北朝鮮の核実験強行と日中・日韓首脳会談について

気になる記事やブログのエントリーをピックアップ。感想を色々書き加えながら逐次だらだら更新していきます。
 
安倍氏賛美、小泉氏こき下ろし 中国メディア
(http://www.sankei.co.jp/news/061008/kok009.htm)

8日付の中国共産党機関紙・人民日報は「智者は勢いに従って事を謀る」と題して安倍晋三首相の訪中を論じる記事を掲載した。訪中を決断した安倍首相を「智者」と持ち上げて絶賛する一方、靖国神社参拝問題などで日中関係を悪化させた小泉純一郎前首相を「自己陶酔する独裁者」とこき下ろした。記事は「就任後わずか13日、日本の首相として史上初めて中国を最初の外遊先に選んだ」安倍首相の訪中を「氷を打ち砕く旅」と表現した。「安倍、小泉両氏はともに世襲議員で、同じ自民党森派に所属、政策や主張は基本的に同じだ」と位置づける一方で、2人の違いを分析している。安倍首相は就任後、「靖国神社参拝について『政治や外交上の問題になることを望まない』立場をたびたび表明した」と紹介。その上で「『国家利益』よりも『心の問題』を優先する小泉前首相」と違って、安倍首相は「周りの意見を積極的に受け入れる」「国際情勢に順応できる」「智者」だと評価した。今回の訪中の決断について「アジア外交の改善という公約を果たすと同時に、小泉前首相が残した負の遺産清算し、野党の攻撃も封じ込めることができる。まさに半分の力で2倍の効果を上げることができる」と、安倍首相を自国の政治家のように褒めたたえた。「人民日報」は中国共産党の中央宣伝部に直属し、自他ともに認める中国政府の「のどと舌」(代弁者)だが、今回のように外国の指導者を手放しで賛美するのは極めて異例。背景に、国民の反日感情をなだめて、日中首脳会談を決断した胡錦濤国家主席を援護射撃する狙いがありそうだ。

これの事か。↓
 
◆人民網「安倍首相訪中に見る中日両国の決断」
(http://j.peopledaily.com.cn/2006/10/08/jp20061008_63693.html)

日本に安倍晋三首相が誕生したその13日後、新首相は中国に公式訪問する。日本の首相が中国を就任後一番目の訪問国とするのは初めてのことだ。冷え切った関係を打破する旅を、安倍首相がなぜこの短期間に実現させたかに、国際世論の注目が集まっている。以下に挙げる3つの重要な要因があったと私は考える。(文:人民日報記者・于青)
 
(1)因人成事(人に頼って事を成し遂げる)
 
安倍氏と前任の小泉氏はいずれも世襲議員であり、所属する党(自民党)も派閥(森派)を同じくし、政見も基本的に同じだが、2人には大きく違うところがある。小泉氏は自民党総裁選に3回出馬し、ようやく念願をかなえた。安倍氏は1回目で成功している。小泉氏は高潔を自任し自己を賛美し、また独断専行だった。安倍氏はチームの力を発揮させることに長け、側近の意見を重視する。すなわち古い言葉でいう「因人成事」だ。安倍氏は「時機を見てアジア外交を立て直すという約束を果たし、小泉氏の「負の遺産」を返還し、さらには野党の攻撃を封じれば、半分の労力で倍の効果が得られる」という身辺の「参謀」の進言を聞き入れた。
 
(2)因時制宜(時に応じた措置をとる)
 
首相に就任する前と後で、安倍氏の発言には大きな変化がある。首相になる前は小泉氏の靖国神社参拝を積極的に支持していたが、首相になってからはこの問題を引っ張り始め、「これについて明確な態度表明をするつもりはなく、この問題が政治問題・外交問題にならないよう願う」と何度も示している。また過去には「村山談話」に強硬な態度を見せていたこともあったが、首相就任後は「村山談話」と慰安婦問題に関する河野洋平氏の談話(河野談話)の精神を受け継ぐと言明した。これは安倍氏の思想が変化したわけではなく、「位に応じて、政治を謀る」ということだ。小泉氏のように「心の問題」を国益の上位に置くようなことはしない。
 
(3)因勢利導(情勢に乗って利を導く)
 
安倍氏は首相就任に際し、アジア外交の立て直しを公約とし、初の外国訪問はアジアに行くと表明していた。これも、アジア外交の立て直しが大勢となっていたからだ。日本国民の呼びかけ、米国要人の暗示、国際社会からの期待――安倍氏は「情勢に乗って利を導く」しかなかった。中国側ももちろん、このような多くの変化に注目していた。古人は「智者とは情勢に乗って謀るもの」との言葉を残している。中国がこれに乗ったのは、中日両国民の友好と協力、アジアの平和と発展、調和の取れたアジアと世界の構築のためだ。安倍首相の訪中実現は、中日両国のリーダーが「情勢に乗って利を導く」決断をしたために生まれ、相互利益を勝ち取るための選択だった。

ぶっちゃけて言うと、安倍総理中共にとって小泉前首相よりずっと扱い易い「使える奴」という事なのだろう。しかしネット上では、かなりの評価をされている方がいる。
 
◆東アジア黙示録「堂々たる外交デビュー戦…中共拉致問題で屈服」
(http://dogma.at.webry.info/200610/article_9.html)

それでも堂々たる外交デビューだと喝采を送りたい。5年前の小泉訪中では、わずか6時間の滞在で、小泉前首相は盧溝橋や抗日記念館に連行され、“侵略”の言葉を含む屈辱的な声明の発表を強要されたのだ。また、歴代総理の訪中で“手土産”を持参しなかった首相は皆無といってい良い。手土産とは円借款であり、ODA供与の確約である。全ての日本国首相が札ビラを見せながら、土下座外交を繰り返していたのだ。恐らく外務省サイドは今回も何らかのプレゼントを袖の下に隠していただろう。しかし、今会談では表面上、安倍首相は現ナマ入りの鞄を手にせず、中共暗黒指導者の序列1位〜3位と対面を果たした。30年以上続いた日本の対中屈辱外交の歴史に大きな一歩を示すものである。

もう手放しの大絶賛ですね。
 
しかしその一方、相当厳しい評価を下している方もいます。
 
◆或る浪人の手記「支那安倍晋三を無能と評する」
(http://restororation.blog37.fc2.com/blog-entry-511.html)

記事中にもあるように、この安倍氏への賛美は、日中関係国民感情を刺激せずに良化させたいという中国共産党側の思惑も絡んでおり、一概に橋本元首相の件と同じにする訳にはいきませんが、ただそれだけの理由であるならば、ここまでの賛美をする必要も無いと思えるものです。
(略)
これを成功と見るか、或いは失敗と見るかは個々人の自由ではありますが、判断をする前に、もう一度だけ冒頭に記した六韜の一文を思い出して頂きたいと思います。
 
「交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が有能ならば何一つ与えず返せ。交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が無能ならば大いに与え、歓待せよ。そうすれば、隣国では無能な者が重用され、有能な者が失脚する。そしてやがては滅ぶ」

個人的には、後者の方に賛成ですね。対中国外交に関しては、紛いなりにも(その時期ややり方や動機にはもちろん反対でしたが)任期中の靖国参拝を押し通した小泉外交の方が安倍よりもマトモだったという事なのだろう。この事を某掲示板で述べたら、この俺が小泉信者扱いされたよ!orz そういや、総裁選前に安倍ちゃんの弱腰を批判して、福田康夫をほんのちょこっと褒めたら親福田派に認定されたしな。小泉の靖国参拝はイケイケドンドンで危なっかしいもので、現実的な妥協をした安倍こそ「保守」の名に相応しいんだとさ!安倍さんを批判しないで黙ってみていろ、という事らしい。やばい、安倍信者は本当に小泉信者より性質が悪いかも。怖えーよ連中。
 
もし、福田康夫や谷垣が首相になって「村山談話」「河野談話」を認め、かつ中国に行き、以上の会談を行なってたら、何と批判するのだろう。「歴史共同研究の約束をしてくるだなんて許せない!売国奴め!!」なんて言って、キレるんじゃないか?中には、バンドン謝罪で小泉首相を批判したものもいるだろう。小泉の村山談話引用は汚い引用で、安倍の引用はキレイな引用?そんな馬鹿な。
 
と思ったら、こういう意見も。
 
◆日々是チナヲチ。「安倍首相訪中――小泉さんありがとう。」

香港紙や中国国内メディアをみていると「破氷之旅」「和解之旅」などとまるで日本側が頭を下げに行ったような言葉ばかり出てきますが、さすがに面子を重んじるお国柄ですね。自分が日本の上に立つ構図でないと気が済まない。
 
 ……そういう従来型の「朝貢外交」を小泉さんがぶっ壊しにかかり、半ばぶっ壊れた新しい環境の上で行われたのが今回の日中首脳会談だと私は考えています。
(略)
『人民日報』の評論が「小泉の『負の遺産』」という表現を使っていましたが、これは逆でしょう。小泉前首相が対中関係において莫大な遺産を残してくれた一方、中国では胡錦涛が「江沢民の『負の遺産』」という呪縛、具体的には「靖国」という踏み絵から自由になったから現実的・実務的・合理的といった胡錦涛本来の「地」を出せるようになったのだと思います。

はー。なるほど、小泉信者はこういう思考をするのか(笑)。さすがに斜め上にぶっ飛んだよ!まだまだ甘いな、安倍信者。それほどまでに中国側が日本との外交関係の修復とやらを望んでいたのなら、どうしてまず胡錦濤に先に訪日をさせなかったのだろうね。それはさておき、そういう理屈が成立するなら、反日教育を徹底させた江沢民こそ中国に莫大な遺産を残したのかもしれない。胡錦涛が「現実的な」面をチラっと見せれば、簡単に超タカ派と呼ばれる政治家でさえ「村山談話」「河野談話」を継承し、歴史認識を変える事を約束するのだから。
 
所謂保守派の中でも、この三方のように、それぞれの見解があるのが面白いですね。
 
◆日中首脳会談:温家宝首相が宋詞引用…靖国に行かないで?
(http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061009k0000m010105000c.html)

安倍晋三首相と会談した温家宝首相は宋詞の一節を引用し、靖国神社に行かないようえん曲に求めた。引用されたのは南宋の辛棄疾(しんきしつ)の「江西の造口の壁に書す」の中の、「青山は遮りとどめえず。畢竟(ひっきょう)、東流し去る」(山も大河の流れをとどめられない)で、日中両国の友好協力の発展が必然的だという比ゆに使った。だが、この下の句は「川辺の夕暮れ。私を悲しませる。山深く聞こえる鷓鴣(しゃこ)の鳴き声」と続く。中国では、キジの仲間である鷓鴣の鳴き声は中国語で「行ってはだめだ、兄さん」と聞こえるといわれている。

本当かこれ?何だか胡散臭い。日本の新聞記者に、宋詞を理解し、その裏にある意図を読み取る芸当が出来るのかよ。向こうさんからのリークがあったならともかく。日中国交正常化交渉の時に、当時の田中角栄首相が毛沢東主席から「楚辞集注」を送られた話を思い出したのだが、今ググって調べてみたら、この件についての解釈が余りにまちまちで驚いた。→「楚辞集注+田中角栄+毛沢東」
 
結局のところ、俺の予想したような引っ掛け戦法は取らずに「なぶり殺し」ではなく「褒め殺し」作戦を展開したようだ。つまるところ、小泉に対してやってきた強硬外交路線じゃ通用しないし、かえって反発を生むのだと思ったのだろう。小泉より話が分かり、森喜朗の言う事を素直に聞くであろう安倍に対しては、小泉を悪役に仕立て比較する事でプライドを満たしてやれば良いのだと。
 
◆政府が追加的経済制裁発動を検討、核実験実施で
(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20061009i112.htm)

政府は9日、北朝鮮の核実験を受けて安全保障会議などで対応を協議し、日本独自の経済制裁の追加的な発動や、国連安全保障理事会での国連憲章第7章に基づく決議の早期採択を柱とする対処方針を決めた。政府は今回の核実験を安全保障上の「深刻な脅威」と受け止めており、北朝鮮への圧力を強める一方で、日本の防衛体制を改めて点検する方針だ。訪韓中の安倍首相は9日夕、ソウル市内で記者会見し、「北朝鮮核兵器開発と製造は断じて容認できない。断固とした姿勢で対処すべきだ」と強調した。さらに、「核保有でより危険な新しい核の時代に入る。射程を延ばしつつある弾道ミサイルと併せて考えれば、国際社会全体にも深刻な脅威だ」と指摘した。首相は、政府が追加的な経済制裁検討に入ったことや、国連安保理での制裁決議に関する協議を急ぐよう指示したことを明らかにした。また、「日米同盟の抑止力の信頼性を一層向上させるよう、米国と緊密に連携しながら、ミサイル防衛を始めとする日米防衛協力を進める」と述べた。塩崎官房長官は9日夜の記者会見で、<1>我が国の安全に対する重大な挑戦で断じて容認できず、速やかに厳格な措置を取る<2>米国など国際社会と連携して国連安保理等で迅速に対応する<3>日米間で安保条約を確認し、さらに強化する――などとする声明を発表した。政府はこれに先立ち、首相官邸安全保障会議を開き、北朝鮮の狙いや日本への影響などを協議した。日本独自の制裁は、7月のミサイル発射を受けて9月に発動した金融制裁の対象拡大や、特定船舶入港禁止法に基づく北朝鮮船舶の入港禁止措置の拡大が柱となる見通しだ。金融制裁については、政府はすでに、ミサイルや大量破壊兵器の開発に関与した疑いのある15団体・1個人を対象に、日本にある金融機関からの送金などの資金取引を事実上、禁止している。これに関連し、尾身財務相は9日、記者団に、「送金停止や本人確認の徹底、監督の強化などの措置の拡充強化を検討しないといけない」と述べた。入港禁止措置では、現在対象となっている貨客船「万景峰号」に加え、北朝鮮の貨物船や北朝鮮の港を経由した第三国の船舶も対象とする案が有力だ。日朝間の輸出入規制として、北朝鮮の対日主要産品であるアサリやマツタケなどの農産物・水産物の輸入制限も検討している。一方、久間防衛長官は9日、防衛庁の「北朝鮮による核実験に関する対策本部」の初会合で、情報の収集・分析を急ぐよう求めると同時に、「北朝鮮に対する抑止の観点からの対策にも取り組んでほしい」と述べ、日米の防衛協力体制を強化するよう指示した。

追加経済制裁、大変結構ではございますが一体いつまで「検討」するつもりなんですかね?7発のミサイルを発した際にも「検討」していたはずだし、小泉前首相が辞任した時も限定的とはいえ制裁を発動したはずです。当然、核実験をやった時のオプションも定めているはずで、今更何を検討するんでしょうか。ところで拉致問題の進展を促す為の経済制裁、って完全に忘れ去られているよね。実のところ、拉致問題が解決しないという理由で、安倍政権が北朝鮮に対して経済制裁を行なう事は無い、と確信しております私。
 
民主党が談話「日朝平壌宣言は白紙に」
(http://www.sankei.co.jp/news/061009/sei013.htm)

北朝鮮の核実験実施発表を受けて民主党9日、菅直人代表代行を本部長とする対策本部を設置した。菅氏は談話を発表し「(核実験が)事実とすれば地域安全をもてあそぶ危険極まりない蛮行だ」と北朝鮮を厳しく非難、日朝平壌宣言の白紙撤回を求めた。
 
談話で菅氏はまた、北朝鮮に対し「ミサイル問題、拉致問題で、これまで行ってきた行為を全面的に明らかにし、停止、原状復帰すべきだ」と迫っている。

民主党結党以来の、そして菅直人が国会議員になって初のマトモな談話かもしれない(苦笑)。この攻撃は良いよ。
 
◆安倍ブッシュ電話会談「安保理で断固たる行動を」
(http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/22602/)

安倍晋三首相は9日夜、滞在先のソウルでブッシュ米大統領と約5分間電話で会談した。両首脳は、北朝鮮が核実験実施を発表したことについて「断固容認できず、国際社会の平和と安定に対する重大な脅威であり、不拡散体制への深刻な挑戦」との認識で一致。国連安全保障理事会で「断固たる行動をとる」ことで合意した。また、日米同盟に基づく米国の抑止力がゆるぎないことも確認した。
 
 ■日米が北制裁決議原案、国連による経済制裁
 
北朝鮮の核実験実施発表について国連安全保障理事会は9日午前(日本時間同夜)、緊急の非公開協議を開催した。複数の安保理筋によると、10月の安保理議長国を務める日本と米国は同日午後(日本時間10日未明)の実務者会合で、国連憲章7章に基づく対北朝鮮制裁決議の原案を提示する方針を固めた。制裁決議案が実際に採択されれば、北朝鮮の国際的孤立がさらに深まる。安保理は今後、北朝鮮が挑発行動を繰り返すたびに追加措置を講じると見込まれ、北朝鮮の出方によっては国連による本格的な経済制裁発動につながる可能性も出てきた。協議に先立ち、米英両国とフランスの国連大使安保理が制裁の法的根拠となる国連憲章7章に基づく制裁決議を採択する必要性を強調。ボルトン国連大使は9日から安保理で制裁論議を始めると語った。大島賢三国連大使は9日朝、6日の安保理議長声明が「無視された」と北朝鮮を非難、「できるだけ早く適切な対応を取りたい」と述べた。北朝鮮の7月のミサイル発射を受けた安保理決議は、同国からのミサイルや関連物資・技術の調達を禁止。北朝鮮のミサイルや大量破壊兵器開発に関与する組織などへの資金移転を阻止するための必要な措置を国連加盟国に義務付けた。安保理筋によると、日米の新たな決議案はこれらの措置の履行を要求する一方、武器禁輸や貿易制限、金融制裁などを新たに検討中。6カ国協議を通じた北朝鮮核問題の外交解決を目指してきた中国やロシアも、一定の制裁は容認せざるを得ないとみられる。安保理は今月6日、核実験を行うとの同3日の北朝鮮外務省声明に「深い憂慮」を表明、核実験強行の場合には「安保理国連憲章の下での主要な責任に沿って行動する」として、追加措置を警告する議長声明を全会一致で採択していた。

そろそろ6カ国協議はもちろん国連安保理の枠からも抜け出して、日米で事に当たる必要を考えねばならない時期に来たのではないか。
 
最後に。
 
◆日韓首脳、歴史共同研究委員会の年内発足で合意
(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20061009i113.htm?from=main1)

安倍首相と韓国の盧武鉉大統領は9日、ソウルの青瓦台(大統領府)で会談し、小泉前首相の靖国神社参拝などで険悪化していた関係の改善に向け、未来志向の日韓関係を構築していくことで一致した。その一環として、第2期の歴史共同研究委員会を年内に発足させることで合意した。北朝鮮による拉致問題の解決に向けて協力していくことでも一致した。また、首相は大統領の来日を招請し、大統領は「適当な時期に訪日したい」と答えた。首相と大統領の会談は昨年11月以来。日韓関係の今後について、大統領は「日韓関係は二国間のみならず東アジアの秩序に決定的な影響を与える。安倍首相の訪韓が日韓関係に新たな機会になるのではないか。未来志向(の関係)を開いていきたい」と述べた。そのうえで、<1>靖国神社参拝問題<2>歴史教科書問題<3>いわゆる従軍慰安婦――が日韓関係冷え込みの大きな要因となってきたとの認識を示した。これに対し、首相は「かつてアジア諸国に多大な損害、苦痛を与え、傷跡を残したことの反省の上に戦後60年の歩みがある。日韓間の過去をめぐる韓国国民の心情を重く受け止めている」と強調した。靖国問題では、大統領が日本の国立追悼施設構想について「具体的な検討ができないか」と指摘したのに対し、首相は、追悼施設の建設に慎重な考えを示した。さらに首相は、「自分が靖国参拝してきたのは、死者に尊崇の念を表し、恒久平和を祈るためであり、決して軍国主義の美化でもA級戦犯賛美でもない」と訴えた。今後の靖国参拝については参拝の有無を明言しない方針を示し、「双方が政治的困難を克服し、両国関係の健全な発展促進の観点から、適切に対処していきたい」と述べた。いわゆる従軍慰安婦の募集、移送、管理に旧日本軍などの関与と強制性があったことを認めた1993年の河野談話について、大統領は「守られていないのではないか」と懸念を示したが、首相は自身の内閣も河野談話を受け継いでいるとの考えを強調した。首相は、今年末で任期が切れるアナン国連事務総長の後任選びで、韓国の潘基文外交通商相を支持する方針を伝えた。日韓双方が領有権を主張する竹島周辺の海洋調査問題では、排他的経済水域EEZ)の境界画定交渉を加速させることでも合意した。

とうとう韓国とまでこんな約束までしてきちゃったか。朝日新聞ですら“慰安婦”と言い直している、所謂「従軍慰安婦」問題を再燃させてしまうとは。
 
結局、死に体寸前の盧武鉉大統領と会談する事で一体どんな利益を得たというんだ?