わずか数日でこの有り様

北朝鮮制裁決議案、採決先送りへ・中朝交渉見極めへ
(http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt58/20060710NS003Y17610072006.html)

国連安全保障理事会北朝鮮のミサイル発射を受けた制裁決議案の10日の採決が先送りとなった。中国政府が同日、決議案の採決を数日間延期するよう要請し、日米両政府が受け入れた。同日から訪朝している中国の武大偉外務次官らの説得作業を見守るもので、採決は今週後半以降にずれ込む見通しとなった。
 
中国側は決議案の採決について「何日か待ってほしい」と打診。これを受けて日米両政府は(1)ミサイル発射の再凍結(2)6カ国協議への無条件の早期復帰――などを条件に先送りを容認する方針で一致した。今後、中国の説得作業を見守る。
 
麻生太郎外相は10日深夜、ライス米国務長官と電話で協議し、現地時間の10日の採決を延期することを確認。協議後、外相は外務省内で記者団に「議長声明をのむことはないが、中国が北朝鮮を説得する時間を与えるということだ。サミットなどもあり、あまり時間はない。今日、明日中は難しい」と述べ、採決は早くとも12日以降になるとの見通しを明らかにした。

 
◆ロシア外相「受け入れられない」・日本の制裁決議案
(http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060712AT2M1201R12072006.html)

ロシアのラブロフ外相は12日、日本などが国連安全保障理事会に提出した北朝鮮制裁決議案について「全く受け入れられない」と強く反対する考えを示した。ロシアは当初から制裁に反対する立場だったが、決議案を公式に批判したのは初めて。早期の制裁決議を主張する日米に対し、英仏が2段階の折衷案を提示するなど妥協を模索する動きが出ている。ロシアには妥協への流れを加速させたいとの思惑があるようだ。
 
外相は「日本はすべての国が日本が望むように投票すべきで、反対すれば否定的な結果を招くと警告している」と日本を名指しで非難。話し合いによる解決を改めて主張したうえで「北朝鮮に脅しをかけることは6カ国協議を窮地に追い込むだけだ」と述べた。
 
ロシアは北朝鮮への制裁決議には一貫して慎重姿勢だった。ただ、国連安保理の採決で拒否権を発動すれば、15日からの主要国首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)で孤立する懸念があった。

まあだいたい予想通り。棄権以前の問題。自民党の一議員の食客に落ちぶれた元政治評論家の某氏は恥というものを知って頂きたい。切にそう願っております。それはさておき。
 
◆はしご外された強硬路線・・・制裁決議案の採決延期
(http://www.toonippo.co.jp/tokushuu/danmen/danmen2006/0711.html)

日米両政府は北朝鮮のミサイル発射問題で十日に予定していた国連安全保障理事会での制裁決議案採決を土壇場で延期した。「中国などに拒否権を行使されても構わない」と早期採決を目指した日本にストップをかけたのは米国だった。米国の後押しを頼りに強硬路線を走った日本は、米中両大国の駆け引きのはざまで「はしごを外された」(外務省幹部)形となった。
 
▽当初は「非難」 
「それじゃあ、ブッシュ、コイズミの間で話をしてください」。十日深夜、麻生太郎外相とワシントンのライス米国務長官との電話会談。採決延期の方針を通告してきた米側の「心変わり」に納得せず、当初方針通り十日中に採決を断行するよう求めた麻生氏に対して、ライス氏はそう冷たく突き放した。
 
北朝鮮弾道ミサイル七発を発射した五日から日米両政府はニューヨークの国連代表部を通じて安保理決議案の文案調整に入った。その時点で日本が想定していたのは「非難決議案」の線だった。非難決議案なら自国領の近海にミサイルを落とされたロシアも「賛成する」との感触を得ていたからだ。
 
ところが翌六日、外務省幹部が顔をそろえた緊急対策本部会合の席上、「日本が制裁決議案を作成したと米国のテレビが流している」との情報が飛び込んできた。ニューヨークでの協議で、米国が決議案に「制裁」を加えるよう主張。「米側が(事実関係を曲げて)メディアにリークした」(外務省幹部)という経緯だった。「何でこんな強い決議案になったのか。米国に抗議すべきだ」と、幹部の一人は声を上げたが、流れを変えることはできなかった。
 
エスカレート
これを節目に日本政府は、米国主導の「制裁決議案」で走らざるを得なくなる。ハドリー大統領補佐官安倍晋三官房長官に頻繁に電話し「日本は制裁についてこられるか」と背中を押した。
 
結局、日米は英仏などと共同で七日に制裁決議案を正式に提出。麻生外相は八日の講演で「(中国など)拒否権を持っている国の顔色を見ながらやるのはおかしい。日本は譲らない。最後まで突っ張る」と一気に強硬路線を前面に出した。
 
外務省内でも「中国が拒否権を行使すれば、国際社会での孤立ぶりを明確にできる」「日本が初めて『主体的外交』を行う好機到来だ」などと、否決覚悟で制裁決議案採決を求める強硬意見がエスカレートしていく。
 
これに対し中国は、安保理理事国に制裁決議案に賛成しないよう根回しを開始。十日に武大偉外務次官らを平壌に派遣し、北朝鮮の説得に当たらせるとともに、米国には「説得の行方を見守ってほしい」と強く要請。七日に北京を訪れたヒル国務次官補には、格上の李肇星外相や唐家〓(王ヘンに旋)国務委員も会談する破格の待遇で応じた。
 
▽空気が変わる
米国は、中国の要請を受け入れる形で事態の収拾に動き始める。十日午前、ライス氏は麻生氏に電話し「中国の外交努力を見守ることが、米国だけでなく共同提案国である英仏両国の意向でもある」と通告。この段階へきて、米国の真の狙いは六カ国協議再開にあり、制裁決議案は中国にプレッシャーをかけ「北朝鮮への強い影響力」(ヒル氏)を発揮させる手段だったという構図が浮かび上がってきた。日本側が事態を把握したのは「採決延期」の方針が米中間で事実上決まった後だった。

「Dogma_and_prejudice」の上田真司さんの紹介。単なる地方紙の一記事だけど妙に説得力がある。一体どんなソース持ってんだ?と疑問も抱くが。でもこれをベースに考えると色々謎が氷解するようにも思える。