似非マッチョ系サヨク?

「「不敬」であるのは誰か?」
「昭和天皇は何を詠ったか?」
「天皇制のあり方」

ちなみに現在、A級戦犯のような単なる「氏子」」を擁護し、神道における「最高祭司」たる天皇の決断を批判する、「不敬」の輩は確実に増加しつつある。小泉純一郎は参拝しないことを「死者にムチ打つ行為であり、日本人には馴染まない」として間接的批判を、石原慎太郎に至っては「天皇は参拝すべき」と直接的批判を行っている。「日本=天皇」という保守派の図式からすればなぜ、こういう人たちが「保守派」を名乗れるのか、名乗ることを許されているのか、僕には想像もつかないのだけれども。

そろそろ宮台真司あたりの名前が出てくるかなと思えば、案の定。再び若いモンにチヤホヤされた〜いとばかりに小林よしのりの美味しいところをパクってみたり、「実は俺、学生時代は空手に燃えていたんだぜ!」と体育会系を気取ってみたり。そんな頼れるオヤジを目指してみたものの、結局オヤジらしいところと言えば若ハゲが実質ハゲになってしまったところだけだったりして。そんな“天皇制”をダシにするしかない旧・左翼系オヤジの悲哀がこのエントリーから散見されます。ぐちゃぐちゃ書き連ねたものの、言いたいところはとどのつまり「中国・朝鮮様の仰せの通りに首相は靖国参拝をするべきではない!」という定番の、中身のうっすーいモンでしかない。
 
で、このエントリーに対して早速コメント欄にツッコミが入る。

昭和天皇に対して参拝すべきであると言ったなら不敬であると言えなくもないですが、少なくとも今上天皇陛下に関して言えば「政治問題を避けるために」参拝を見送っておられるのが現状だと思うのですが。

ここの管理人は、秦郁彦教授の本を引っ張って「昭和天皇A級戦犯の合祀に反対してその後の参拝を止めた」→「昭和天皇東京裁判史観を受け入れている」→「だから(東京裁判史観に反対する)保守派が天皇に参拝せよなどと言うのは“不敬”だ」という話の展開をしていたのだから、「今上(現在即位されている)天皇は別な話じゃない?」という当然の指摘で論理矛盾が明らかになったのだからこれでチョン、のはずなのだが続けてこう強弁する。

(追記)
ちなみに。平和主義で知られるクエーカー教徒でもあったエリザベス・バイニング女史の薫陶を受けて育った今上天皇に、靖国参拝を期待するのはさらに望み薄だと個人的には思うので、あの「米長邦夫」のように恥をかきたくなければ、保守派はこの問題については口をつぐんでいた方が利口なのではないか。まあ余計なお世話かもしれないが。

大慌てで補足してみたものの、言っている事は「平和主義のクエーカー教徒が家庭教師だったんだから、今上天皇東京裁判史観に賛成しているに決まってるじゃん!」という顔を覆いたくなるような論理飛躍。すると何ですか、クエーカー教徒が皇室に出入りして皇太子の時代から地道に東京裁判史観に染まるよう洗脳していたわけですか。うわー「正論」も「諸君!」もドびっくりの事実。ざっくりとネットで調べただけだけど、「絶対平和主義」を唱え、良心的兵役拒否をするらしいじゃん。でもそんな彼らも東京裁判史観の持ち主だったわけだね!へー。でもとりあえず「今上天皇東京裁判史観に賛成している」と言いたいなら、クエーカー教徒に先の戦争についての公式見解とエリザベス・バイニング女史がそういう教育をしたのかどうか確認してからじゃないと失礼じゃなかろうか。むしろ、アンチとはいえ天皇を利用するながらのサヨクの手法はそのまま、本に書いてある都合の良いところをつまみ食いしただけで浅い知識がバレて結局恥をかくんだから口をつぐんでいた方が利口なのではないか。まあ余計なお世話かもしれないが。

「やすらけき 世を祈りしも いまだならず くやしくもあるか きざしみゆれど」

この和歌の解釈についても、さんざ“A級戦犯を合祀したのだから靖国参拝を断念したのだ”と関連性を強調しておきながら、“「やすらけき世」=「靖国」→よって天皇靖国参拝に未練があるのだ、といった解釈が流布していることについても、それも合祀賛成派による全くの手前味噌的俗説であり、天皇は単に平和への願いを詠っただけだと切り捨てている。”という我田引水するほどの厚かましさは俺には無いね。「昭和天皇陛下に近しい侍従次長様がそうおっしゃっているのであ〜る」とか言うんだろうか。いかんよ、論の補強の為に皇室(じゃないけど)を利用しては(苦笑)。

にもかかわらず、特に保守派は「女系は是か非か」という神学論争に現を抜かすばかりで、「守るべきものが消えてなくなるかもしれない」という危機意識があまり見えてこない。保守派の「鈍感さ」は端から見ていて心配になる。

その論点から導き出される結論には軽く無視をしておくが、その“保守は「鈍感さ」”についてはある程度同感するけどね。西尾幹二のブログに期待しておこう。
 
それはおいておいて、GHQの要人の中にクエーカー派の人もいて日本国憲法の制定(平和主義、戦争放棄)に少なからず影響があったのではないかという指摘もネット上で見られるが、それが即、東京裁判史観受け入れ=A級戦犯合祀反対に繋がるという証明には相変わらず全くなっていないね。また近頃左翼の間で目立つ論調に「サンフランシスコ講和条約を結び東京裁判を受諾したのだから、A級戦犯靖国神社で祭られる資格は無い。それを否定するなら戦後日本の繁栄も日米同盟も否定せねばならない」式のものがある。
 
例えば元・中江要介元駐中国大使(バリバリのチャイナスクール「自主外交を怠った50年」とか。ここのトップページに行けば分かるけど、日本労働党のサイトだったりするんだけどね。おい、朝鮮労働党の日本支部かよ、と(笑)。日米安保を分断して朝鮮半島を統一するには何でも利用するのかって感じだけど、当のアメリカはどー思ってんのか、果たしてA級戦犯合祀に反対しているのかと思えばこちら。日米同盟を推し進める政治学の第一人者と言えば片岡鉄哉氏の論文。保守論壇誌ではかなり有名な話でもある。
「苛立ったアメリカ」

ここで話を小泉総理とブッシュ大統領に戻します。総理は靖国参拝を「前倒し」という形で部分的に妥協しながらも、参拝の原則を守ったのです。これをブッシュ大統領は見ていました。そして翌年、〇二年二月に小泉応援のために来日しました。国会の演説では改革の推進を全面的に支持し、同時に、総理を政治的に応援するために一緒に靖国に参拝しようと持ちかけたわけです。だが、その時には既に小泉・青木派ができていたからでしょうか、総理は断ります。
  
そこでブッシュが明治神宮流鏑馬を見たいというので、総理は一緒に出かけたのですが、自分は車から出るわけにはいかないと称して、大統領を一人ぼっちで参観させたわけです。その後、急激に悪化した日米関係の視点から振り返って見ると、どうしてあの時に総理が靖国に行く勇断に欠けたのか残念でなりません。

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あーあ、どうしようもない馬鹿首相。お前は一体何をどうしたかったんだ。日米同盟を確固たるものとする為に、これ以上のチャンスが果たしてあるのだろうか。千載一遇どころが千億一遇の契機をみすみす手放す愚かさ。俺は小泉靖国参拝は反対だよ。そこだけはサヨクと一緒。このエピソードを見れば「なんだ、結局は首相になる為に遺族会の票が欲しかっただけか」というのが丸分かりだもの。既に靖国問題に関しては、小泉は中国・韓国に屈しているのです。それに気付かない子鼠信者は恥ずかしげもなく、こんな事をのたまっている。このエピソードは小泉信者にとってかなり都合の悪いもののようですね(笑)。まあ、任期終了間際の終戦記念日に最後っ屁とばかりに電撃的参拝なんかやりそうだよな。