安倍晋三の敵は安倍内閣?

◆佐藤 健の溶解する日本「うっかりしてたのは安倍ちゃんじゃないの?>松岡利勝農水相
(http://blog.satohs.jp/200609/article_210.html)

松岡利勝といえばバリバリの農水属はばらまき野郎ですよ、しかも鈴木宗男の子分ときてる。党三役や組閣人事を河口湖の別荘で誰にも会わずに考えたというんだが、誰にも会わなかったけど森喜朗中川秀直とは間断なく電話でやり取りした結果、そんな人事じゃないかよ。

サヨク系新聞なんかは論功行賞だ、などとと言ってこの人事を揶揄しているけれども、それ以前に安倍ちゃんに内閣人事を独断で決められる権限があったのか、という素朴な疑問。それについて触れている人はあまり多くない気がする。特に森なんかは、当時の病に倒れた小渕総理の後を継いだ際のプロセスが不透明で「密室談合」である、という批判を痛いほどに体験していたから、安倍に知恵を授けたのではないかという予想も成り立つ。そのせめてものプチ反抗が、前参与の中山恭子さんの首相補佐官就任なのだろう。最強の布陣、とは言われるものの、彼女にどれほどの権限が付与されているのか。これがよく分からない。官邸機能の強化、というからには場合によっては官僚や党とガンガンやり合う覚悟が必要だが、その気構えが自由な組閣も為し得なかった安倍首相に出来るのか。そこが現在問われているのだと思う。
 
◆荒木和博BLOG「拉致担当大臣」
(http://araki.way-nifty.com/araki/2006/09/post_dc00.html)

もう誰にするかは決っているのだろうが、安倍政権では拉致担当大臣、ないしそれに次ぐポストができるという。拉致問題重視という意味では画期的なことだが、無任所大臣で担当しても手足がないのだから、そのままでは「拉致担当大臣」ではなく「家族担当大臣」になってしまうのではないか。もし、私が自民党の役員で拉致問題の解決に熱心でないか、あるいは北朝鮮と裏取引をしようとしているとすれば、人当りの良い、家族に信頼されそうな人材を大臣に任命し家族会を慰撫しておいて、表面上はやっているポーズを見せ、裏で別の動きをすると思う。そうしないためには全ての拉致被害者を救出すること、日本主導で帰国者やその日本人妻問題を含むすべての北朝鮮人権問題の解決を進めることを、世論の側が常に政府に対して言い続け、風を起こしていくことが必要である。それが安倍さんへの応援にもなるはずだ。本当なら拉致問題の担当大臣は防衛庁長官との兼務が最も望ましいと思うのだが。

結構、痛烈な批判ですよね“家族担当大臣”って。文章を読んでお分かりにように、安倍さんを批判しているわけじゃなくて、むしろ応援している。しかし、その裏でうごめく連中の動きを警戒しておられる。
 
さて、その安倍総理所信表明演説の全文の一部を抜粋。
◆第165回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説
(http://www.kantei.go.jp/jp/abespeech/2006/09/29syosin.html)

拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化はありえません。拉致問題に関する総合的な対策を推進するため、私を本部長とする拉致問題対策本部を設置し、専任の事務局を置くことといたしました。対話と圧力の方針の下、引き続き、拉致被害者が全員生存しているとの前提に立って、すべての拉致被害者の生還を強く求めていきます。核・ミサイル問題については、日米の緊密な連携を図りつつ、6者会合を活用して解決を目指します。

やっと「拉致被害者が全員生存しているとの前提」という当たり前の認識を聞く事が出来た。小泉政権は退陣までずっと北朝鮮に対し「拉致被害者の生死を明らかにせよ」「横田めぐみさんの遺骨と言っていたものが偽物だった理由を述べよ」をいう態度を取っていた。取り様によっては、非常に危険なメッセージを送り続けてきた。そして「拉致問題の解決とは何か?」という国会質問が行われても、ほとんどの特定失踪者は拉致被害者とは認められず、拉致問題埒外に置かれていたという異常事態であった。
 
拉致問題の解決とは何か?
(id:kikori2660:20051011#p1)

先月開催されて大失敗に終わった六者協議、そしてこれまでの対北朝鮮外交政策から判断するに、小泉政権拉致被害者を見捨てて、“国交”正常化にひた走る危険性は更に高まってきた。このムービーの中の質問でも取り上げられている通り、小泉政権拉致被害者家族に嘘の死亡情報を伝えてでも、それを成し遂げようとした前科を持っている。

 
◆「特定失踪者問題も究明」 安倍氏、都内講演で
(id:kikori2660:20060830#1156914662)

安倍晋三官房長官は28日、都内で講演し、北朝鮮による日本人拉致事件について「日本が(拉致)認定をしている方々以外にも、自分の子供が拉致されたかもしれないという方々もいる。そういう方々も含めて真相を究明していきたい」と述べ、政府が認定している11件16人以外でも拉致の疑いのある事案については積極的に真相究明に取り組む考えを示した。

 
増元照明からのメッセージ「総理の涙」
(http://www.interq.or.jp/power/masumoto/ms.html)

官邸に勢ぞろいした拉致問題対策本部の面々は、安倍晋三総理、塩崎恭久官房長官、鈴木政二官房副長官下村博文官房副長官、安藤裕康官房副長官補、三谷秀史情報官、中山恭子首相補佐官、佐々江大洋州アジア局長、梅田参事官他、首相秘書官がずらりと並んで座った。秘書官の中にも顔を見知った方々が並び、横田代表が言われたように、今考えられる最強の布陣であると確信した。
 
総理が本部長というだけではなく、一人一人が「拉致」という非道に怒りをもって、被害者の生存を信じ、救出のためにやっていただけると期待している。
 
飯塚副代表も言われたが、総理官邸の門をくぐる時は、何時も不安や不信を抱きながら入ってきたが、今回は清々しい気持ちで胸膨らませて入ってこれた。早紀江さんも、同様の気持ちを言われていた。メディアがひきとった後、雑談が始まった。その中で、安倍総理が言われた。
 
「9.17以降、被害者の救出のために努力して来ましたが、未だに解決できていないことを申し訳なく思います。いま、この立場になって私のできうる限りのことをしたい。飛行機のタラップを降りてくる被害者を待っていた時の喜びを、皆さんにも味わっていただきたい。」この言葉を、声を詰まらせながら、訥々と言われた時に、総理の目に涙があふれるのを感じた。
 
家族会のメンバーは、多くの国会議員、官僚に会ってきたが、これほど私たちの心に響く面会は、日本では初めてである。それほどの決意を気持ちを総理の涙に感じ取ることができ、私たちはもう、政府を非難することがなくなりよかったという気持ちが沸いてきた。
 
これまで、心のない方々が心無いやり方で「拉致処理」をしようとしてきたから、時には声を荒げ、時には嘆きながら訴えることしかできなかったが、この方々にお任せしていればきっと良い方向に向かって貰えるとの思いが、心を癒していった瞬間でもあった。
 
会話の中では、冗談も飛び交ったが、佐藤会長が「昨日まで体調が悪く、寝込んでいたが、皆さんの顔を見て、救う会も解散していいという気持ちです」といった。と、安倍総理は、「いやいや、国民運動は大事なものですから」と切り替えされた。
  
皆が横田夫妻の健康を心配されて、「お体だけは気をつけて!」と口々にいっていただいたが、明日は「鹿児島集会」で鹿児島入りされる。序でに我が家に立ち寄り、親父に線香を上げていただけるということだ。私も同行して、故郷・鹿児島の人たちに訴えることになる。久々の鹿児島での講演であるが、鹿児島県民に理解していただき、総理を支持し、何があっても信じていくことを訴えることにしたい。

何という安倍総理と小泉の違い!増元さんが述べておられるように、小泉政権による「拉致処理」を家族会の方々がどれだけ恐れていたかお分かりでしょう。その心も知らず、下らないネット上のお付き合いの為に「高支持率の小泉さんを批判してはならない」「救出運動を広げる為にも、経済制裁を押し付けてはならない」とこの二年間言い続けてきた自称支援者は自らを恥じた方が良い。
 
ただ冒頭で述べたように、残念ながら安倍総理の“権限”はさほど強くはなさそうだ。言ってみれば、小泉前総理が作り上げた権力をあまり批判する事なく、耐えてそれを継承したに過ぎないからだ。自分の力だけで作り上げたものではない。そうした意味では、小泉前総理が終戦記念日における靖国参拝を宣言し、郵政民営化を国民に訴え、支持を取り付けた手法そのものは見事だったと思う。ただ、8・15参拝の公約は最後の年になるまで守られなかったし、郵政民営化法案は国益を失うだけの馬鹿げたものだったと今でも思っているが。
 
これはある国会議員*1の秘書さんから聞いた話。その秘書さんと交流のある各省庁の官僚の誰もが口を揃えて言っていたのは「田中真紀子は文句無しに基地外だが、小泉はその男版でこいつも間違い無く基地外」だそうだ。それには全く親愛の意味は無く、文字通りの精神病者扱いだったとか(笑)。本物の基地外とその熱狂化したファンがあの郵政選挙を導いたのだ。これだよ、これ。高杉晋作じゃないが「狂」の一文字だよ。なんでこれをパクんねぇんだ!サヨク系マスコミがさかんに「横文字ばかりで長たらしい」「美しい国の定義が分からない」とツッコミを入れているがまさにその通り。安倍晋三の一番ダメな所は、その中途半端なバランス感覚だ!もっと狂え!!糞ったれ。
 
「同胞である拉致被害者を奪還する為、同じく被害を受けた世界各国と協力をし合い、あらゆる手段を用いてそれを行う。我が内閣はその遂行に相応しい国家体制を早急に整える!」とかで良いんじゃね?
 
現在、安倍が総理就任直後に中国や韓国を外交訪問する話が持ち上がり、安倍自身も前向きに検討しているという。馬鹿馬鹿しい。中韓の双方とも、日本との外交を改善する為にこれまでの反日戦略を変えるらしい、という根拠の無い噂が流れているが、それをまともに信じれば痛い目を見るだろう。奴らが靖国カードという便利なものを捨てられるワケがない。

*1:まあ、察して下さい