田舎モンの痛烈な返礼

おとなり日記id:hiepita:20041106#p1さん経由で。
唐沢俊一の裏モノ日記、11月4日

リベラルカルト、って言葉があるが、今回の選挙結果をネオコン原理主義者たちによる悪の陰謀説で無理矢理自分に納得させようとしているサイトがいくつか目についたのが 気になった。例えばユダヤの陰謀を信じ込む心理とこれはまったく同一であることに気がつかないのか。つかないのだろう。人間の心などというのは所詮、その程度に弱いものだ。

いきなり痛烈な一撃。町山ブログのコメント欄に“実はケリーが勝っている”なんて言い出すイタタな人もいるしな。

一番ヒドイと思ったのは、ケリー支持=都市部中心、ブッシュ支持=地方中心というデータを受けての、農村地帯批判が盛り上がっていること。無知な田舎の牛飼いや 農耕者には投票権などやらずに、教養ある都市圏の人間だけで大統領を選出し、世界を動かしていこうということか。思わず苦笑する。教養人という人たちは、やはりホンネのところでは民主主義がお嫌いらしい。あんたがたのそういうホンネを敏感に感じ取った人々が、唯一の自分たちの武器である一票を有効に使ったことによって、ケリーは敗北を喫したのである。ブッシュに再選を果たさせたのは、マイケル・ムーアを先頭に、ブッシュを(その支持者を)バカバカバカと言い続けてきた(いや、言う ことの快感に酔っていた)反ブッシュの人々の、その態度なのだ。彼らが食べる小麦も、大豆も、牛肉も、みんな地方の田舎者が作っている。それらを飽食しながら自分たちを啓蒙しようとする奢った文化人たちへの、今回の選挙結果は痛烈な返礼だ。

俺がこれまで言いたかった事を実に簡潔にまとめてくれている。こんな州ごとの投票動向と平均IQ表がネットで発表され、それを喜んで見ている反ブッシュ=リベラルカルトが支持されるわけがないんだよな。それに気付かない自称“弱者の味方”ほど見苦しいものはない。
 
選挙で勝つ為には、政策論争や宗教思想的な団結が必要で、重大な要素であるのは確かだ。何度か選挙に参加した経験から言わせてもらうなら、地元レベルの、有権者一人一人と密接した地道なコミュニケーションを築き上げる努力無しに勝とうだなんて虫が良過ぎる。どうして自民党創価学会が選挙にあんなに強いかを考えてみた方が良い。これは米・民主党だけじゃなくて日本の民主党が何故勝てないのか?という疑問への答えにもなるハズだ。ブッシュの選挙参謀カール・ローブが勝つ為の戦略を練り、陣営はそれを忠実に実行したに過ぎないのだ。アメリカの選挙の事は正直良く分からないが、選挙事務所から支給されるピザには100セントコインの一枚や二枚ぐらい入ってんだろ。アメリカの選挙は日本と比べて純粋で素晴らしいものである、だなんて単なる思い込みじゃねーの?