持ったり、”怒りを感じている”」などと言う。これぞ、小林氏が普段アメリカを叩く根拠としている「ダブルスタンダード」であり、慰安婦サヨクが振り回す「弱者権力」*2ではないのか。小林氏の最近の出演先を見てみても、左翼勢力に取り込まれてしまっているように見受けられる。
 
小林氏にとって、インターネットにおける意見も批判の対象のようです。でもね、本を媒体にした自分の意見が二週間のタイムラグがあるからと言って、それが練りに練られた冷静な意見であるという根拠には全くならないし、正しいというわけでも無いだろう。そもそも一旦入稿してしまえば、刷られて発売するまでの時間が掛かるというだけで、条件はネットと同じ。お手軽に情報を発信できる事と、その中身が伴っていない事は本来別な問題であるはずだ。まあ、言ってみれば小林氏のそれは一種の「選民思想」ではないか。
 
この物言いに既視感を覚えたので、色々調べてみたら浅田彰という言論人も同じような事を言っているようだ。
(http://dw.diamond.ne.jp/yukoku_hodan/20040416/index.html)

筑紫哲也がネットの掲示板は「便所の落書き」だと言ったときも、「便所の落書き」で何が悪い、そもそもジャーナリズムというのはそういうところから発生してくるものじゃないか、と。ただ、そういう場所ではあくまでマイノリティとして──いわばマイノリティとしての矜持をもって発言すべきでしょ。ところが、自分があたかも政府高官かなんかになったかのような誇大妄想に駆られて、やたらと「国益」なんかを論じたがるやつが多い。
(略)
そうやって「自己責任」を振り回すヤツが、自分の発言に「自己責任」を取るかというと、反論の届かない安全地帯から匿名で言いたい放題を言ってるだけなんだけどね。

所謂、進歩系知識人が自分の発言に責任を取ったのを一度たりとも見た事なんてないけどね。(ヨーロッパ留学中に北朝鮮に拉致された有本恵子さんの事件を)北朝鮮の問題である以上に赤軍の問題、と言ってのけてしまう感性にも呆れてしまう。お前達は俺とは違う、ただのシロートなんだ、という思い上がりが垣間見える。
 
分かってねーな。
今回の事件で噴出したのは、”日本の右傾化”でも”前近代のムラ社会”でも無い。進歩系知識人やサヨク系マスコミが垂れ流した人質同情論と、それをトコトン利用して大衆を扇動し、己の政治的目的を果そうとしたえげつないやり口にウンザリした「サイレント・マジョリティ」の怒りだ。もうお前達なんかには、世論を動かす力は無いし、その果実もくれてもやらねぇ。
 
ただ塾の中には、西部邁のファンで「発言者」を創刊当時から読んでる人間もいて、二年ほど前から保守論壇で続いている、小林よしのり西部邁VS西尾幹二田久保忠衛の「反米親米論争」についての意見は様々に分かれているという事実だけは申し上げておきます。
 
最後は、昨日の産経新聞に載っていた曽根綾子さんのコラムより。

新聞の多くは身代金の額について触れていないので、日本人の中には、イラク側が「善意」だけで3人を返したと思っている人がいる。
人質たちは、自分たちがイラクのために働いていたので、拘束したのは間違いだと分かって返してくれたと思っているだろう。
こういう甘さは早く取り除かねばならない。
上村司臨時大使が、17日、イラクイスラム聖職者教会のクベイシ師と会って2人のジャーナリストの引渡しを受けた時、感謝を伝えたはずの川口外相の談話に不満が述べられたという。それは礼金がまだ支払われていないか、額が少な過ぎるということだ。すべての関係は婉曲な言葉と現実的な金、という二重構造になっているのがアラブの文化だから、現実的には5人は日本政府の出した金(つまり税金)で贖(あがな)われて帰って来たのである。

少しでも想像力を働かせれば、あの人質解放の際に日本政府が聖職者教会に身代金か何かしらの便宜を計ったのは明らかなのである。それに気付かず「イラクに善意でやってきている人間だから解放した」と本気で発言している進歩系知識人とやらは、一般人以下の脳みそしか無いのである。
 

*1:小林よしのり自身の造語。戦後民主主義的で、明確に共産主義者を標榜しないものの、左翼よりの政治思想を持つ人間を揶揄する言葉

*2:これも小林氏の造語。”従軍慰安婦問題”で揉めている時に作った