海峡と半島と日本問題

finalventさんのエントリー「米国は台湾への軍事支援を強化してきている」より。
台湾と北朝鮮問題は一心同体、片方で動乱が起きれば必ず波及するだろう。その意味では台湾の民進党が立法委員選挙で野党に勝てなかった事は非常に残念な結果だった。2008年の北京オリンピック開催前に、台湾“国”民の意志を示す最大のチャンスをみすみす逃してしまった。
 
人でも国家の交渉事でも、決して逃してはならないチャンスがあるのだと思う。横田めぐみさんの偽遺骨問題にしても、本来は怒るべきところがかなりズレているが*1、国会議員を鼓舞する為に、やる気の無い日本国首相や金正日にプレッシャーを与える為に、アンケートなんていくらでも利用すりゃいい。だから「家族会が経済制裁を主張する為に恣意的にアンケート結果を使おうとしてる」という主張をするがごときの「Irregular Expression」のような論調は無視していればよい。あったりめーじゃん!家族会はボランティアで世論調査をやってるワケじゃないんだからな。家族会がこんな“政治運動”をやらねばならない事態こそがおかしいんだ!
 
この自称保守ブログに引き摺られる形で「来年3月には般船舶油濁損害賠償保障法が改正されて事実上の制裁措置が採られる、だから性急な経済制裁を煽るな」という意見がここ数ヶ月の間ネット上に蔓延っている。既にこの日記で述べた通り、その改正は単純に海難事故の補償問題対策の為に行われたものであって、北朝鮮に対する制裁ではないし、抜け道はいくらでも想定出来る。新潟港にやってくる万景峰号に対して、安全性検査である「ポートステートコントロール(PSC)」を導入したが、その後万景峰号が来なくなったのかと言われればご存知の通り。こうした小手先の対応ではまた北朝鮮の船がやってくるからこそ、特定船舶入港禁止法案が拉致議連によって作られたというのに*2「この人たちは国会議員の集まりの割に改正一般船舶油濁損害賠償保障法の事は知らないのだろうか?」などとよくも恥ずかしげもなく抜かせるもんだと呆れ返ったよ。つーか、皆さんこのブログに簡単に騙され過ぎです。小泉を批判した西尾幹二を“ソースロンリダング”だとバッシングしておきながら、「産経新聞は、経済制裁は最高レベルからやるべきという主張の為に捏造報道をした」という脳内ソースで小泉を擁護する。かなり性質が悪いと思うんだが、どーよ?
 
仮にだ、その油濁法改正が事実上の制裁になる、非常に効果的な圧力だというのなら必死で止めなきゃならないだろう?小泉信者なら。「テロなどに対応する国内法が整備されてない。中韓などの協力が得られていないから効果が無い」として経済制裁に反対してきたのなら、その油濁法改正に反対しなきゃ論理矛盾になる。自然発動だろうと首相の命令で発動しようと大ダメージを与えるものなら、それを受ける側にとってはどちらだろうが関係無く、圧力に変わりないのだから。
 
結論

特定船舶入港禁止法案などの明確な意志をもった制裁でなければ、結局のところ効果が無く圧力には成り得ない。油濁法改正があるから、経済制裁は必要無いという意見は既に否定され尽くした論理であり、今更これを主張するのは左翼と北に篭絡された小泉を応援する支持者達だけである。

あ、チャンスの話だったっけか。今、北朝鮮のあまりに誠意の無い態度(北にそれを求めるのは八百屋で魚を求めるようなもんか)に沸き立つ世論を利用でもなんでもして政治家達のケツを蹴り飛ばさなきゃ、事態は何時まで経っても前に進まないってこった!
 

*1:当たり前だ。北朝鮮の、彼女を生きて日本に帰そうとしないやり口に怒るべきであって、本当に殺して本物の遺骨を返還したら「拉致問題の解決」と言うのだろうか?

*2:id:kikori2660:20041219#p4 を参勝のこと