米大統領選をどう見るか

大統領選の終了を機に、リフレッシュ期間に入る事を宣言したむなぐるま氏。この方のブログは非常に勉強になりました。
http://munaguruma.blogs.com/jp/2004/11/post_9.html#more

ブッシュ支持者には宗教的に穏健な人も多いし、有権者がブッシュ氏支持に回ったのは宗教だけではありません。また、ドブ板選挙的な選挙戦術の優劣も分析しなければいけないでしょう。もうひとつ、上のような大雑把な表現により、二つの立場の感情的な反発が増すことになるとは思いませんか? コメントのなかにあったBBCの調査では、「マイケル・ムーアのような奴に誰に投票するか言われたくない」というのもありましたね。たぶんこれからヨーロッパやアメリ東海岸の新聞を中心に、「福音派のおかげで勝った選挙」というレッテル貼りをする人々が出てくると思います。私はそのような新聞記事には何か別の動機があるのではと疑っています。また、ブッシュ氏に投票した51%の人達は、こういうのを読んで、「ヨーロッパのメディアやアメリカのリベラル・エリートがまたアメリカを曲解している」と思うのではないでしょうか。そういうのは誤解を深めるだけなのではないか、と思うのですが。また、今回の選挙における「福音派」の影響力をメディアが強調すればするほど、「福音派」の力の幻影というのが大きくなっていって、結果として「福音派」を利するということもあるのではないでしょうか。それは町山さんの望むところではないでしょう。

今日の産経新聞に、古森義久氏の「緯度経度 ハーバード大学の『政治偏向』」というコラムに、保守派共和党支持者のルース・ワイズという女性教授の話が載っていた。ハーバードを含む名門大学は民主党支持のリベラル傾斜が酷く、保守派である事を明言する助教授・講師は圧力を加えられる事が多いという。続けて次のような意見を述べたそうだ。

「この大学には行政大学院などという現実の政治を教える部門があるのですから、教える側も政治の現実を客観的に反映することが大切です。なのに教職員はリベラル偏向、反保守が圧倒的に多く、その偏向が大学全体のイデオロギー的圧力や知的威迫となって異論を許さない空気を生んでいるのです」

ブッシュ大統領の魅力の一つはこの種の知的威迫にはなんの影響も受けない点です(でもこれって、ブッシュがアホって事だよな(笑))。同大統領が米国の力を強く保とうと最大の努力をしてることも私の支持の理由です。なのにハーバード大学でが私のリベラル派の賢い同僚たちは軍や軍事力を忌避して、自国を弱くすることに努めているのです」

ハーバード大学のこうした政治偏向の実態は日本の人たちにもぜひ知ってもらいたいです。現実の米国社会ではリベラル派より保守派がずっと多いのですから」

・・・・・・。うーん、ブッシュに投票した人々の声を集めてみるととだ、宗教の倫理観だけじゃなくて左傾インテリ連中や左翼マスコミの煽りに動じず、その胡散臭さをちゃんと見抜いていた多くの一般市民がケリーにNOを突き付けたんだと思うよ。ムーアや町山氏には分かり易い敵が必要なのかもしれないが、bakuhatugoro氏やkagami氏、むなぐるま氏の指摘の通りゆくゆくは自分の首を締めるだけの結果に終わりそうな気がするんだわ。ダン・ラザーのブッシュ軍歴批判捏造メモ事件で盛り上がったあの保守系ブロガー達の騒ぎは、左翼政党・民主党批判で賑わう2chの政治系板の祭りを思い出す。日本でもアメリカでも、マスコミや芸能界が“反権力”である時代は終わって、もうただの権力の一部に成り下がってしまっている事に早く気付いた方が良い。同時に、それにすがる憐れな己の姿に。
 
現在の保守とは、新しい“反権力”の側面もあるのだよ。